(財)資産評価システム研究センター

固定資産評価基準に関する調査研究
−実務面からの解説−

目   次
はしがき
平成17年度 固定資産評価基準に関する調査研究委員会委員名簿
平成16年度固定資産評価基準に関する意見交換会構成者名簿
平成17年度固定資産評価基準に関する調査研究委員会 審議経過
土地部会
家屋部会

○ はじめに
○ 土地篇
第1節 通則
 一 土地の評価の基本
 二 地積の認定
 三 地上権等が設定されている土地の評価
第2節 田及び畑
 一 田及び畑の評価
 二 評点数の付設
 三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
第2節の2 市街化区域農地(宅地等介在農地を含む)
第3節 宅地
 一 宅地の評価
 二 評点数の付設
(一) 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設
 1 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
 2 標準宅地の選定
 3 路線価の付設
 4 各筆の宅地の評点数の付設
(二) 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設
 1 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
 2 状況類似地区の区分
 3 標準宅地の選定
 4 標準宅地の評点数の付設
 5 各筆の宅地の評点数の付設
 三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
 1 評点一点当たりの価額の決定
 2 指定市の提示平均価額の算定
 3 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定
 四 農業用施設の用に供する宅地の評価
 五 生産緑地地区内の宅地の評価
第4節 削除
第5節 鉱泉地
 一 鉱泉地の評価
 二 こ渇した鉱泉地等の評価の特例
第6節 池沼
第7節 山林
 一 山林の評価
 二 評点数の付設
 三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
第8節 牧場
第9節 原野
第10節 雑種地
 一 その他の雑種地の評価
 二 ゴルフ場等用地の評価
 三 鉄軌道用地の評価
第11節 その他
 一 砂防指定地の評価
 二 特別緑地保全地区内の土地の評価
 三 大規模工場用地の評価
 四 保安空地等の評価
第12節 経過措置
 一 宅地の評価に係る価格調査基準日及び評価水準
 二 宅地等の評価額の修正
 三 鉱泉地の評価において用いる宅地の基準年度の価額

[資料] 固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号) (抜粋)
別表第1の1 田の比準表
別表第1の2 畑の比準表
別表第2 田又は畑の指定市町村表
別表第3 画地計算法
別表第4 宅地の比準表
別表第5 削除
別表第6及び附表 削除
別表第7の1 山林の比準表
別表第7の2 山林の指定市町村表
別表第7の3 大規模工場用地規模格差補正率表

○ 家屋篇
第1節 通則
 一 家屋の評価
 二 評点数の付設
 三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
1 評点一点当たりの価額の決定
2 指定市の提示平均価額の算定
 ア 在来分の家屋の総評価見込額の算出
 イ 新増分の家屋の総評価見込額の算出
3 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定
 四 増築された家屋の評価
1 増築について
2 改築について
 五 非課税部分等のある家屋の価額の区分
 六 再建築費評点基準表の補正等
 七 建築設備の評価
第2・3節 木造家屋・非木造家屋
 一 評点数の算出方法
 二 部分別による再建築費評点数の算出方法
木造家屋(非木造家屋)評点基準表の適用
床面積の算定(木造家屋)
床面積の算定(非木造家屋)
木造家屋評点基準表の部分別区分
非木造家屋評点基準表の部分別区分
評点項目及び標準評点数
評点項目及び標準評点数(非木造家屋)
補正項目及び補正係数
補正項目及び補正係数(非木造家屋)
再建築費評点数
 三 比準による再建築費評点数の算出方法
 四 在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数の算出方法
 五 損耗の状況による減点補正率の算出方法
1 経過年数に応じる減点補正率
第2節五 1 (木造家屋の積雪寒冷地の補正)
第3節五 1 (非木造家屋の積雪寒冷地の補正)
(積雪寒冷地補正市町村に絡む廃置分合等)
2 損耗の程度に応ずる減点補正率
 六 需給事情による減点補正率の算出方法
第4節 経過措置
経過措置(再建築費評点補正率)
経過措置(評点一点当たりの価額)
経過措置(二 評点一点当たりの価額)
1 物価水準による補正率
2 設計管理費等による補正率
経過措置(基準年度における在来分の家屋の評価)
経過措置(第2、第3年度における在来分の家屋の評価)
経過措置(基準年度における在来分の家屋の不均衡是正等)
経過措置(第2,第3年度における在来分の家屋の不均衡是正等)
は し が き

 固定資産税は、市町村財政における基幹税目として重要な役割を果たしてきておりますが、課税情報の公開の促進等を背景に、固定資産税制度や資産評価に対する納税者の関心は、今後ますます高まっていくものと予想されます。
 当評価センターは、昭和53年5月設立以来、固定資産税に関する調査研究、地方公共団体職員に対する研修、情報の収集・提供等幅広い業務を行って参りました。
 調査研究事業では、その時々の固定資産税を巡る問題点をテーマに選定し、各テーマごとに学識経験者、地方公共団体等の関係者をもって構成する調査研究委員会を設け調査研究を行ってまいりましたが、特に、本年度は6つの調査研究委員会を設けて、専門的な調査研究を行い、固定資産税制度、資産評価制度の改善に寄与してまいりました。
 本報告書は、固定資産評価基準をより適正に運用できるよう、その内容を実務面から解説した成果をとりまとめたものです。調査研究委員として熱心にご研究、ご審議いただきました委員の方々に対し、心から感謝申し上げます。
 当評価センターは、今後とも、所期の目的にそって、事業内容の充実及び地方公共団体等に役立つ調査研究に努力をいたす所存でありますので、地方公共団体をはじめ関係団体の皆様のなお一層のご指導、ご支援をお願い申し上げます。
 


平成18年3月
財団法人資産評価システム研究センター
  理 事 長    小 川  コ 洽
平成17年度 固定資産評価基準に関する調査研究委員会委員名簿

委員長 兼 土地部会長 
山田 泰士 札幌市財政局税政部税制課土地係長
土地担当 青木 一宏 前橋市総務部資産税課土地係副主幹
石塚 克義 東京都主税局資産税部固定資産評価課課税係長
喜々津 好宏 横浜市財政局主税部固定資産税課土地係長
安村 正浩 京都市理財局税務部資産税課土地係長
岩岡 広晃 大阪市財政局主税部固定資産税課土地係長
朝田 徳夫 神戸市財政局主税部固定資産税課土地係長

家屋部会長 川口 幹夫 名古屋市財政局主税部固定資産税課家屋係長
家屋担当 遠藤  理 仙台市若林区役所課税課家屋係長
花輪 知義 東京都主税局資産税部固定資産評価課家屋係長
遠藤 一代 川崎市財政局税務部課税指導課主査
青柳  勝 福岡市財政局税務部資産税課家屋償却資産係長


(順不同、敬称略)




 なお、平成17年度固定資産評価基準に関する調査研究委員会は、平成16年度において、次の構成者により検討が行われた。

平成16年度固定資産評価基準に関する意見交換会構成者名簿

土地担当 山田 泰士 札幌市財政局税政部税制課土地係長
青木 一宏 前橋市市民部資産税課土地係主任
石塚 克義 東京都主税局資産税部固定資産評価課課税係長
平野 正典 横浜市財政局主税部固定資産税課課長補佐
安村 正浩 京都市理財局税務部資産税課土地係長
大原 昭夫 大阪市財政局主税部固定資産税課担当係長
朝田 徳夫 神戸市財政局主税部固定資産税課土地係長

家屋担当 遠藤  理 仙台市若林区役所課税課家屋係長
管波 雅彦 東京都主税局資産税部資産特別調査課
家屋評価担当係長
遠藤 一代 川崎市財政局税務部課税指導課主査
川口 幹夫 名古屋市財政局主税部固定資産税課家屋係長
青柳  勝 福岡市財政局税務部資産税課家屋償却資産係長


(順不同、敬称略)



平成17年度固定資産評価基準に関する調査研究委員会
【審 議 経 過】


○ 第1回委員会 [平成17年11月2日(水)]
 (1)今年度の委員会の検討方針及び今後の予定について
 (2)その他 

○ 第2回委員会 [平成18年3月20日(月)]
 (1)報告書(案)
 (2)その他

<土地部会>
○ 第1回土地部会 [平成17年11月2日(水)]

 (1) 評価基準点検・整理ワークシートに基づく基準解釈の整理について
 (2) その他
○ 第2回土地部会 [平成18年1月10日(火)]
 (1)評価基準点検・整理ワークシートに基づく基準解釈の整理について
 (2)その他
○ 第3回土地部会 [平成18年3月20日(月)]
 (1)報告書(案)について
 (2)その他

<家屋部会>
○ 第1回家屋部会 [平成17年11月2日(水)]

 (1) 評価基準点検・整理ワークシートに基づく基準解釈の整理について
 (2) その他
○ 第2回家屋部会 [平成17年12月22日(木)]
 (1)評価基準点検・整理ワークシートに基づく基準解釈の整理について
 (2)その他
○ 第3回家屋部会 [平成18年2月20日(月)]
 (1)評価基準点検・整理ワークシートに基づく基準解釈の整理について
 (2)その他
○ 第4回家屋部会 [平成18年3月20日(月)]
 (1)報告書(案)について
 (2)その他

はじめに

1 固定資産評価基準の制定経緯等

 現行の固定資産評価基準は、昭和36年3月の固定資産評価制度調査会(内閣総理大臣の諮問機関)の答申を受け、その後の中央固定資産評価審議会の審議を経て、昭和38年12月に制定、告示された。
 周知のごとく、固定資産税は昭和25年度に創設されたものであるが、それ以前の地租及び家屋税の課税標準が賃貸価格とされていたのとは異なり、資本価格(適正な時価)に変更され、これに伴い、課税標準となる土地及び家屋の価格(適正な時価)を求めること、すなわち固定資産評価の実施が必要となった。
 このため、昭和26年4月には初めて「土地及び家屋評価基準」(通達)が制定され固定資産税の資産評価の方法が示されたが、ここでは土地(宅地)にあっては状況類似地区と標準地の概念が導入された。また家屋にあっては標準家屋の再建築価額を求め、これに比準して個々の家屋の再建築価額を求め、これに損耗度、利用価値等を考慮して評価額を算するものとされていた。
 その後、評価基準は累次の改正が行われたが、現行固定資産評価基準制定前の
昭和36基準年度の評価替えに係る評価基準(昭和34年12月)では、土地(宅地)にあっては宅地路線価式評価法又は宅地評点式評価法により、家屋にあっては各個の家屋の再建築費評点数に経過年数、損耗の程度等を考慮する方法により評価するものとされていた。
 しかしながら、当時の固定資産税評価の実態は、評価基準が準拠基準(現在は依拠基準)であったこともあって、評価基準どおりの評価を実施していない市町村が数多くあり、すべての市町村が統一された評価の方法によっているとはいい難い状況にあった。このため、固定資産税評価については資産間の不均衡、市町村間における不均衡、さらには相続税等他の資産課税諸税との間における不均衡とこれに起因する税負担の不公平の問題等が生じていた。
 そこでこうした点を改善すべく、前述した固定産評価制度調査会及び中央固定資産評価審議会での検討・審議を経て、昭和38年12月に現行の固定資産評価基準が制定されたのであった。
 なお、土地及び家屋についての評価方法そのものは、従前の評価基準と大きく異なるものではなかった。

2 固定資産評価基準の意義

 固定資産税の課税標準は「適正な時価」であり、評価によって求めるべきは「正常価格」である。正常価格は通常、資産の価格を最も適正に、かつ、客観的に表現しているものである。
 正常価格とは、全資産を通じ正常取引価格と認識すべきであるが、各資産は価格構成要素が異なるため、資産によって評価の方法も異ならざるを得ないものである。したがって土地は売買実例価格を基準とし、家屋は再建築費価格を基準として評価するものとされている。
 固定資産評価基準はこの評価の方法及び手順等を具体化したものであり、地方税法第388条第1項の規定に基づき「固定資産の評価の基準並びに評価の実施方法及び手順」として総務大臣がこれを制定し、告示しているものである。
 また、資産の評価は評価者の個人的主観は極力排除されるべきであり、地方団体ごとに評価方法等が異なっていてはおよそ公平な税制とは言えない。このため、固定資産評価基準は、客観性、公平性を確保するための全国一律の基準とされ、市町村長は固定資産評価基準によって価格を決定しなければならないとする法的拘束力を持つものである。さらに、内容的には、評価という専門的、技術的な性格を有している。
 こうしたことからして、固定資産評価基準は法的には委任立法、補充立法としての性格を有しているといえる。
 
3 固定資産評価基準の特徴

(1) 評点式評価法であること
 固定資産税評価は、評価対象が膨大な数に昇り、しかも、これらを一定期日に評価をしなければならないという大量・一括評価であることに大きな特徴を有する。また、税の評価であることから、評価基準によって評価された価格は公平で、かつ、均衡のとれたものでなければならない。
 こうした要請等を満たすため、固定資産評価基準においては、評価額の算出過程の手法として、いわゆる評点式評価法が採られている。これは、資産を評価するに当たり、資産の価値を評点数によって格付けし、これに評点一点当たりの価額を乗じて価額に換算するという評価の方法をいうものであるが、この方法によった場合には、@評価方法の統一が容易であること、A市町村相互間の評価の適正均衡の確保が容易であること、B固定資産評価基準の作成に便宜であること等の利点があるといわれている。
 すなわち、評点式評価方法の採用によって、多数の市町村が同一の評価の基準によって、同一の評価方法によることができ、これによって市町村相互間の評価の適正及び均衡を確保することが容易となるものである。
 これについて、家屋評価を例とって説明すれば、家屋の建築費を構成する各種建築資材の価格等は各地方によってまちまちであるため、仮に家屋評価の方法が家屋の価格を直接求めるものである場合には、家屋の構造、程度等が全く同一の家屋であっても評価額は異なり、比較考量に支障が生ずる。また、家屋評価に当たって適用する評価の基準の内容も、各個の家屋の所在する地域の状況に応じて作成しなければならなくなり、多数の市町村が同一の基準によって評価を実施する方法をとることは困難となる。しかし、評点式評価法を採用することによって、家屋評価の基本部分においては、家屋の所在地域の状況等を考慮する必要がないことになるので、多数の市町村が、全く同一の基準を適用して評価を実施することが可能となり、また、家屋評価の基本部分の比較考量が容易となる。また、家屋評価の基本部分について地域の状況にかかわらず、多数の市町村に全く同一の評価基準を示し、これによって各個の家屋の価値を評定するので、評価基準の作成上からも便宜であるということになる。
 ちなみに、この評点式評価法によることとされているのは、土地にあっては農地、宅地及び山林とされ、家屋にあってはすべての家屋とされている。
    
(2) 提示平均価額による評価の均衡確保のための措置が講じられていること
 提示平均価額は、市町村間の評価を調整し、その均衡の確保を図ることを目的としている。具体的には、総務大臣又は都道府県知事が各市町村の総評価見込額を算定し、その総評価見込額と各市町村における付設総評点数による総評価見込額が異なる場合で、必要があると認めるときは評点1点当たりの価額を調整することができるとするものである。すなわち、見込額の相違する分を市町村の評点1点当たりの価額に反映させることにより、市町村間の評価の不均衡を是正しようとするものである。
 (1)において、評点式評価法について述べたが、この方式による土地及び家屋の評価は二系統から成るものである。すなわち、価値を点数によって表示するための評点数の付設系統と評点1点当たりの価額の算出及びその価額算出の基礎となる評点1点当たりの価額の算定系統とである。
 提示平均価額とはこのうちの各市町村における評点一点当たりの価額を求める基礎となるものであり、具体的には、指定市町村については総務大臣が算定し、指定市町村以外の市町村については各都道府県知事が算定するものとされている。
 なお、土地のうち宅地の評価については、平成6年度からいわゆる7割評価が導入され、各市町村は公示価格等の7割を目途に評価することとされたため、これによっても全国的な評価の均衡が確保されている。

(3) 大量・一括評価であること
 固定資産評価の対象となる土地及び家屋は膨大な数に昇る。しかもこれらの評価は固定資産税が賦課期日課税であるところから、限られた期間内に実施しなければならない。このため、固定資産税評価には他の資産課税における評価にはない特徴を有している。   
 土地の評価は、基本的には標準地比準方式によっている。これは状況が類似する地域(地区)については、そのうちの標準的な土地の価格を求め、その他の土地についてはその標準的な土地の価格に比準してその価格を求めるという方法である。
 また、家屋については再建築費価格を求めるものであるが、その求め方には二通りの手順が評価方法が固定資産評価基準に定められている。一般に、家屋は個別性、独立性が強いといわれていること等から基本的には一棟毎に再建築費価格を求め評価する方法によっているが、一方で、用途によってはかなり類似する家屋も多く出現していること等から標準的な家屋を選定し、これに比準して個別の家屋の再建築費価格を求め評価する方法も認められている。
 このように、家屋を別にすれば、基本的には比準方式による評価方法がとられているということができるが、これは評価対象の大量性ゆえに、一筆一筆のすべてについてその要因、要素を分析し評価するというものではなく、基本的には比準という方法により評価することとしているのである。

4 以上、固定資産評価基準の意義、特徴等について述べたが、固定資産評価基準の解釈に当たっては、これらのことについて十分留意おくことも必要であろう。

土地篇

第1節 通則


 土地の評価の基本

【評価基準】
一 土地の評価の基本
 土地の評価は、次に掲げる地目の別に、それぞれ、以下に定める評価の方法によつて行うものとする。この場合における土地の地目の認定に当たつては、当該土地の現況及び利用状況に重点を置き、部分的に僅少の差異の存するときであつても、土地全体としての状況を観察して認定するものとする。
 (1) 田
 (2) 畑
 (3) 宅地
 (4) 削除
 (5) 鉱泉地
 (6) 池沼
 (7) 山林
 (8) 牧場
 (9) 原野
 (10) 雑種地
第1章第1節

【趣旨】
 土地の地目別評価及び地目の認定について規定したものである。

【概要】
 固定資産税における土地の評価に当たっては、地目ごとに評価方法が定められている。
 評価基準においては、地目を田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地の9種類に区分しており、その認定に当たっては、登記簿上の地目にかかわりなく、現況及び利用状況に重点を置き、僅少の差異が存するときでも土地全体としての状況を観察して認定するものとしている。

【解説】
 地目とは、土地を利用面から分類した名称で、基本的には不動産登記法上の取扱いと同様であり、不動産登記規則(平成17年2月18日法務省令第18号)第99条及び不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日法務省民二第456号法務省民事局長通達)に定められているところによるものである。
 (1) 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
 (2) 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
 (3) 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
 (4) 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
 (5) 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
 (6) 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
 (7) 牧場 家畜を放牧する土地
 (8) 原野 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地
 (9) 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地
 固定資産税における土地の評価に当たっては、土地は利用形態を異にする地目の区分によって価格事情を異にするので、地目ごとにそれぞれ評価方法が定められている。
 したがって、個々の土地の価格は、地目によって決定されるものではなく、その土地の地目が認定され、その地目に定められた評価方法により決定されるものである。
 土地の評価は、登記簿上の地目にかかわりなく、現況の地目によって行うこととしているのは、各筆の土地について均衡のとれた適正な評価を行うためであるが、地目は地積と異なり、実地調査によって認定することが比較的容易であるためである。
 地目の認定は、原則として一筆ごとに行うものであり、地目の認定に当たっては、土地全体としての状況いかんに着眼し、一般の社会通念に照らし、客観的に妥当と認められる地目を付することが必要である。
 したがって、部分的僅少の差異を論じて、いたずらに地目を細分して認定することは適当ではないが、一筆の土地が、相当の規模で全く別の用途(例えば、1000平方メートルの土地で700平方メートルを畑に、残り300平方メートルは住宅地)に利用されているときは、これらを利用状況に応じて区分し、それぞれに地目を定めることになる。ただし、近年の住商混在型大規模家屋が存する土地の中には、家屋の敷地、来客用駐車場、屋外商品展示場等といった相当の規模で単独では異なる地目に認定される部分にそれぞれ利用されているものがあるが、それらが地理的にも機能的にも一体性が見られるものについては、安易にこれを区分すべきでない。

【改正の経緯】
・ 「(4)塩田」を削除(H8.12.24自治省告示第289号)
・ 「土地の地目の認定に当たっては、当該土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的に僅少の差異の存するときであっても、土地全体としての状況を観察して認定するものとする」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)



 地積の認定

【評価基準】
二 地積の認定
 各筆の土地の評価額を求める場合に用いる地積は、次に掲げる場合を除き、原則として、登記簿に登記されている土地については登記簿に登記されている地積によるものとし、登記簿に登記されていない土地については現況の地積によるものとする。
 登記簿に登記されている土地の登記簿に登記されている地積が現況の地積よりも大きいと認められる場合における当該土地の地積は、現況の地積によるものとする。
 登記簿に登記されている土地の現況の地積が登記簿に登記されている地積よりも大きいと認められ、かつ、登記簿に登記されている地積によることが著しく不適当であると認められる場合においては、当該土地の地積は、現況の地積によることができるものとする。
 国土調査法(昭和26年法律第180号)による地籍調査(以下「地籍調査」という。)を行つている市町村において当該市町村の一部の地域について地籍調査後の地積が登記簿に登記されている場合には、地籍調査後の地積が登記簿に登記されている土地(以下「地籍調査後登記土地」という。)で当該市町村における他の土地との評価の均衡上当該地積によることが特に不適当であると認められるものについては、地籍調査前の当該土地の登記簿に登記されていた地積によるものとする。この場合において、地籍調査後登記土地について分筆が行われた場合における当該土地の地積は、分筆前の当該土地に係る地籍調査前の地積を地籍調査後の分筆に係る土地の地積の割合によりあん分して求めるものとし、地籍調査後登記土地について合筆が行われている場合における当該土地の地積は、合筆前の土地の地籍調査前の地積を合算して求めるものとする。

第1章第1節

【趣旨】
 地積の登記主義及びその例外について規定したものである。

【概要】
 各筆の土地の評価額を求める場合に用いる地積は、原則として、登記簿に登記されている土地については、登記簿に登記されている地積により、また、登記簿に登記されていない土地については、現況の地積によって認定するものであるが、例外として、登記地積にかかわらず現況の地積や地籍調査前の登記地積により認定する場合がある。

【解説】
 地積の認定に当たって、原則として登記簿に登記された地積によることとしているのは、主として課税技術上の理由によるものであるが、登記簿に登記された地積による地積の認定は、登記簿に登記された地積と現況地積は一致すべきものであるから、不動産登記法に則った適法な課税である。
 地目については、実地調査に基づく現実の利用状況によって認定することが容易であるのに対して、地積については、個々の土地について実測しなければ登記簿に登記された地積と現況による地積が符合しているかどうかを判定することができない。また、適正な評価を行うために、市町村内の土地全筆について実測を行うことは、時間的、技術的に相当の困難を伴い、かえって税負担の不均衡をもたらすことが予想されることから、次に掲げる場合を除き、登記簿に登記された地積によることとされている。
(1)  登記地積が現況地積より大きいと認められる場合にあっては、現況による地積すなわち実測した地積によって評価を行うものである。
(2)  現況地積が登記地積より大きいと認められ、その登記地積によることが、著しく不適当であると認められる場合にあっては、現況による地積すなわち実測した地積によって評価を行って差し支えないとされている。
(3)  地籍調査による地積の変動の状況は、地目により、地方により、一様ではないので、市町村において評価の均衡上必要がある場合において旧地積によることができることとされたものである。
 市町村の一部について地籍調査が完了した市町村においては、完了した地域の土地の評価を新地積によって行うことが特に不適当であるか否かを判断しなければならないが、その決定に当たっては、@地目別にその地目に係る市町村内の全地積に対する地籍調査後の地積が登記されている土地の地積の割合、A地籍調査後の地積が登記されている土地に係るその調査前後における地積の相違の程度、B調査前後における地積の相違による固定資産税額の変動の程度等を総合的に考慮すべきものである。
 地積調査が完了した土地について地籍調査前の旧地積によって評価をする場合において、地籍調査後の地積が登記簿に登記された後にその土地が分筆されたときは、分筆前の土地に係る地籍調査前の地積を分筆後の土地に係る地籍調査後のそれぞれの地積の割合によってあん分した地積によるものであり、また同様にその土地が合筆されたときは、合筆前の土地に係る地籍調査前の地積を合算した地積によるものである。

 なお、土地区画整理事業等施行中の土地について、仮換地等の指定が行われ、当該仮換地等について使用収益することができることとなった場合には、みなし課税をすることができる(地方税法第343条第6項)とされているが、この場合、当該仮換地等の地積の認定に当たっては評価時点における客観的資料によるべきものであり、通常、仮換地指定通知書に記載された地積によることが適当である。


区  分 原 則 例     外
状  況 認  定
登記簿に登記されている土地 登記地積 登記地積>現況地積 現況地積
登記地積<現況地積 現況地積(ただし登記地積によることが著しく不適当な場合に限る。)
登記簿に登記されていない土地 現況地積    


【改正の経緯】
  • 現況地積と登記地積が異なる場合の取扱いを追加(H12.1.28自治省告示第12号)
  • 「土地登記簿」を「登記簿」に改正(H17.3.7総務省告示第239号)


 地上権等が設定されている土地の評価
【評価基準】
三 地上権等が設定されている土地の評価
 地上権、借地権等が設定されている土地については、これらの権利が設定されていない土地として評価するものとする。
第1章第1節


【趣旨】
 土地の評価における更地主義について規定したものである。

【概要】
 固定資産税における価格は、土地に地上権、借地権等各種の用益物権、担保物権又は債権が設定されている場合には、これらの権利が設定されていないものとした場合におけるその土地自体の価値を反映する価格をいうものである。

【解説】

 土地に地上権、借地権等各種の用益物権、担保物権又は債権が設定されている場合には、これらの権利が設定されていないものとした場合のその土地自体の価値を反映する価格が固定資産税における価格である。
国税では財産評価基本通達等により借地権割合等の権利関係が評価算定で考慮されるが、評価基準ではこれらの権利関係は排除し土地そのものの価値を評価対象としている。
《更地主義に関する判例》
右のような固定資産税、都市計画税の性質からして、その課税標準たる土地の価格、すなわち、「適正な時価」とは、正常な条件のもとに成立する当該土地全体の客観的価格(従って、当該土地に賃借権が設定されていて、そのために所有権の取引価格が借地権価格の分だけ減少している場合には、右借地権価格と所有権価格を合せた当該土地全体として客観的価格)をいうものと解せられるのであって、それを所有者が自ら使用収益するか、あるいは他物権、賃借権等を設定しているか等の主観的事情によって左右されることはない。ただ、例外的に、質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地に限り、所有権の行使が完全に排除されたものとみなして、所有者以外の物権者を納税義務者としているのである(地方税法343条1項)が、この場合にも、課税標準たる価格は土地の更地価格であって、物権の存在を前提とする取引価格ではない。(昭53.4.6名古屋高裁昭和52年(行コ)第15号、(原審)昭52.11.7名古屋地裁昭和51年(行ウ)第33号)
第2節 田及び畑

 田及び畑の評価
【評価基準】
一 田及び畑の評価
 田及び畑(第2節の2に定めるものを除く。)の評価は、各筆の田及び畑について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の田及び畑の価額を求める方法によるものとする。

第1章第2節

【趣旨】
 田及び畑(宅地等介在農地及び市街化区域農地を除く)の評価方法について規定したものである。

【概要】
 宅地等介在農地及び市街化区域農地を除く農地の評価は、原則として各筆の田及び畑について価格要素における較差を評点数によって格付けし、これに評点一点当たり単価を乗じてその価格を求める評点式評価法によるものである。

【解説】
 農地とは田と畑の総称であるが、評価上では農地を「一般農地」、「宅地等介在農地」及び「市街化区域農地」の3つに分類している。
 このうち、一般農地については固有の定義はないが、農地のうち宅地等介在農地と市街区域農地を除いたものをいう。
 また、ここでは一般農地の評価について規定しており、具体的には各筆について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の価額を求める評点式評価法によって評価するものとされている。
 なお、宅地等介在農地及び市街化区域農地については、後段(第2節の2「(宅地等介在農地及び)市街化区域農地」)において解説する。

【改正の経緯】
・ 「田及び畑の評価」を「田及び畑(第2節の2に定めるものを除く。)の評価」に改正(S46.12.28自治省告示第236号)

 評点数の付設
【評価基準】
二 評点数の付設
 評点数の付設の順序
 各筆の田及び畑の評点数は、次によつて付設するものとする。
(1)  田又は畑の別に状況類似地区を区分するものとする。
(2)  状況類似地区ごとに標準田又は標準畑を選定するものとする。
(3)  標準田又は標準畑について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設するものとする。
(4)  標準田又は標準畑の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の田又は畑の評点数を付設するものとする。
 状況類似地区の区分
 状況類似地区は、地勢、土性、水利等の状況を総合的に考慮し、おおむねその状況が類似していると認められる田又は畑の所在する地区ごとに区分するものとする。この場合において、状況類似地区は、小字の区域ごとに認定するものとし、相互に当該状況が類似していると認められる小字の区域は、これらを合わせ、小字の区域内において当該状況が著しく異なると認められるときは、当該状況が異なる地域ごとに区分するものとする。
 標準田又は標準畑の選定
 標準田又は標準畑は、状況類似地区ごとに、日照、かんがい、排水、面積、形状等の状況からみて比較的多数所在する田又は畑のうちから、一の田又は畑を選定するものとする。
 標準田又は標準畑の評点数の付設
 標準田又は標準畑の評点数は、次によつて、田又は畑の売買実例価格から評定する当該標準田又は標準畑の適正な時価に基づいて付設するものとする。
(1)  売買の行われた田又は畑(以下「売買田畑」という。)の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買田畑の正常売買価格を求めるものとする。この場合における正常売買価格は、田又は畑として利用する場合における田又は畑の正常売買価格であるので、売買田畑が市街地の近郊に所在するため、売買田畑の売買実例価額が田又は畑として利用する場合における当該田又は畑の売買価額を超える額であると認められる場合における当該売買田畑の正常売買価格は、田又は畑として利用する場合における当該田又は畑の売買価額を基準として求めるものとする。
(2)  当該売買田畑と標準田又は標準畑の地形、土性、水利、利用上の便否等の相違を考慮し、(1)によつて求められた当該売買田畑の正常売買価格から標準田又は標準畑の正常売買価格を求め、これに農地の平均10アール当たり純収益額の限界収益額(面積差10アールの農業経営相互間の純収益の差額をいう。)に対する割合(0.55)を乗じて標準田又は標準畑の適正な時価を評定するものとする。
(3)  (2)によつて標準田又は標準畑の適正な時価を評定する場合においては、基準田又は基準畑(三の2の(1)によつて標準田又は標準畑のうちから選定した基準田又は基準畑をいう。)との評価の均衡及び標準田又は標準畑相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとする。
 各筆の田又は畑の評点数の付設
 各筆の田又は畑の評点数は、標準田又は標準畑の単位地積当たり評点数に「田の比準表」(別表第1の1)又は「畑の比準表」(別表第1の2)により求めた各筆の田又は畑の比準割合を乗じ、これに各筆の田又は畑の地積を乗じて付設するものとする。この場合において、市町村長は、田又は畑の状況に応じ、必要があるときは、「田の比準表」又は「畑の比準表」について、所要の補正をして、これを適用するものとする。
 市町村長は、田又は畑の状況からみて、「田の比準表」又は「畑の比準表」によつて各筆の田又は畑の比準割合を求めることが困難なものがあるときは、「田の比準表」又は「畑の比準表」の例によつて、当該田又は畑の比準表を作成して、これを適用するものとする。
第1章第2節
別表第1の1 田の比準表
別表第1の2 畑の比準表

【趣旨】
 一般農地の具体的な評価方法と各筆の田及び畑の評点数を付設するに当たって適用する比準表について規定したものである。

【概要】
 一般農地は、次のような順序によって評点数が付設される。
(1)  田又は畑の別に状況類似地区を区分する。
(2)  状況類似地区ごとに標準田又は標準畑を選定する。
(3)  標準田又は標準畑について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設する。
(4)  標準田又は標準畑の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の田又は畑の評点数を付設する。
 また、「田の比準表」及び「畑の比準表」に掲げられている比準項目は、農地の生産力に影響を及ぼす度合いの強い要因のうち、状況類似地区内における標準田又は標準畑に対して各筆の田又は畑に特有なものから構成されている。
 市町村長は、田又は畑の状況に応じ必要があるときは、比準表について所要の補正をして、これを適用することができる。
【解説】
1 売買価額基準方式
(1)  評価基準における各資産ごとの評価方法のうち、土地については売買実例価額を基準として評価する方法が基本となっている。この方法によって求められた価格とは、現実の売買実例価額から不正常な要素に基づく価額を除去して得られる正常売買価格をいうものであり、固定資産の評価は、この正常売買価格を基準として、評価を行うものである。
(2)  一般に土地の評価方法については、売買実例価額を基準として評価する方法のほか、農地については耕作による収益額を資本還元して評価する方法、その他の土地については賃貸料等の収益を基準として評価する方法が考えられるが、農地の耕作による収益額及び資本還元率について客観的な数値を見出すことが困難であり、また、その他の土地の実際賃貸料等は個別事情によって著しい格差があるため、ともに土地評価の基準として採用することは適当ではない。これに対し、売買実例価額を基準として評価する方法は、売買実例の把握が容易であり、かつ、過大又は不均衡な評価が行われた場合に納税者が比較的容易に判断を下すことができるので納税者の立場を保護することになる等の観点から、最も妥当な土地評価の基準である。
(3)  農地については、その売買が、一般に、農業経営を可能とする程度の規模の農地を単位として行われることはほとんどなく、10〜15アール程度の農地を単位とするいわゆる切売り、買足しの形で行われるのが通常である。この場合、農地を買い足した者にとっては耕作面積が増大することによって農業経営が効率化されることとなるため、一般にその農地の売買は相当割高となる傾向にあるので、この売買価格をそのまま農地の価格とすることは適当でないことになる。
 このため、評価基準では、正常売買価格に農地の限界収益修正率(平均10アール当たり純収益額の限界収益額に対する割合)を乗じて適正な時価を評定するものとしている。
2 標準地比準方式
 各筆の田又は畑の評点数を求めるに当たっては、標準地比準方式(標準地の評点数又は価額に比準して、比準地の評点数又は価額を求める方法)が採用されている。
 この方法による土地は、田、畑、「その他の宅地評価法」適用の宅地及び山林である。
3 状況類似地区の区分
 状況類似地区は、農地の生産力に影響を及ぼす諸要因のうち、地勢、土性、水利、その他重要で、かつ、地域的にみて比較的共通性の強い要因によって地区を区分することになる。
 また、状況類似地区は、原則として小字の区域ごとに認定する。これは、農地の需給事情からみても狭い単位である小字を単位に状況類似地区区分の手掛かりとすることが適当とされている。
4 標準田又は標準畑の選定
 標準田又は標準畑は、各状況類似地区内で農地の生産力を構成する諸要因のうち、各筆に比較的特有性のある要因が最も標準的な条件下にある田又は畑を選定するものである。
5 標準田又は標準畑の評点数の付設
 標準田又は標準畑の評点数は、田又は畑の売買実例価額から評定する当該標準田又は標準畑の適正な時価に基づいて付設する。
(1)  売買田畑の正常売買価格
売買田畑の売買実例価額−不正常要因に基づく価額
(2)  標準田畑の正常売買価格
売買田畑の正常売買価格×売買田畑と標準田畑との地形等相違による修正(3) 標準田畑の評点数の付設
標準田畑の正常売買価格×農地の限界収益修正率0.55
6 各筆の田又は畑の評点数の付設
(1)  比準表の構成
 「田の比準表」及び「畑の比準表」に掲げられている比準項目は、農地の生産力に影響を及ぼす度合いの強い要因のうち、状況類似地区内における標準田又は標準畑に対して各筆の田又は畑に特有なものから構成されている。すなわち、状況類似地区は地勢・土性・水利等の状況を総合的に考慮したものであるから、標準田又は標準畑と各筆の田又は畑(以下、「比準田」又は「比準畑」という。)とはおおむね同様の状況にあって価格事情もおおむね同様であると考えられ、個々の比準田又は比準畑を単位としてみた場合に生産力条件の相違を示す要因についてだけこの比準表によって勘案するということになるものである。
 なお、状況類似地区を細かく区分すると共通な要因が多くなり比準を必要とする要因が少なくなるものであり、逆に状況類似地区を大きく区分すると共通な要因が少なくなり比準を必要とする要因が多くなるものである。
(2)  比準表の補正
 「田の比準表」と「畑の比準表」は全国一律に田畑の生産力条件を表す場合に通常必要とされる程度の要因により作成されているので、これらをすべての市町村に直接適用することは困難な場合がある。このため、評価基準では田畑の状況により必要がある場合には、評価基準の「田の比準表」又は「畑の比準表」を補正するか、又はこれらの比準表の作成例によって新たに特定の田畑に適合する比準表を作成して適用するものとしている。これは、土地の価格事情に適合した合理的な評価を行うために補正するものである。したがって、この限りにおいて比準表における比準割合の修正、又は、比準項目の追加ができるものである。
(3)  各筆の土地の評点数の付設
 各筆の田又は畑の評点数は、標準田又は標準畑の単位地積当たり評点数により求めた各筆の田又は畑の比準割合を乗じ、これに各筆の田又は畑の地積を乗じて付設する。

【改正の経緯】
 「反当り」を「10アール当たり」「単位地積当たり」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)
 「この場合における正常売買価格は、……田又は畑として利用する場合における当該田又は畑の売買価額を基準として求めるものとする。」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)
 限界収益修正率として0.55を追加(H12.1.28自治省告示第12号)
(別表関係)
 「畝」を「平方メートル」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)


三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
【評価基準】
三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
1 評点一点当たりの価額の決定
 評点一点当たりの価額は、田又は畑の提示平均価額に田又は畑の総地積を乗じ、これをその付設総評点数(二によつて付設した各筆の田又は畑の評点数を合計した総評点数をいう。)で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものとする。この場合において、提示平均価額は、「田又は畑の指定市町村表」(別表第2)に掲げる市町村(以下本節において「指定市町村」という。)にあつては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び指定市町村の長に通知するものによるものとし、指定市町村以外の市町村にあつては、指定市町村の提示平均価額を参考として都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものによるものとする。
2 指定市町村の提示平均価額の算定
 総務大臣は、次により、指定市町村の田又は畑の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して、指定市町村の田又は畑の提示平均価額を算定するものとする。
(1)  指定市町村の長は、二の3によつて選定した標準田又は標準畑のうち、地勢、土性、水利等の状況からみて上級に属するもののうちから一の標準田又は標準畑を基準田又は基準畑として選定するものとする。
(2)  指定市町村の長は、二の4によつて指定市町村の長が評定した標準田又は標準畑(基準田又は基準畑を含む。)の適正な時価その他の総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告するものとする。
(3)  総務大臣は、指定市町村の長が評定した基準田又は基準畑の適正な時価について検討し、次いで、当該指定市町村の長が評定した標準田又は標準畑の適正な時価、当該指定市町村の田又は畑の評点付設の状況等を検討するものとする。この場合において、その検討の結果に基づき、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、指定市町村の長が評定した基準田又は基準畑の適正な時価について所要の調整を行い、これを基準として、標準田又は標準畑の適正な時価及び田又は畑の付設評点数について所要の調整を行うものとする。
(4)  総務大臣は、次により、指定市町村の田又は畑の総評価見込額を算出するものとする。
ア (2)によつて、指定市町村の長が報告した標準田又は標準畑(基準田又は基準畑を含む。)の適正な時価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の価額)と当該標準田又は標準畑の前年度の評価額との割合を求める。
イ 指定市町村の田又は畑をアの割合が同様であると認められる地区ごとに区分する。この場合において、当該割合が同様であると認められる地区は、状況類似地区ごとに認定するものとするが、相互に当該割合が同様であると認められる状況類似地区は、これらを合わせ、一の状況類似地区内で当該割合が異なると認められる地区があるときは、当該割合が異なる地区ごとに区分する。
ウ アの割合が同様であると認められる地区ごとに、当該地区における田又は畑の前年度の評価額の合計額に当該割合を基準として求めた割合を乗じて当該地区の田又は畑の評価見込額を算出する。
エ ウによつて算出した各地区の田又は畑の評価見込額を合計して当該指定市町村の田又は畑の総評価見込額を算出する。
(5)  (4)によつて総務大臣が算定した総評価見込額と当該指定市町村の長が固定資産評価基準によつて算定した総評価額の見込額が相違する場合においては、総務大臣は、当該指定市町村における田又は畑の評価方法の内容を検討し、必要があると認めるときは、当該指定市町村における総評価額の見込額を基礎として総評価見込額を修正するものとする。
3 指定市町村以外の市町村の提示平均価額の算定
(1)  都道府県知事は、指定市町村以外の市町村について、2と同様の方法によつて、市町村の田又は畑の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して当該市町村の田又は畑の提示平均価額を算定するものとする。この場合において、市町村長が評定した基準田又は基準畑の適正な時価を検討するに当たつては、指定市町村の基準田又は基準畑の適正な時価(2の(3)によつて、総務大臣が所要の調整をした場合においては、調整後の価額)との均衡を考慮するものとする。
(2)  総務大臣は、(1)によつて算定した指定市町村以外の市町村の提示平均価額及びその算定の基礎について報告するよう都道府県知事に求めることができる。
(3)  総務大臣は、(2)によつて都道府県知事から報告を受けた提示平均価額及びその算定の基礎について検討し、市町村間の評価の均衡上必要があるときは、提示平均価額について所要の修正を行うよう関係都道府県知事に通知するものとする。
(4)  都道府県知事は、(3)による総務大臣の通知があつた場合においては、関係市町村の提示平均価額について所要の修正を行うものとする。
第1章第2節

【趣旨】
 田及び畑の評点一点当たりの価額の決定方法及び提示平均価額の算定について規定したものである。
【概要】
1 評点一点当たりの価額の決定
 提示平均価額に総地積を乗じ、これを付設総評点数で除して得た額を基準として評点一点当たりの価額とする。
2 各筆の土地の評価額
 各筆の土地の評点数を1によって決定した評点一点当たりの価額に乗じて、その評価額を求める。
3 提示平均価額の算定及び通知
 提示平均価額は、各市町村の田、畑、宅地及び山林について、地目ごとに単位当たり平均価額を総務大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)にあっては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び市町村長に通知し、指定市町村以外の市町村にあっては、指定市町村の提示平均価額を参考として、都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものである。
4 評点式評価法
 評点式評価法によって評価することとなっている田、畑、宅地及び山林の評価は、すでに述べたように各筆の土地の価値を評点数で表し、この評点数に評点一点当たりの価額を乗じて各筆の土地の評価額を求める方法によるものである。
 この場合、評点一点当たりの価額は、田、畑、宅地及び山林の別に、その提示平均価額に当該地目にかかる総地積を乗じ、これを各筆の土地に付設した評点数の合計評点数で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものである。
5 提示平均価額の役割
 提示平均価額は、評価基準と一体をなし、4で述べたように各市町村における評点一点当たりの価額を求める基礎となるものであるから、これによって各市町村間における土地の評価の均衡を確保するための役割を果たすものである。本来当該市町村に所在する地目ごとの土地の平均価額として示されるものであるから、実質的には、当該市町村の地目別の土地の実際評価額の平均額が、提示平均価額と同程度の額となることにより、市町村の評価の水準を示すとともに、各市町村間の評価の均衡を図る役割をもつものである。
 すなわち、評価基準において、市町村が各筆の土地を評価するに当たって、それぞれの地目別に定める評点数の付設方法により評価することによって市町村内の評価の均衡を確保し、提示平均価額に基づいて評点一点当たりの価額を決定することによって市町村間の評価の均衡を確保しようとするものである。
【解説】
後段(第3節「宅地」三「評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定」)において一括して解説する。
【改正の経緯】
・ 「指示平均価額」を「提示平均価額」に改正(H12.1.28自治省告示第12号)

第2節の2 市街化区域農地(宅地等介在農地を含む)
【評価基準】
一 田及び畑の評価
(本文省略)
 ただし、農地法(昭和27年法律第229号)第4条第1項及び第5条第1項の規定により、田及び畑以外のもの(以下この節において「宅地等」という。)への転用に係る許可を受けた田及び畑並びにその他の田及び畑で宅地等に転用することが確実と認められるものについては、沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況その他宅地等としての利用上の便等からみて、転用後における当該田及び畑とその状況が類似する土地の価額を基準として求めた価額から当該田及び畑を宅地等に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した価額によつてその価額を求める方法によるものとする。
(宅地等介在農地)第1章第2節

 市街化区域農地(地方税法(昭和25年法律第226号)附則第19条の2第1項に規定する市街化区域農地をいう。)の評価については、沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況その他宅地としての利用上の便等からみて、当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の価額を基準として求めた価額から当該市街化区域農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した価額によつてその価額を求める方法によるものとする。
(市街化区域農地)第1章第2節の2

【趣旨】
宅地等介在農地及び市街化区域農地の評価方法について規定したものである。

【概要】
1 近傍地比準方式
 宅地等介在農地及び市街化区域農地については、近傍地比準方式(付近の他の地目の土地の価額に比準して、比準地の価額を求める方法)が採用されている。
 宅地等介在農地及び市街化区域農地の評価の基準とされる宅地の価額は、すでに均衡確保の措置がとられていることから、市街化区域農地の評価においては、すでにある宅地の価額に適切に比準さえすれば、市町村間の評価の均衡は確保されるはずであり、制度上は、評点式評価法による必要はないとの理由からである。
2 評価の基本
 宅地等介在農地及び市街化区域農地は、宅地等としての潜在的価値を有しており、売買価額も宅地等の価格に準じた水準にあると考えられるので、これらの農地を評価するに当たっては付近の宅地等との均衡を図らなければならない。
 しかし、宅地等介在農地及び市街化区域農地はあくまで田、畑であり、宅地等とするには、土盛り整地をしなければならないので、評価する場合には、状況が類似する宅地の価額を基準として求めた価額から、当該土地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる土盛り整地等の造成費相当額を控除した価額によってその評価を求める方法によるものである。

【解説】
1 宅地等介在農地及び市街化区域農地の定義
(1) 宅地等介在農地
宅地等介在農地とは、次に掲げるものをいう。
 農地法第4条第1項及び第5条第1項の規定によって、田及び畑以外のもの(以下「宅地等」という。)への転用に係る許可を受けた田・畑
 宅地等に転用することについて、農地法第4条第1項又は第5条第1項の規定による許可を受けることを必要としない田・畑で宅地等への転用が確実と認められる田・畑
 その他の田・畑で宅地等への転用が確実と認められる田・畑
(2) 市街化区域農地
 市街化区域農地とは、都市計画法第7条弟1項に規定する市街化区域内の農地で次に掲げる農地を除いたものをいう(法附則第19条の2第1項・令附則第14条第1項)。
 都市計画法第8条第1項第14号に掲げる生産緑地地区内の農地
 都市計画法第4条第6項に規定する都市計画施設として定められた公園、緑地又は墓園の区域内の農地で、同法第55条第1項の規定による都道府県知事の指定を受けたもの又は同法第59条第1項から第4項までの規定による国土交通大臣若しくは都道府県知事の認可若しくは承認を受けた同法第4条第15項に規定する都市計画事業に係るもの
 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和41年法律第1号)第6条第1項に規定する歴史的風土特別保存地区の区域内の農地
 都市緑地法(昭和48年法律第72号)第12条の規定による特別緑地保全地区の区域内の農地
 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第109条第1項の規定による文部科学大臣の指定を受けた史跡、名勝又は天然記念物である農地
 法第348条の規定により固定資産税を課されない農地
2 宅地等介在農地及び市街化区域農地の評価の方法
(1) 宅地等介在農地
 宅地等介在農地は、外見上農地としての形態を留めているが、実質的には宅地等としての潜在的価値を有していると考えられ、これを農地と同様に生産力条件に着目して評価することは不合理であり、かつ、宅地等との間に不均衡が生じないよう評価を行うものである。
 なお、転用許可が必要な田、畑について宅地等介在農地として評価する時点は転用の許可を受けた時点である。
 また、宅地等に転用することについて、農地法による転用許可を要しない田、畑は同法第4条第1項各号及び第5条第1項に掲げられているが、これらの田、畑で届出等の一定の法的行為があったものについては、転用が確実と認められる田、畑とし、介在田、畑として評価をすることが適当である。
 転用が確実と認められる状況について注意する必要があるのは、認定は限定的に行われるべきものであるということである。したがって、宅地等に転用するために耕作がなされず放置されているとか、一部宅地化のための土盛りが行われているという外見的に明らかな事実によって認定されるべきものであり、田、畑に仮の囲障が設けられたという程度の事実をもって、宅地等への転用が確実とすることは適当ではない。
(2) 市街化区域農地
 市街化区域農地が一般農地と異なる評価方法によって評価されるのは、市街化区域農地が宅地等介在農地と同様に、宅地としての潜在的価値を有し、売買価額も宅地と同水準にあると認められることによるものである。
 市街化区域は、都市計画法第7条第2項の規定により、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされており、この規定により、市街化区域農地はおおむね10年以内に宅地化されてもよい農地であり、また、農地法第4条第1項第5号及び第5条第1項第3号の規定により、届出をするだけで宅地に転用することができ、一般の農地のように転用許可を必要としないこととされている農地である。
 したがって、市街化区域農地は、一般の農地と異なり、いつでも宅地に転用することができ、さらに近い将来宅地化されることが予想される農地であり、市街化区域の農地は宅地としての潜在的価値を有している土地ということができる。
 市街化区域農地の評価は、原則的に宅地の評価方法によることとしながら、実情に応じてある程度弾力的に運用できるよう、宅地の評価方法の一部を適用しないことができるものであり、また、適用する場合においても「画地計算法」の附表若しくは「宅地の比準表」に所要の補正をして、これを適用することができることとされたものである。
 具体的な「画地計算法」の適用については、状況により「画地計算法」をそのまま適用することが実情に即しない場合においては、「画地計算法」については別表第3、1の(2)から(4)までについてその一部を適用しないことができるものであり、また、「画地計算法」の附表については、所要の補正をして適用することができるものとされている。これは、「宅地評価法」に準ずる方法による場合における「準ずる」の内容を明らかにしたものである。
 「画地計算法」は、(1)奥行価格補正割合法、(2)側方路線影響加算法、(3)二方路線影響加算法及び(4)不整形地、無道路地、間口が狭小の宅地等評点算出法のそれぞれをいうものであるが、市街化区域農地の特殊性から、これらの画地計算法をそのまま適用することは、必ずしも適当でない場合もあり得るので、(2)から(4)までの適用については、市街化区域農地の実情に応じて、その一部を適用しないことができるように弾力的運用を図ったものである。
 例えば、側方路線影響加算法等を適用することによって、一定の地域内において市街化区域農地の区分が混在する結果となり、課税上不均衡が生ずることとなるような場合には、これを適用しないことができることとされているものである。ただし、(1)の奥行価格補正割合法は、画地計算法の基本であるので、これを適用しないことは適当でないこととされているので注意しなければならない。
3 造成費相当額
 宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額については、定率控除の方法によっている市町村もある。
 しかし、定率控除の方法については、評価額の低い場合においては必ずしも不適当とはいえないが、評価額の高い市街化区域農地の評価に定率による方法を適用すると、その結果が、通常必要と認められる造成費に相当する額と乖離する場合が少なくないと推察される。また、対象が広い市街化区域農地の評価に当たって、造成費が市町村間で著しい不均衡があることは適当でないので、造成費の算定に当たってはその均衡化を図ることが必要であると考えられるものの、基本価額から控除すべき「通常必要と認められる造成費に相当する額」を全国の市町村を通じて一律に定めることは、造成費の実態が地域、土質等によって様々である実情から適当でないので、その具体的金額は所在する地域、地勢、用途等の影響を受けることとなり、必然的に市町村ごとに様々なものとなるため実情に応じて算定することとされている。
 なお、市町村が具体的な造成費を算定するに当たっての参考資料として、標準的な造成費が総務省自治税務局資産評価室長通知で示されている(平成17年10月14日総税評第46号)。

【改正の経緯】
(宅地等介在農地関係)
 「当該田及び畑の附近の宅地の価額」を「沿接する道路の状況…宅地の価額を基準として求めた価額」に改正(S46.12.28自治省告示第236号)
 「宅地転用」を「田及び畑以外のもの(以下この節において「宅地等」という。)への転用に係る」に改正(S59.12.25 自治省告示第214号)
(市街化区域農地関係)
本節追加(S46.12.28自治省告示第236号)

第3節 宅地

一 宅地の評価
【評価基準】
一 宅地の評価
 宅地(本節四及び五に定めるものを除く。)の評価は、各筆の宅地について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 宅地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 宅地の評価は、筆ごとに評点数を付設し、この評点数を評点1点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものとされている。

【解説】
 宅地の評価は、評価の基準となる標準宅地の評点数(又は路線価)に基づき各筆の宅地について標準宅地との較差を評点数により求め、これに一点単価を乗じて価格を求める方法によることとされている。
 これは評点式評価法といい、「評点数の付設」と「評点1点当たり価額の決定」の2つの段階に区分される。
【改正の経緯】
 「宅地の評価」を「宅地(本節四及び五に定めるものを除く。)の評価」に改正(H11.5.18自治省告示第132号)

 評点数の付設
【評価基準】
二 評点数の付設
 各筆の宅地の評点数は、市町村の宅地の状況に応じ、主として市街地的形態を形成する地域における宅地については「市街地宅地評価法」によつて、主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」によつて付設するものとする。ただし、市町村の宅地の状況に応じ必要があるときは、主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地についても、「市街地宅地評価法」によつて各筆の宅地の評点数を付設することができるものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 宅地の評点数を付設する2通りの方法について規定したものである。

【概要】
 主として市街地的形態を形成する地域においては「市街地宅地評価法」を、主として市街地的形態を形成するに至らない地域においては「その他の宅地評価法」を適用して評点数を付設する。

【解説】
 各筆の宅地の評点数の付設方法について、市町村の宅地の状況に応じ、主として市街地的形態を形成する地域(いわゆる市街地地域)における宅地については「市街地宅地評価法」により、主として市街地的形態を形成するに至らない地域(いわゆる村落地域)における宅地については「その他の宅地評価法」により付設するものと規定されている。
 「市街地宅地評価法」とは、いわゆる路線価方式といわれるもので、標準宅地の沿接する主要な街路とその他の街路の価格差を考慮して、街路ごとに当該街路に沿接する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格を付設し、この路線価に基づき所定の画地計算法を適用して各筆の評点数を求める方法である。この方法では、街路ごとに路線価を付設した上、画地計算法により画地の奥行、間口、形状等の相違が価額に及ぼす影響を的確に反映させることができるため、比較的厳密な計算を行う必要が認められる地域、すなわち市街地的な形態を形成する地域にあっては、この方法によることが望ましいものである。
 「その他の宅地評価法」とは、市町村内の宅地を状況が類似した地区ごとに区分し、これらの地区ごとに選定した標準宅地の評点数に基づき所定の比準表を直接適用して各筆の評点数を求める方法(標準地比準方式)である。
 市町村において、これらのいずれの方法によるべきか、又はどの地域にどの方法を適用すべきかは、当該市町村の宅地の価格事情からみて判断すべきことであるが、具体的には、評点数の較差について「画地計算法」よることが適当な地域であるか、又は「宅地の比準表」に定める程度のことを考慮すれば足りる地域であるかどうかにより定めることが適当である。
 同一市町村内においても、宅地の状況に応じ、「市街地宅地評価法」と「その他の宅地評価法」の2通りの評価方法を併用する場合があるが、この場合には、その境界付近にある宅地について評点数の均衡を確保することが必要である。
 なお、これら2つの評価方法については基本において異なるものではなく、本来、評価方法の相違による評点数の開差はあるはずもないものであり、相互の評点数に具体的に表れた開差があったとしても、これは評価方法による差異ではなく、適正な時価そのものに差異があるということを認識しなければならない。



(一) 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設

1 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序


【評価基準】
(一) 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設
1 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設は、次によるものとする。
(1)  市町村の宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区等に区分し、当該各地区について、その状況が相当に相違する地域ごとに、その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定するものとする。
(2)  標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価を求め、これに基づいて当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設し、これに比準して主要な街路以外の街路(以下「その他の街路」という。)の路線価を付設するものとする。
(3)  路線価を基礎とし、「画地計算法」(別表第3)を適用して、各筆の宅地の評点数を付設するものとする。
第1章第3節


【趣旨】
 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数付設の順序について規定したものである。

【概要】
 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数付設は、@用途地区の区分、A標準宅地の選定、B路線価の付設、C各筆の評点数の付設という主な4つの順序によって行う。

【解説】
 「市街地宅地評価法」とは、当該適用地域内の宅地について、用途地区を区分し、その用途地区の中からその状況が相当に相違する地域ごとに選定した標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格を表す路線価を付設し、さらにこれに比準してその他の街路の路線価を付設し、これらの路線価に基づいて所定の「画地計算法」を適用し、各筆の評点数を求めるというものであり、評価作業上大別すると「路線価の付設」と「各筆(画地)の画地計算」の2つの段階に分けられる。
 具体的には、「市街地宅地評価法」による宅地の評点数付設は、次の順序によって行うこととされている。
@  用途地区を区分する。
A  各用途地区について、その状況が相当に相違する地域ごとにその主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定する。
B  標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価(平成6年度以降は、不動産鑑定士等による鑑定評価価格(地価公示価格、地価調査価格があればそれによる)を活用して求めた適正な時価)を求め、これに基づいて当該標準宅地の沿接する街路について路線価を付設し、これに比準してその他の街路の路線価を付設する。
C  路線価を基礎とし「画地計算法」を適用して各筆の宅地の評点数を付設する。
 なお、標準宅地の適正な時価を求めるに当たっての地価公示価格及び鑑定評価価格の活用並びにその評価水準(7割)については、第12節一に記載されている。

【改正の経緯】
 「特殊地区等」を「観光地区等」に改正(S59.12.25自治省告示第214号)
(別表第3関係)
 全部改正(H8.9.3自治省告示第192号)
 奥行価格補正率に係る経過措置を延長。無道路地の評点算出法の改正。不整形地補正率表の改正(H11.9.14自治省告示第198号)
 奥行価格補正率に係る経過措置を補正率を見直した上で延長(H14.12.6総務省告示第656号)
 奥行価格補正率に係る経過措置を補正率を見直した上で延長(H17.8.11総務省告示第886号)


 標準宅地の選定
【評価基準】
2 標準宅地の選定
標準宅地は、次により選定するものとする。
(1)  宅地の利用状況を基準とし、市町村の宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区(温泉街地区、門前仲見世地区、名勝地区等をいう。)等に区分する。この場合において必要に応じ、商業地区にあつては繁華街、高度商業地区(T、U)、普通商業地区等に、住宅地区にあつては高級住宅地区、普通住宅地区、併用住宅地区等に、工業地区にあつては大工場地区、中小工場地区、家内工業地区等に、それぞれ区分するものとする。
(2)  (1)によつて区分した各地区を、街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分し、当該地域の主要な街路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等の状況が当該地域において標準的なものと認められるものを選定するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 標準宅地の選定方法について規定したものである。

【概要】
 標準宅地の選定においては、まず宅地の利用状況を基準として用途地区に区分し、さらにその用途地区を街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて状況が相当に相違する地域ごとに区分した上、その地域の中から標準的と認められる宅地を選定するものである。

【解説】
1 用途地区の区分
 用途地区とは、宅地の価格に影響を及ぼす諸要素のうち地域的にみて類似性の強い要素を基準として区分されるものであるが、宅地がおおむね適業適地の原則に従って利用されていることから、具体的には、市町村内においてその利用状況が類似している地区をいうことになる。
 「市街地宅地評価法(路線価方式)」では、標準宅地の沿接する主要な街路に路線価を付設し、これに比準して用途地区(及び各用途地区をさらに街路の状況、公共施設等の接近状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分した状況類似地域)内のその他の街路に路線価を付設することから、用途地区内の価格形成要因を路線価へ的確に反映させるよう適正に用途地区の区分を行う必要がある。
評価基準に定める各用途地区について簡単に説明すると次のとおりである。
・ 商業地区
 主として商業店舗の連続している地区で、店舗の規模、連たん度、収益性等を基準に繁華街、高度商業地区(T、U)、普通商業地区等に区分される。
・ 住宅地区
 主として住宅用宅地が連続している地区で、住宅の連たん度、敷地の規模等によって高級住宅地区、普通住宅地区、併用住宅地区等に区分される。
・ 工業地区
 主として工業用宅地が連続している地区で、おおむね、都市計画法で規定する工業地域内で、工場敷地の規模等によって大工場地区、中小工場地区、家内工業地区等に区分される。
・ 観光地区
 温泉街地区、門前仲見世地区、名勝地区、海水浴場地区等で一般の商業地区とは若干その性格を異にする地区である。
 なお、都市計画法上の用途地域と評価基準に定める用途地区の関係については、都市計画法上の用途地域は建築等の土地の利用に一定の制限を加えることによって都市環境の維持、機能向上を図る制度(すなわち、土地利用の将来あるべき姿に着目して定められている。)であり、一方、評価基準に定める用途地区の区分は現実の利用状況により区分することとされているところから、両者は必ずしも一致するものではないが、都市計画による市街化の進展に伴い、将来、一致していくと考えられるため、用途地区の区分に当たって考慮しておく必要がある。
2 状況類似地域の区分
 用途地区の区分は利用状況を基準として行うことから、一般にかなり広い地域にわたって設定されており、同一用途地区内において全て同じ価格事情であるとはいえない場合には、用途地区という大きなグループの区分を、さらに「状況類似地域」という「その状況が相当に相違する地域ごと」に小さなグループに区分することになる。
 この状況類似地域の区分については、街路の状況、公共施設等の接近状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等を基準として行うが、結果として、価格を形成する要因がおおむね同等と認められる地域ごとに区分されることになる。
 なお、一般的には、宅地の価格事情からみて状況が類似する地域の価格差が2割程度の地域ごとに区分することを目処とすることが適当であるとされている。
3 標準宅地の選定
 標準宅地については、状況類似地域内の主要な街路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等その画地条件が当該地域において標準的なものを選定するが、具体的には次のような基準で選定する。
(1) 主要な街路の選定
 評価基準において、「主要な街路」とは、状況類似地域内の街路に路線価を付設する際の基準となる街路であり、主要な街路以外の街路は全て「その他の街路」と呼ばれるが、主要な街路の選定にあたっては、次のような点を考慮することが必要である。なお、「街路」とは、一般的に通常道路の一部である交差点から交差点までをいうものである。
  ア 状況類似地域内において、価格事情及び街路の状況等が標準的で宅地評価の指標となる街路
  イ 地価公示法に基づく標準地及び国土利用計画法に基づく都道府県基準地の沿接する街路
(2) 標準宅地の選定
 標準宅地は、主要な街路に沿接する宅地のうちから、次のような点を考慮し選定する。
ア 画地計算法でいう奥行価格補正率が1.0であり、他の加算率及び補正率の適用がない宅地及び鑑定評価においても各種補正率等の適用がない宅地
イ 適正な時価の評定にあたって判断を誤らせる要素がない宅地、すなわち主要な街路に属している用途地区の用途と同一用途に供されている宅地及び上物である家屋の規模、程度がその街路で標準的な宅地
(3) 基準宅地の選定
 評価基準においては、全国的な宅地の評価の均衡確保を図るため、各市町村は標準宅地の中から一つを基準宅地として選定することとしているが、市街地宅地評価法を適用して評価を行っている市町村にあっては、当該市町村において最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地を基準宅地として選定することとされている。
 総務大臣は、都道府県相互間における全国的な宅地の評価水準を保持し、かつ、評価の均衡を図るため、各都道府県庁所在市を指定市として定め、各指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価を検討し、指定市相互間の評価の均衡を確保するため必要があると認められるときは、指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価について所要の調整を行う。
 また、都道府県知事は、指定市以外の市町村の基準宅地について、各市町村長が評定した基準宅地の適正な時価を検討し、市町村相互間の評価の均衡を確保するため必要があると認められるときは、市町村長が評定した基準宅地の適正な時価について所要の調整を行うことで、都道府県内の各市町村相互間の宅地の評価の均衡を確保するものとされている。
 各市町村においては、標準宅地の適正な時価を評定する場合において、基準宅地との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮することが必要である。

【改正の経緯】
 「奥行間数、間口間数」を「奥行、間口」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)
 「特殊地区」を「観光地区」に、「花街地区」を「温泉街地区」に改正(S59.12.25自治省告示第214号)
 「高度商業地区」を「高度商業地区(T、U)」に改正(H8.9.3自治省告示第192号)

 路線価の付設
【評価基準】
3 路線価の付設
 路線価は、主要な街路及びその他の街路の別に、それぞれ、次により付設するものとする。
(1)  主要な街路について付設する路線価は、当該主要な街路に沿接する標準宅地の単位地積当たりの適正な時価に基づいて付設するものとする。この場合において、標準宅地が「画地計算法」を適用すべきものであるときは、当該標準宅地の沿接する主要な街路に付設する路線価は、当該標準宅地の適正な時価に基づき、仮りに当該標準宅地の位置に「画地計算法」を適用する必要がない宅地があるものとした場合における当該宅地の単位地積当たりの適正な時価を算出し、これに基づいて付設するものとする。
 標準宅地の適正な時価は、次によつて、宅地の売買実例価額から評定するものとする。
ア 売買が行われた宅地(以下「売買宅地」という。)の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買宅地の正常売買価格を求める。
イ 当該売買宅地と標準宅地の位置、利用上の便等の相違を考慮し、アによつて求められた当該売買宅地の正常売買価格から標準宅地の適正な時価を評定する。
ウ イによつて標準宅地の適正な時価を評定する場合においては、基準宅地(三の2の(1)によつて標準宅地のうちから選定した基準宅地をいう。)との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮する。
(2)  その他の街路について付設する路線価は、近傍の主要な街路の路線価を基礎とし、主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮して付設するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 路線価の付設方法について規定したものである。

【概要】
 路線価の付設にあたっては、まず、「主要な街路」に当該街路に沿接する標準宅地の単位地積当たりの適正な時価に基づいて路線価を付設し、続いて「主要な街路」の路線価を基礎とし、街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮して「その他の街路」の路線価を付設するものである。

【解説】
 路線価とは、街路に沿接する標準的な画地の単位地積当たり価格をいうものであって、路線価の値に影響を及ぼす一般的な条件としては、街路の幅員、構造、設備、勾配、交通量等の街路条件及び公園、デパート、駅、学校等の都市的施設との距離の接近条件並びに沿道宅地の利用状況、自然環境等の環境条件が考えられる。
1 主要な街路について付設する路線価
 「主要な街路」について付設する路線価は、当該主要な街路に沿接する標準宅地の単位地積当たりの適正な時価に基づいて付設するものとされているが、経過措置(第12節一)により、不動産鑑定士等による鑑定評価価格に係る標準価格を求め、当該価格の7割の額を路線価として主要な街路に付設することとなる。
 なお、標準宅地の標準価格は、不動産鑑定士等による鑑定評価価格が不動産鑑定評価上の補正がなされている場合には、その補正がないものとして求める必要がある。また、標準価格の前提となった標準宅地が「画地計算法」による補正や加算等を適用すべき形状等である場合は、当該標準価格を画地計算法に定める補正率等で除した額の7割を路線価として主要な街路に付設することとなる。
2 その他の街路について付設する路線価
 「その他の街路」について付設する路線価は、主要な街路の路線価に比準して付設するものであるが、その方法は、近傍の主要な街路の路線価を基礎とし、その主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する標準的な宅地との間における街路の状況、公共施設の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等を総合的に考慮して付設するものである。
 具体的には、街路の状況等について、その他の街路と主要な街路との相違する程度を項目別に示す比準表を作成し、これによって求めた比準割合を主要な街路の路線価に乗じてその他の街路の路線価を求めることとなる。また、比準表には、街路の状況、公共施設の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の項目を設けることとなるが、具体の詳細項目をどう設定するか、比準割合(格差率)をどうするかは、その地域の状況に応じて定める必要がある。
 なお、路線価を付設する街路についてであるが、市街地宅地評価法は、本来、街路に沿接する宅地の評価を予定するものであるから、路線価は公道のみならず私道にも付設することが適当である。また、街路以外の通路、路地、水路、広場等についても評価の均衡上必要がある場合には、路線価を付設して差し支えないものである。

【改正の経緯】
・ 「坪当り」を「単位地積当たり」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)

 各筆の宅地の評点数の付設
【評価基準】
4 各筆の宅地の評点数の付設
 各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 各筆の宅地の評点数の付設方法について規定したものである。

【概要】
 各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとする。

【解説】
 各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、別表第3に示す「画地計算法」を適用して付設する。画地計算とは、路線価を基礎として当該路線に沿接する各画地について、それぞれの画地の奥行、間口、街路との状況等が宅地の価格に及ぼす影響を標準画地のこれらの状況との比較において計量しようとするものである。
 この場合において、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について所要の補正をして、これを適用することができるものである。
 具体的には、別表第3「画地計算法」において、各筆の宅地の評点数は、各筆の宅地の立地条件に基づき、路線価を基礎とし、次に掲げる画地計算法を適用して求めた評点数によって付設するものと定められている。
 (1) 奥行価格補正割合法
 (2) 側方路線影響加算法
 (3) 二方路線影響加算法
 (4) 不整形地、無道路地、間口が狭小な宅地等評点算出法

 また、各筆の評点数は、一画地の宅地ごとに画地計算法を適用して求めるものとされており、この場合において、一画地は、原則として土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された一筆の宅地によるものとするが、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする。
 なお、各筆の宅地の評点数の付設において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について所要の補正をして、これを適用することができるものである。

(二) 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設

1 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
【評価基準】
(二) 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設
1 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設は、次によるものとする。
 (1) 状況類似地区を区分するものとする。
 (2) 状況類似地区ごとに標準宅地を選定するものとする。
 (3) 標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設するものとする。
 (4) 標準宅地の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数付設の順序について規定したものである。

【概要】
 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数付設は、@状況類似地区の区分、A標準宅地の選定、B標準宅地の評点数の付設、C各筆の評点数の付設という主な4つの順序によって行う。

【解説】
 「その他の宅地評価法」とは、市町村の宅地を、宅地の沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等がおおむね類似する地区ごとに区分し、これらの地区ごとに選定した標準的な宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価(平成6年度以降は、不動産鑑定士等による鑑定評価価格(地価公示価格、地価調査価格があれば、それによる)から評定する適正な時価)に基づいて評点数を付設し、標準宅地の評点数に比準して状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設する方法(標準地比準方式)である。
 主として市街地的形態を形成するに至らない地域(いわゆる村落地域)における宅地の評価は原則としてこの方法によることとされている。
 具体的には、「その他の宅地評価法」による宅地の評点数付設は、次の順序によって行うこととされている。
@  状況類似地区を区分する。
A  状況類似地区ごとに標準宅地を選定する。
B  標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価(平成6年度以降は、不動産鑑定士等による鑑定評価価格の7割を目途に評定する適正な時価)に基づいて評点数を付設する。
C  標準宅地の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設する。

 状況類似地区の区分
【評価基準】
2 状況類似地区の区分
 状況類似地区は、宅地の沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等を総合的に考慮し、おおむねその状況が類似していると認められる宅地の所在する地区ごとに区分するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 状況類似地区の区分方法について規定したものである。

【概要】
 「その他の宅地評価法」においては、状況類似地区は、宅地の沿接する道路、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等からみて、おおむねその状況が類似している宅地の所在する地区ごと(つまり、宅地の価格事情がほぼ同等と認められる地区ごと)に区分するものである。

【解説】
 状況類似地区の区分については、宅地の沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等を総合的に考慮し、おおむねその状況が類似していると認められる宅地の所在する地区ごとに区分するものである。この意味は、市街地的形態を形成するに至らない地域の宅地について、宅地の価格事情がほぼ同等と認められる地区に区分するものである。
 なお、一般的に宅地の価格事情からみて状況が類似する地域の価格差が2割程度の地域ごとに選定することを目処とすることが適当であるとされている。
 その他の宅地評価法においても、市街地宅地評価法と同様の考え方により状況類似地区を区分するが、市街地的形態を形成するに至らない地域については、市街地的形態を形成する地域の宅地と比べると、宅地の立地条件と価格事情の関連は、単純であり、一般に価格差も少ないことから、通常、状況類似地区の規模は、市街地宅地評価法適用地区よりもかなり大きなものになる。
 また、状況類似地区の区分においては、別表第4「宅地の比準表」が適用できるような地区区分であることが必要であることから、次の地区区分とすることが求められる。
@ 家屋の散在する地域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 散在地区
A 農家又は漁家等の集落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 集落地区
B 専用住宅が相当連たんしている地域・・・・・・・・・・ 住宅地区
C 商店が相当連たんしている地域・・・・・・・・・・・・・・ 商業地区
 上記の利用状況による区分に加えて、さらに宅地の価額に影響を及ぼす要素すなわち宅地としての利用上の便等(宅地の沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況並びに都市計画及び建築基準法による規制等宅地自体の状況)を総合的に考慮したうえで、おおむねその状況が類似していると認められる地区ごとに区分するものである。

 標準宅地の選定
【評価基準】
3 標準宅地の選定
 標準宅地は、状況類似地区ごとに、道路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等からみて、標準的なものと認められるものを選定するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 標準宅地の選定方法について規定したものである。

【概要】
 「その他の宅地評価法」における標準宅地は、各状況類似地区ごとに、道路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等からみて標準的なものと認められるものを選定する。

【解説】
 標準宅地は、状況類似地区内の各筆の評点数を付設する場合の基準となるものであり、また標準宅地と基準宅地及び標準宅地相互間の評価の均衡を図ることにより市町村内の宅地評価の均衡の確保に資するものであるから、状況類似地区内の各筆の宅地の基準とする場合には区画形状等がその状況類似地区内で標準的なものであることが望ましく、また、他の標準宅地との比較均衡を図る場合には、一般的に付設されるべき評点数が高いものが便利であるので、状況類似地区内の主たる道路に沿接する宅地を選定することが望ましいとされている。
 また、市町村の区域全体について、その他の宅地評価法を採用する市町村にあっては、当該市町村の標準宅地の中から1平方メートル当たりの適正な時価が最高である標準宅地を基準宅地として選定することとされている。(基準宅地の意義については、前記(一)2【解説】(3)B参照。)

【改正の経緯】
・ 「奥行間数、間口間数」を「奥行、間口」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)

 標準宅地の評点数の付設
【評価基準】
4 標準宅地の評点数の付設
 標準宅地の評点数は、次によつて、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の適正な時価に基づいて付設するものとする。
(1)  売買宅地の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買宅地の正常売買価額を求めるものとする。
(2)  当該売買宅地と標準宅地の位置、利用上の便等の相違を考慮し、(1)によつて求められた当該売買宅地の正常売買価格から標準宅地の適正な時価を評定するものとする。
(3)  (2)によつて標準宅地の適正な時価を評定する場合においては、基準宅地(三の2の(1)によつて標準宅地のうちから選定した基準宅地をいう。)との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 標準宅地の評点数の付設方法について規定したものである。

【概要】
 標準宅地の評点数は、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の適正な時価に基づいて付設するものとされている。

【解説】
 標準宅地の評点数は、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の適正な時価に基づいて付設するものとされているが、経過措置(第12節一)により、不動産鑑定士等による鑑定評価価格を求め、当該価格の7割の額を評点数として付設することとされている。
 なお、標準宅地の評点数の付設にあたっては、基準宅地又は標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮しなければならないものである。

(例) 評点数の付設方法
 鑑定評価書から、鑑定評価価格1,000,000円を得る。この場合の適正な時価は、この鑑定評価価格に0.7を乗じて700,000円となる。

 各筆の宅地の評点数の付設
【評価基準】
5 各筆の宅地の評点数の付設
 各筆の宅地の評点数は、標準宅地の単位地積当たり評点数に「宅地の比準表」(別表第4)により求めた各筆の宅地の比準割合を乗じ、これに各筆の地積を乗じて付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「宅地の比準表」について、所要の補正をして、これを適用するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 各筆の宅地の評点数の付設方法について規定したものである。

【概要】
 各筆の宅地の評点数は、標準宅地の単位地積当たり評点数に、別表第4「宅地の比準表」により求めた各筆の宅地の比準割合を乗じ、これに各筆の地積を乗じて付設する。

【解説】
 その他の宅地評価法における状況類似地区の区分は、宅地の沿接する道路、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等からみて、おおむねその状況が類似している宅地の所在する地区ごと(つまり、宅地の価格事情がほぼ同等と認められる地区ごと)に区分するものであるから、一つの状況類自治区内においては、宅地の価格に影響を及ぼす諸要素のうち一般的な要素については、ほぼ同一視が可能である。そこで、各状況類似地区内では、標準宅地と各筆の宅地との間の個々の画地特有の価格要素、すなわち、奥行、形状、街路との関係等の相違について検討し、その相違する状況及び程度によって、宅地価格に及ぼす影響率(比準割合)が求められるものである。
 各画地の比準割合は、その画地の奥行、形状、街路との関係等が標準宅地のこれらと相違する程度によって、宅地価格に及ぼす影響をそれぞれごとに求め、次の算式のとおりこれらを連乗して求めるものである。



 これらの奥行、形状、街路との関係その他について、前もってそれぞれの比準割合の求め方を示したものが比準表であり、その比準割合は、市街地宅地評価法の画地計算法における奥行価格補正率表をはじめとする各補正率表との関連も考慮し作成されているものである。
 その他の宅地評価法を適用する地域の宅地は、宅地の価格に影響を及ぼす諸条件のうち画地特有の条件、即ち奥行、間口、形状等の相違が価格に及ぼす影響が、市街地的形態を形成する地域における宅地ほど微妙でないから、評価基準に定められている比準の内容は画地計算法に比べ簡単なものとなっている。
 各筆の宅地の評点数は、標準宅地の単位地積当たり評点数に別表第4「宅地の比準表」により求めた各筆の宅地の比準割合を乗じ、これに各筆の地積を乗じて付設するが、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「宅地の比準表」について所要の補正をして、これを適用することができるものである。

【改正の経緯】
・ 「坪当り」を「単位地積当たり」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)
(別表第4関係)
・ 全部改正(H8.9.3自治省告示第192号)
・ 奥行による比準割合に係る経過措置延長。形状等による比準割合を改正(H11.9.14自治省告示第198号)
・ 奥行による比準割合に係る経過措置を補正率を見直した上で延長(H14.12.6総務省告示第656号)
・ 奥行による比準割合に係る経過措置を補正率を見直した上で延長(H17.8.11総務省告示第886号)

三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定

1 評点一点当たりの価額の決定

【評価基準】
1 評点一点当たりの価額の決定
 評点一点当たりの価額は、宅地の提示平均価額に宅地の総地積を乗じ、これをその付設評点数(二によつて付設した各筆の宅地の評点数を合計した総評点数をいう。)で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものとする。この場合において、提示平均価額は、道府県庁所在の市及び東京都特別区(以下本節において「指定市」という。)にあつては、総務大臣が算定し、道府県知事及び指定市の長に通知するものによるものとし、指定市以外の市町村にあつては、指定市の提示平均価額を参考として都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものによるものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 宅地の評点一点当たりの価額の決定方法について規定したものである。

【概要】
 宅地の評点一点当たりの価額については、宅地の提示平均価額に宅地の総地積を乗じ、これをその付設総評点数で除した額に基づいて市町村長が決定する。
 その提示平均価額については、指定市にあっては総務大臣が、その他の市町村については都道府県知事が算定する。
 (田、畑及び山林も同趣旨の規定がある。)

【解説】
 田、畑、宅地及び山林の評価については、前述のとおり各筆の土地の価値を評点数で表し、この評点一点当たりの価額を乗じて各筆の土地の評価額を求める方法によることとしている(評点式評価法)。
 この場合の評点一点当たりの価額については、田、畑、宅地及び山林の別に、その提示平均価額に当該地目にかかる総地積を乗じ、これを各筆の土地に付設した評点数の合計評点数で除して得た価額に基づいて市町村長が決定するものである。
 また、提示平均価額は、各市町村の地目ごとの単位当たり平均価額を表すものであるが、具体的には、指定市町村(総務大臣が指定する市町村)にあっては総務大臣が、また、指定市町村以外の市町村にあっては、指定市町村の提示平均価額を参考に都道府県知事が算定するものである。
 このように提示平均価額は、各市町村における評点一点当たりの価額を求める基礎となるものであるから、これによって各市町村間における土地の評価の均衡を確保するための役割を果たすものである。

【改正の経緯】
・ 「指示平均価額」を「提示平均価額」に改正(H12.1.28自治省告示第12号)

 指定市の提示平均価額の算定

 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定

【評価基準】
2 指定市の提示平均価額の算定
 総務大臣は、次により、指定市の宅地の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して指定市の宅地の提示平均価額を算定するものとする。
(1)  指定市の長は、「市街地宅地評価法」を適用して各筆の評点数を付設している場合にあつては最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地を、「その他の宅地評価法」のみを適用して各筆の宅地の評点数を付設している場合にあつては単位地積当たりの適正な時価が最高である標準宅地を、基準宅地として選定するものとする。
(2)  指定市の長は、二の(一)の3によつて付設した路線価及び評定した標準宅地(基準宅地を含む。)の適正な時価並びに二の(二)の4によつて評定した標準宅地(基準宅地を含む。)の適正な時価その他の総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告するものとする。
(3)  総務大臣は、指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価(基準宅地の適正な時価に基づいて付設した路線価を含む。以下同様とする。)について検討し、次いで、当該指定市の長が評定した標準宅地の適正な時価(標準宅地の適正な時価に基づいて付設した路線価を含む。以下同様とする。)及び当該指定市の宅地の評点付設の状況等を検討するものとする。この場合において、その検討結果に基づき、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価について所要の調整を行い、これを基準として、標準宅地の適正な時価及び宅地の付設評点数について所要の調整を行うものとする。
(4)  総務大臣は、次により、指定市の宅地の総評価見込額を算出するものとする。
 (2)によつて、指定市の長が報告した路線価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の路線価)又は標準宅地(基準宅地を含む。)の適正な時価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の価額)と当該街路の前年度の路線価又は当該標準宅地の前年度の評価額との割合を求める。
 指定市の宅地をアの割合が同様であると認められる地区ごとに区分する。この場合において、当該割合が同様であると認められる地区は、路線価の異なる地区又は状況類似地区ごとに認定するものとするが、相互に当該割合が同様であると認められる地域又は状況類似地区は、これらを合わせ、一の地域又は一の状況類似地区内で当該割合が異なると認められる地区があるときは、当該割合が異なる地区ごとに区分する。
 アの割合が同様であると認められる地区ごとに、当該地区における宅地の前年度の評価額に当該割合を基準として求めた割合を乗じて当該地区の宅地の評価見込額を算出する。
 ウによつて算出した各地区の宅地の評価見込額を合計して当該指定市の宅地の総評価見込額を算出する。
(5)  (4)によつて、総務大臣が算定した総評価見込額と当該指定市の長が固定資産評価基準によつて算出した総評価額の見込額が相違する場合においては、総務大臣は、当該指定市における宅地の評価方法の内容を検討し、必要があると認めるときは、当該指定市における総評価額の見込額を基礎として総評価見込額を修正するものとする。
3 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定
(1)  都道府県知事は、指定市以外の市町村について、2と同様の方法によつて、市町村の宅地の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して当該市町村の宅地の提示平均価額を算定するものとする。この場合において、市町村長が評定した基準宅地の適正な時価を検討するに当たつては、指定市の基準宅地の適正な時価(2の(3)によつて、総務大臣が所要の調整をした場合においては、調整後の価額)との均衡を考慮するものとする。
(2)  総務大臣は、(1)によつて算定した指定市以外の市町村の提示平均価額及びその算定の基礎について報告するよう都道府県知事に求めることができる。
(3)  総務大臣は、(2)によつて都道府県知事から報告を受けた提示平均価額及びその算定の基礎について検討し、市町村間の評価の均衡上必要があるときは、提示平均価額について所要の修正を行うよう関係都道府県知事に通知するものとする。
(4)  都道府県知事は、(3)による総務大臣の通知があつた場合においては、関係市町村の提示平均価額について所要の修正を行うものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 提示平均価額の算定方法について規定したものである。

【概要】
 総務大臣又は都道府県知事が、市町村長が評定した標準地の適正な時価等について市町村間の評価の均衡の観点から調整を行い、その結果に基づいて、総評価見込額を算定し、その総地積で除すことにより提示平均価額を算定する。
(田、畑及び山林も同趣旨の規定がある。)
【解説】
1 指定市町村の指定
 田、畑、宅地及び山林の各地目別に、総務大臣は都道府県ごとに一の市町村を指定する。指定市町村の提示平均価額については総務大臣が算定し、その他の市町村の提示平均価額については都道府県知事が算定する。
  指定市町村は、田、畑及び山林にあっては、当該都道府県において地形及び利用条件等が標準的な市町村とされ、宅地にあっては、都道府県県庁所在地の市とされている。
2 指定市町村の提示平均価額の算定
(1) 基準地の選定
 指定市町村の長は、標準地のうちから基準地として一つの標準地を選定する。基準地の選定は、次により行う。
ア 田及び畑
 標準田又は標準畑のうち、当該市町村において、地勢、土性、水利等の状況からみて上級に属するもののうちから一の標準田又は標準畑を選定する。
イ 宅地
 市街地宅地評価法を適用する市町村にあっては、最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地を選定する。
 その他の宅地評価法のみを適用する市町村にあっては、標準宅地のうち、単位地積当たりの適正な時価が最高である標準宅地を選定する。
ウ 山林
 標準山林のうち、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況からみて上級に属するもののうちから一の標準山林を選定する。
(2) 基準地及び標準地の適正な時価等の評定
 指定市町村の長は、評価基準に従い、基準地及び標準地の適正な時価(宅地の評価において市街地宅地評価法を適用する市町村は、路線価を含む。)を評定する。
 その上で、評定した基準地及び標準地の適正な時価その他の総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告をする。
(3) 基準地及び標準地の適正な時価等の調整
 総務大臣は、基準地及び標準地の適正な時価等について検討し、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、基準地の適正な時価について所要の調整を行い、これを基準として、標準地の適正な時価について所要の調整を行う。
(4) 総評価見込額の算出
 総務大臣は、(3)の基準地の適正な時価等の調整ののち、標準地の適正な時価と当該標準地の前年度の評価額との変動割合から、当該市町村の総評価見込額を算出する。
 なお、総務大臣が算定した総評価見込額と当該指定市町村長が評価基準によって算定した総評価額の見込額が相違する場合においては、総務大臣は、必要と認めるときは、当該指定市町村の総評価額の見込額を基礎として総評価見込額を修正する。
(5) 提示平均価額の算定
 (4)で算定した総評価見込額を当該地目の総地積で除して指定市町村の提示平均価額を算出する。
3 指定市町村以外の提示平均価額の算定
 指定市町村以外の提示平均額については、都道府県知事が前記2と同様の方法で算定するが、この場合において、標準地の適正な時価を検討するにあたっては、指定市町村の基準地の適正な時価との均衡を考慮する。

【改正の経緯】
・ 「坪当り」を「単位地積当たり」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)
・ 「指示平均価額」を「提示平均価額」に改正(H12.1.28自治省告示第12号)

 農業用施設の用に供する宅地の評価
【評価基準】
四 農業用施設の用に供する宅地の評価
 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域(以下「農用地区域」という。)内又は都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定により定められた市街化調整区域(以下「市街化調整区域」という。)内に存する農業用施設(農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号又は第4号に規定する施設をいう。以下本節において同じ。)の用に供する宅地の評価は、付近の農地の価額を基準として求めた価額に当該宅地を農地から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市街化調整区域内に存する農業用施設の用に供する宅地(農用地区域内に存するものを除く。)で、当該宅地の近傍の土地との評価の均衡上、上記の方法によつて評価することが適当でないと認められるものについては、本節一から三までにより評価するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 農用地区域内又は市街化調整区域内に存在する農業用施設用地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 地目が宅地又は雑種地として認定される農業用施設用地の評価については、「平成9年度評価替えに関して留意すべき事項」(平成8年2月9日付け自治評第4号自治省税務局資産評価室長通知)において「特に市街化調整区域内で農用地区域内に存在し、公法上の利用制限を受けていること等により、標準宅地等との価格水準に格差が見られる場合もあるので、評価に当たっては当該格差が反映されるように留意する」よう市町村に対して注意喚起が行われてきた。
 しかしながら、当該農業用施設用地と標準宅地等との価格差を把握するのが容易ではないこと等もあり、平成12年度評価替えから評価基準に農業用施設用地の評価の具体的方法が明記された。

【解説】
1 地目の認定
(1) 農業用施設用地の範囲
 農業用施設用地とは、農用地区域内においては、農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号又は第4号に規定する施設の敷地及びその維持効用を果たすために必要な土地をいうものであり、市街化調整区域内においては、上記の農用地区域内の農業用施設に該当する施設の敷地及びその維持効用を果たすために必要な土地をいうものである。
(2) 農業用施設用地の地目の認定
農業用施設の所在 農業用施設の態様 地目認定
農業用施設が農家の敷地にある場合 施設が家屋か否かにかかわらず、全体として地目認定 宅 地
農業用施設が農家の敷地外にある場合 施設が家屋として認定される場合※1
施設の内部で耕作が行われている(注) 農 地
施設の内部で耕作が行われていない 宅 地
施設が家屋として認定されない場合※2
施設の内部で耕作が行われている 農 地
施設の内部で耕作が行われていない 雑種地
牧場に所在する場合 牧場内の牧草栽培地等と一体に牧場として認定 牧 場
※1  「施設が家屋として認定される場合」
 例えば、基礎コンクリート、骨組鉄骨屋根及び周壁ガラス張りの農業用温室等
※2  「施設が家屋として認定されない場合」
例えば、畜舎、堆肥舎、季節的にビニールを取り外すことが常態とされるビニールハウス等は、特に構造その他からみて一般家屋との均衡上家屋と認定せざるを得ないものを除いては家屋に該当しない
(注)  「施設の内部で耕作が行われている」かどうかの判断
 土地に労費を加え肥培管理(耕うん、整地、かんがい、排水、除草等)を行って作物を栽培しているかどうかによって判断する。
2 農業用施設の用に供する宅地の評価方法
 農業用施設の用に宅地の評価方法については、付近の農地の価額を基準として求めた価額に当該宅地を農地から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によって、その価額を求める方法によるものとされたものである。
 農業用施設の用に供する宅地の評価が「付近の農地の価額を基準として求めた価額」を基に行うこことされているのは、農用地区域等に存する農業用施設用地の価格水準について、開発行為の制限等の公法上の利用制限を受けているなどの理由によって、標準宅地の価格とは格差が認められるところであり、農業用施設用地の多くが農地に介在していることから、付近農地価格との牽連性があると考えられることによる。
 ただし、市街化調整区域(農用地区域を除く。)内の農業用施設用地のうち、近傍の土地との評価の均衡上、上記の方法によって評価することが適当でないと認められるものについては、通常の宅地の評価方法によることとされている。
 また、当該宅地を農地から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額とは、地域、地形、土質又は面積の大小等によりその額が異なるため、各市町村において、地域の事情を反映した適正な額を算出するものである。
【改正の経緯】
 本項追加(H11.5.18自治省告示第132号)
 「本節一から三までにより評価するものとする」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)

 生産緑地地区内の宅地の評価
【評価基準】
五 生産緑地地区内の宅地の評価
 生産緑地法(昭和49年法律第68号)第3条第1項の規定により定められた生産緑地地区(以下「生産緑地地区」という。)の区域内に存する宅地の評価は、当該生産緑地地区の区域内に存する同法第2条第1号に規定する農地等の価額を基準として求めた価額に当該宅地を当該農地等から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、生産緑地法第8条第1項ただし書に規定する行為に係る宅地で生産緑地地区の区域外に存する宅地との評価上、上記の方法によつて評価することが適当でないと認められるもの又は同法第14条の規定により生産緑地地区内における行為の制限が解除された宅地については、本節一から三までにより評価するものとする。
第1章第3節

【趣旨】
 生産緑地地区内の宅地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 生産緑地地区内の宅地の評価は、付近の農地等の価額に造成費相当額を加算して、その価額を求めるものである。
 生産緑地区域内の宅地は、公法上の利用制限を受けていること等により、標準宅地等とはその価格事情が異なることか、農用地区域等の農業施設用地と同様に、平成12年度評価替えから、評価方法を見直したものである。

【解説】
1 生産緑地地区内の宅地の範囲
 生産緑地法第3条第1項の規定により定められた生産緑地地区の区域内に存する宅地をいうものである。
2 評価方法の概要
 生産緑地地区内の土地については、行為制限が解除されるまでの間は、原則として、建築物その他の工作物の新築等、宅地の造成、その他土地の形質の変更をするためには、市町村長の許可を得なければすることはできない。また、市町村長が許可することができるものとして、農林漁業用施設等で、農林漁業を営むために必要となるものの設置又は管理に係る行為で生活環境の悪化をもたらす恐れがないと認めたものに限られている。
 したがって、生産緑地地区内に存する宅地については、行為制限が解除されない限り他への用途への転用はできず、同じ宅地といいながら生産緑地地区外の市街地区域に所在する標準宅地等とはその価格事情が異なることから、農地等の価額を基準として求めた価額に当該宅地を当該農地等から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によってその価額を求めるものとされている。ただし、生産緑地地区内の宅地のうち、行為の制限が解除されたものについては、通常の宅地の評価方法によるものである。
 また、当該宅地を農地等から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額とは、地域、地形、土質又は面積の大小等によりその額が異なるため、各市町村において、地域の事情を反映した適正な額を算出するものである。
【改正の経緯】
 本項追加(H11.5.18自治省告示第132号)
 「本節一から三までにより評価するものとする」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)

第4節 削除 (H8.12.24自治省告示第289号)

第5節 鉱泉地

 鉱泉地の評価

【評価基準】
一 鉱泉地の評価
 鉱泉地の評価は、当該鉱泉地の基準年度の前年度の価額に当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額の前基準年度における価額に対する割合を乗じて求める方法によるものとする。ただし、新たに鉱泉地となつた土地又は上記の方法によつて評価することが適当でないと市町村長が判断した鉱泉地については、当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地と状況が類似する温泉地に係る鉱泉地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。また、湯温又はゆう出量等に急激な変化が生じたことにより、当該基準年度の前年度における価額を基礎として求めた価額が適当でないと認められるときは、必要に応じ、当該価額に増減する額を加算し、又は控除した後の価額によつて当該鉱泉地の基準年度の価額を求める方法によるものとする。
第1章第5節

【趣旨】
 鉱泉地の評価方法について規定したものである。

【概要】
1 一般の鉱泉地の評価方法
評価額= 基準年度の前年度の価額×近傍宅地の価額の変動率
変動率= 当該鉱泉地を利用する温泉地に存する宅地の当該基準年度の価額
÷当該鉱泉地を利用する温泉地に存する宅地の前基準年度の価額
 新たに鉱泉地となった土地等の評価方法
 当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地と状況が類似する温泉地に係る鉱泉地の価額に比準して求める。
 湯温又はゆう出量等に急激な変化が生じたことにより、当該基準年度の前年度における価額を基礎として求めた価額が適当でないと認められる場合の評価方法
 上記1によって求めた価額を増減して求める。
【解説】
1 鉱泉地の認定基準
 鉱泉地とは、鉱泉(温泉を含む。)のゆう出口及びその維持に必要な土地をいうものである。
 鉱泉とは、原則として、温泉法(昭和23年法律第125号)第2条の「温泉」と定義を同じくするものである。すなわち、温泉法第2条によると、温泉とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で温度摂氏25度以上、又は特定の種類の物質の含有量が一定量以上であるものとされている。
2 鉱泉地の評価単位
 鉱泉地の評価単位については、筆ごとに価額を求める方法によるものとされているが、一ゆう出口及びその維持に必要な土地すなわち一鉱泉地につき二筆以上の筆数が所在する鉱泉地は、鉱泉地の特殊性から実際の評価上、一ゆう出口及びその維持に必要な土地すなわち一鉱泉地全体として評価するものである。したがって、仮に、一ゆう出口及びその維持に必要な土地につき二筆以上の筆数がある場合においても、一鉱泉地について、総評価額を求めその価額を筆数で除して、筆ごとの評価額を求めることになる。
 なお、逆に登記簿上一筆となっている鉱泉地の地積が、相当広大であって、ゆう出口及びその維持に必要な部分がその土地の一部しか占めていない場合は、その鉱泉地のうちゆう出口及びその維持に必要な土地の範囲を認定し、それ以外の部分は、現況により宅地、山林等、鉱泉地以外の地目として評価するものである。
3 鉱泉地の評価方法
(1) 一般の鉱泉地の評価方法
 一般の鉱泉地について、温泉地の景況を構成する様々な要素が近傍の宅地の価格に反映されているものとして、当該鉱泉地の基準年度の前年度の価額に、当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額の前基準年度における価額に対する割合を求め、当該割合を乗じて評価を行うとするものである。
 「温泉地」とは、一般的には鉱泉地の鉱泉を利用することにより、利用していない付近の土地とは異なった価格事情、景況等を形成する土地又は地域をいい、「当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地」とは、当該鉱泉地の鉱泉を利用している宅地及び当該鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の中で、当該鉱泉地の鉱泉を利用している宅地が受けている温泉地の景況からの影響と同様の影響を受けていると考えられる近傍の宅地をいう。
 なお、「当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額」については、経過措置(第12節三)が定められている。
(2) 新たに鉱泉地となった土地等の評価方法
 新たに鉱泉地となった場合等に比準することとされている当該鉱泉を利用する温泉地と状況が類似する温泉地に係る鉱泉地は、当該市町村内及び都道府県内に所在する鉱泉地に限られるものではない。
【改正の経緯】
・ 評価方法を変更(H11.5.18自治省告示第132号)

 こ渇した鉱泉地等の評価の特例
【評価基準】
二 こ渇した鉱泉地等の評価の特例
 こ掲した鉱泉地又は未利用の鉱泉地については、一によつて求めた価額を、その実情に応じ、減額して評価するものとする。
第1章第5節

【趣旨】
 こ渇した鉱泉地等の価額の減額について規定したものである。

【概要】
 こ渇した鉱泉地又は未利用の鉱泉地の評価は、一般の鉱泉地として求めた価額を、その実情に応じ減額して求める。

【解説】
 こ渇した鉱泉地とは、自噴又は掘削によって鉱泉がゆう出し又は水蒸気その他のガスが噴出していた鉱泉地が年月の経過とともにゆう出量又は噴出量が減少し、鉱泉地としての利用価値が著しく低下した鉱泉地をいい、未利用の鉱泉地とは、現に鉱泉がゆう出し又は水蒸気その他のガスが噴出し、あるいは鉱泉地を掘削したが未だ温泉として利用していない場合の鉱泉地をいう。
 したがって、全くこ渇してしまった鉱泉地や試掘の許可を受けていても未だ掘削していないようなものは鉱泉地ではない。
 こ渇した鉱泉地といっても、温泉法の規定により新規掘削が制限されている結果、一般には既得権として相当の価額によって取引されるものである。
第6節 池沼
【評価基準】
 池沼の評価は、池沼の売買実例価額から評定する適正な時価によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市町村内に池沼の売買実例価額がない場合においては、池沼の位置、形状、利用状況等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。
第1章第6節

【趣旨】
 池沼の評価方法について規定したものである。

【概要】
 市町村内に池沼の売買実例がある場合は、その売買実例価額を直接的なよりどころとして評価する。
 市町村内に池沼の売買実例がない場合は、当該池沼の位置、形状、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準して評価する。

【解説】
1 池沼の認定基準
 池沼とは、一般的に水の貯留する池をいい、堀、養魚池(食用、観賞用)、ダム建設による水没地等を含むものである。
 なお、公共の用に供さないため池については、池沼として評価するのが適当である。
2 池沼の評価方法
(1) 売買実例価額から求める方法
 売買の行われた池沼については、その売買の内容を十分に精査し、付近の土地の価額との均衡を考慮して当該売買池沼の正常売買価格を求め、これを適正な時価として評価する。
 売買実例池沼以外の池沼については、売買実例池沼の正常売買価格を基準として、売買実例池沼と評価対象池沼との位置、形状、利用状況等を考慮して評価する。
(2) 付近の土地の価額に比準して求める方法
池沼の位置、形状、利用状況に応じ、次の要領によって行う。
 工場の敷地内にある貯水池等で池沼として評価すべきものは、通常の場合、宅地の維持効用を果たすものと考えられるので、当該工場敷地の価額と同等の額によってその価額を求める方法による。
 養魚池、釣堀その他特定の利用目的を有する池沼は、当該池沼の位置、形状、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準して評価するものであるが、類似の池沼がある場合は、相互の均衡を考慮し所要の修正を加える必要がある。
 ダム建設による水没地は、当該水没地の付近の土地の価額に比準して評価し、水没以前の地目が宅地・山林・原野・田・畑等であったとしても、これら従前の地目には関係ないものである。
 ア〜ウに掲げた事業用等の利用目的を持つ池沼以外の池沼は、当該池沼の位置、形状、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準して評価するが、当該池沼の付近の土地の価額から当該池沼をその付近の土地と同程度の土地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した額を基準とし、当該付近の土地との位置、利用状況等を勘案して評価するのが適当である。

第7節 山林

 山林の評価


【評価基準】
一 山林の評価
 山林の評価は、各筆の山林について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の山林の価額を求める方法によるものとする。ただし、宅地、農地等のうちに介在する山林及び市街地近郊の山林で、当該山林の近傍の宅地、農地等との評価の均衡上、上記の方法によつて評価することが適当でないと認められるものについては、当該山林の附近の宅地、農地等の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。
第1章第7節

【趣旨】
 山林の評価方法の原則と例外(介在山林の評価方法)について規定したものである。

【概要】
 一般山林の評価は、各筆の山林について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の山林の価額を求める評点式評価法による。
 ただし、宅地、農地等のうちに介在する山林及び市街地均衡の山林については、山林としての生産力条件に着目して評価することは不合理であるから、付近の宅地、農地等の価額に比準してその価額を求めるものである。

【解説】
1 山林の認定基準
 山林とは、耕作の方法によらないで、竹木の生育する土地をいうものであるが、岩石山等竹木の生育しない土地でも山林とするものがある。
2 一般山林の評価方法
 後記「二 評点数の付設」のとおり
3 介在山林の評価方法
(1) 介在山林の範囲
ア 宅地のうちに介在する山林
 宅地のうちに介在する山林とは、宅地と宅地との間に挟まれた小規模な平地林が代表的なものであり、例示すれば次のようなものが挙げられる。
・ 周辺一帯が宅地で、立地条件、価格事情等からみて、単に林地としての形態をとどめているに過ぎないと認められる平地林
・ 宅地と一体となってその効用を高めている土地で山林と認定されるもの
イ 農地のうちに介在する山林
 農地のうちに介在する山林とは、農耕地防風林など周囲が農地に囲まれ、一見して取り残されたような状態にある山林である。
ウ 宅地・農地以外の地目の土地のうちに介在する山林
 宅地、農地以外の地目の土地のうちに介在する山林とは、雑種地などの土地に介在する山林である。
エ 市街地近郊山林
 市街地近郊山林とは、宅地成りの傾向の著しい市街地近郊に所在する山林で、山林本来の価格というよりは、むしろ宅地としての価格要素を構成するに至った価格を有する山林をいい、例示すれば次のようなものが挙げられる。
・ 宅地転用が外形的にみて明らかな山林
・ 宅地造成の結果、取り残されたいわゆる「法」的な林地
(2) 介在山林の評価方法
ア 宅地のうちに介在する山林
 当該介在山林が宅地であったとした場合の価額を求め、この価額から当該介在山林を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した額に基づいてその価額を求める。
 ただし、当該介在山林が、家屋の防風林の目的に利用されている等、将来にわたって宅地転用の見込みがない場合には、隣接する宅地の価額を基礎にし、当該介在山林の利用状況などを考慮して適宜比準して(減額)してその価額を求める。
イ 農地のうちに介在する山林
 農地のうちに介在する山林は、一般的には農耕地防風林などの目的に利用され、将来にわたって耕地利用の見込みがないものであると考えられるので、このような状況にある介在山林については、隣接する田・畑の価額を基礎とし、当該介在山林の利用状況などを考慮して適宜比準(減額)してその価額を求める。
ウ 宅地・農地以外の地目の土地のうちに介在する山林
 上記ア、イ同様の方法でその価額を求める。
エ 市街地近郊山林
 上記アと同様の方法でその価額を求める。

 評点数の付設
【評価基準】
二 評点数の付設
1 評点数の付設の順序
  各筆の山林の評点数は、次によつて付設するものとする。
(1)  状況類似地区を区分するものとする。
(2)  状況類似地区ごとに標準山林を選定するものとする。
(3)  標準山林について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設するものとする。
(4)  標準山林の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の山林の評点数を付設するものとする。
2 状況類似地区の区分
 状況類似地区は、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況を総合的に考慮し、おおむねその状況が類似していると認められる山林の所在する地区ごとに区分するものとする。この場合において、状況類似地区は、小字の区域ごとに認定するものとし、相互に当該状況が類似していると認められる小字の区域は、これらを合わせ、小字の区域内において当該状況が著しく異なると認められるときは、当該状況が異なる地域ごとに区分するものとする。
3 標準山林の選定
 標準山林は、状況類似地区ごとに、位置、地形、土層、林産物の搬出の便等の状況からみて比較的多数所在する山林のうちから、一の山林を選定するものとする。
4 標準山林の評点数の付設
 標準山林の評点数は、次によつて、山林の売買実例価額から評定する当該標準山林の適正な時価に基づいて付設するものとする。
(1)  売買の行われた山林(以下「売買山林」という。)の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買山林の正常売買価格を求めるものとする。この場合における正常売買価格は、山林として利用する場合における山林の正常売買価格であるので、売買山林が市街地の近郊等に所在するため、売買山林の売買実例価額が、山林として利用する場合における当該山林の売買価額を超える額であると認められる場合における当該売買山林の正常売買価格は、原則として、山林として利用する場合における当該山林の売買価額を基準として求めるものとする。
(2)  当該売買山林と標準山林の位置、地形、土層、林産物の搬出の便等の相違を考慮し、(1)によつて求められた当該売買山林の正常売買価格から標準山林の適正な時価を評定するものとする。
(3)  (2)によつて標準山林の適正な時価を評定する場合においては、基準山林(三の2の(1)によつて標準山林のうちから選定した基準山林をいう。)との評価の均衡及び標準山林相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとする。
5 各筆の山林の評点数の付設
 各筆の山林の評点数は、標準山林の単位地積当たり評点数に「山林の比準表」(別表第7の1)により求めた各筆の山林の比準割合を乗じ、これに各筆の山林の地積を乗じて付設するものとする。この場合において、市町村長は、山林の状況に応じ、必要があるときは、「山林の比準表」について、所要の補正をして、これを適用するものとする。
 市町村長は、平坦部に所在する山林等で、「山林の比準表」によつて各筆の山林の比準割合を求めることが困難なものがあるときは、「山林の比準表」の例によつて、最寄集落までの距離、沿接する道路の状況等の要素による林産物の搬出の便等を考慮のうえ、当該山林の比準表を作成して、これを適用するものとする。
第1章第7節
別表第7の1 山林の比準表

【趣旨】
 一般山林の具体的な評価方法と各筆の山林の評点数を付設するに当たって適用する比準表について規定したものである。

【概要】
 山林の評価は、次の順序によって行う。
(1)  状況類似地区を区分する。
(2)  状況類似地区ごとに標準山林を選定する。
(3)  標準山林について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設する。
(4)  標準山林の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の山林の評点数を付設する。
 また、状況類似地区内の各筆の山林は、自然条件はおおむね同等の状況にあるものと考えられるので評価基準における比準表は、主として、標準山地と各筆の山林との間における経済条件の相違に着目して比準割合を算定することとされている。

【解説】
1 状況類似地区の区分
 状況類似地区は、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況を総合的に考慮して区分する。これは、山林の生産力を基準として状況類似地区区分を行うとするものである。
 また、状況類似地区は、原則として小字の区域ごとに認定する。これは、小字の区域においては、地勢、土層、林産物の搬出の便等がおおむね類似すると考えられることによる。したがって、これらの状況が類似する小字の区域は、これを合わせ、小字の区域内においてこれらの状況が著しく異なると認められる場合は、これら状況の異なる地域ごとに状況類似地区を区分する必要がある。
2 標準山林の選定
 標準山林は、状況類似地区内の山林のうち、位置、地形、土層、林産物の搬出の便等の状況において最も標準的な山林のうちから一の山林を選定する。
3 標準山林の評点数の付設
 標準山林の評点数は、山林の売買実例価額から評定する当該標準山林の適正な時価に基づいて付設する。
4 各筆の山林の評点数の付設
 評価基準の山林の比準表は、全国一律に普通山林における通常必要とされる程度の要素について示されているもので、山林の多様性に伴い、すべての市町村の山林にそのままで適用することは実情に合わない場合がある。
 このため評価基準では、山林の状況によってその特殊事情に適合した合理的な比準評価を行うために必要があるときには、評価基準の山林の比準表について所要の補正をして、又は新たに評価基準の山林の比準表の作成の例によって特定の山林に適合する比準表を作成して、これを適用することができるものとされている。
 評価基準の山林の比準表に所要の補正等を行うことを必要とする場合として、次のことがらが考えられる。
@  評価基準の比準表の項目について、その比準割合の状況が当該市町村の山林の実情にそぐわない場合
A  評価基準の比準表の項目以外の要素で、山林ごとに個別性のある事項について比準山林と標準山林との間の状況が相違している場合
B  山林の状況が特殊な立地条件であるため、評価基準の比準表を適用することが困難な場合
【改正の経緯】
 「反当り」を「単位地積当たり」に改正(S44.12.27自治省告示第201号)
 「この場合における正常売買価格は、…山林として利用する場合における当該山林の売買価額を基準として求めるものとする。」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)

 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
【評価基準】
三 評点一点当たり価額の決定及び提示平均価額の算定
1 評点一点当たりの価額の決定
 評点一点当たりの価額は、山林の提示平均価額に山林の総地積を乗じ、これをその付設総評点数(二によつて付設した各筆の山林の評点数を合計した総評点数をいう。)で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものとする。この場合において、提示平均価額は、「山林の指定市町村表」(別表第7の2)に掲げる市町村(以下本節において「指定市町村」という。)にあつては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び指定市町村の長に通知するものによるものとし、指定市町村以外の市町村にあつては、指定市町村の提示平均価額を参考として都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものによるものとする。
2 指定市町村の提示平均価額の算定
 総務大臣は、次により、指定市町村の山林の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して、指定市町村の山林の提示平均価額を算定するものとする。
(1)  指定市町村の長は、二の3によつて選定した標準山林のうち、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況からみて上級に属するもののうちから一の標準山林を基準山林として選定するものとする。
(2)  指定市町村の長は、二の4によつて指定市町村の長が評定した標準山林(基準山林を含む。)の適正な時価その他の総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告するものとする。
(3)  総務大臣は、指定市町村の長が評定した基準山林の適正な時価について検討し、次いで、当該指定市町村の長が評定した標準山林の適正な時価、当該指定市町村の山林の評点付設の状況等を検討するものとする。この場合において、その検討の結果に基づき、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、指定市町村の長が評定した基準山林の適正な時価について所要の調整を行い、これを基準として、標準山林の適正な時価及び山林の付設評点数について所要の調整を行うものとする。
(4)  総務大臣は、次により、指定市町村の山林の総評価見込額を算出するものとする。
 (2)によつて、指定市町村の長が報告した標準山林(基準山林を含む。)の適正な時価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の価額)と当該標準山林の前年度の評価額との割合を求める。
 指定市町村の山林をアの割合が同様であると認められる地区ごとに区分する。この場合において、当該割合が同様であると認められる地区は、状況類似地区ごとに認定するものとするが、相互に当該割合が同様であると認められる状況類似地区は、これらを合わせ、一の状況類似地区内で当該割合が異なると認められる地区があるときは、当該割合が異なる地区ごとに区分する。
 アの割合が同様であると認められる地区ごとに、当該地区における山林の前年度の評価額の合計額に当該割合を基準として求めた割合を乗じて当該地区の山林の評価見込額を算出する。
 ウによつて算出した各地区の評価見込額を合計して当該指定市町村の山林の総評価見込額を算出する。
(5)  (4)によつて総務大臣が算定した総評価見込額と当該指定市町村の長が固定資産評価基準によつて算定した総評価額の見込額が相違する場合においては、総務大臣は、当該指定市町村における山林の評価方法の内容を検討し、必要があると認めるときは、当該指定市町村における総評価額の見込額を基礎として総評価見込額を修正するものとする。
3 指定市町村以外の市町村の提示平均価額の算定
(1)  都道府県知事は、指定市町村以外の市町村について、2と同様の方法によつて、市町村の山林の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して当該市町村の山林の提示平均価額を算定するものとする。この場合において、市町村長が評定した基準山林の適正な時価を検討するに当たつては、指定市町村の基準山林の適正な時価(2の(3)によつて、総務大臣が所要の調整をした場合においては、調整後の価額)との均衡を考慮するものとする。
(2)  総務大臣は、(1)によつて算定した指定市町村以外の市町村の提示平均価額及びその算定の基礎について報告するよう都道府県知事に求めることができる。
(3)  総務大臣は、(2)によつて都道府県知事から報告を受けた提示平均価額及びその算定の基礎について検討し、市町村間の評価の均衡上必要があるときは、提示平均価額について所要の修正を行うよう関係都道府県知事に通知するものとする。
(4)  都道府県知事は、(3)による総務大臣の通知があつた場合においては、関係市町村の提示平均価額について所要の修正を行うものとする。
第1章第7節

【趣旨】
 山林の評点一点当たりの価額の決定方法及び提示平均価額の算定について規定したものである。

【概要】
1 評点一点当たりの価額の決定
 提示平均価額に総地積を乗じ、これを付設総評点数で除して得た額を基準として評点一点当たりの価額とする。
2 各筆の土地の評価額
 付設した各筆の土地の評点数を1によって決定した評点一点当たりの価額に乗じて、その評価額を求める。
3 提示平均価額の算定及び通知
 提示平均価額は、各市町村の田、畑、宅地及び山林について、地目ごとに単位当たり平均価額を総務大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)にあっては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び市町村長に通知し、指定市町村以外の市町村にあっては、指定市町村の提示平均価額を参考として、都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものである。
4 評点式評価法
 評点式評価法によって評価することとなっている田、畑、宅地及び山林の評価は、すでに述べたように各筆の土地の価値を評点数で表し、この評点数に評点一点当たりの価額を乗じて各筆の土地の評価額を求める方法によるものである。
 この場合、評点一点当たりの価額は、田、畑、宅地及び山林の別に、その提示平均価額に当該地目にかかる総地積を乗じ、これを各筆の土地に付設した評点数の合計評点数で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものである。
5 提示平均価額の役割
 提示平均価額は、評価基準と一体をなし、4で述べたように各市町村における評点一点当たりの価額を求める基礎となるものであるから、これによって各市町村間における土地の評価の均衡を確保するための役割を果たすものである。本来当該市町村に所在する地目ごとの土地の平均価額として示されるものであるから、実質的には、当該市町村の地目別の土地の実際評価額の平均額が、提示平均価額と同程度の額となることにより、市町村の評価の水準を示すとともに、各市町村間の評価の均衡を図る役割をもつものである。
 すなわち、評価基準において、市町村が各筆の土地を評価するに当たって、それぞれの地目別に定める評点数の付設方法により評価することによって市町村内の評価の均衡を確保し、提示平均価額に基づいて評点一点当たりの価額を決定することによって市町村間の評価の均衡を確保しようとするものである。
【解説】
 前段(第3節「宅地」三「評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定」)において一括して解説する。

【改正の経緯】
・ 「指示平均価額」を「提示平均価額」に改正(H12.1.28自治省告示第12号)
第8節 牧場
【評価基準】
 牧場の評価は、牧場の売買実例価額から評定する適正な時価によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市町村内に牧場の売買実例価額がない場合においては、牧場の位置、土性、地形等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。
第1章第8節


【趣旨】
 牧場の評価方法について規定したものである。

【概要】
 市町村内に牧場の売買実例がある場合は、その売買実例価額を直接的なよりどころとして評価する。
 市町村内に牧場の売買実例がない場合は、当該牧場の位置、土性、地形、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準して評価する。

【解説】
1 牧場の認定基準
 牧場とは、獣畜を放牧する土地をいうものである
 牧場は、牧場のみでその効用を発揮するものではなくて、牧野、施設、畜舎等が一体となって効用を発揮するものとして、牧畜のために使用する建物の敷地、牧草栽培地及び林地等で牧場地域内にある土地は、通常牧場とする。
2 牧場の評価方法
(1) 売買実例価額から求める方法
 売買の行われた牧場については、その売買の内容を十分に精査し、付近の土地の価額との均衡を考慮して当該売買実例牧場の正常売買価格を求め、これを適正な時価として評価する。
 売買実例牧場以外の牧場については、売買実例牧場の正常売買価格を基準として、売買実例牧場と評価対象牧場との位置、土性、地形、利用状況等を考慮して評価する。
(2) 付近の土地の価額に比準して求める方法
 付近の土地の価額に比準して評価するに当たっては、牧場として包含される土地の利用状況が画一的でないので、評価の過程においてはその利用状況に応じた部分毎の評価を行うことが適当と考えられる。すなわち、牧草栽培地・牧野樹林地・草生地・建物敷地等の別に、牧場の近隣における畑・山林・雑種地・宅地等、それぞれ状況の類似する土地とその地力又は利用条件の相違を考慮のうえ評価し、これらを総合して牧場としての価額を求める方法が現実的である。
第9節 原野
【評価基準】
 原野の評価は、原野の売買実例価額から評定する適正な時価によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市町村内に原野の売買実例価額がない場合においては、原野の位置、その利用状況等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。
第1章第9節

【趣旨】
 原野の評価方法について規定したものである。

【概要】
 市町村内に原野の売買実例がある場合は、その売買実例価額を直接的なよりどころとして評価する。
 市町村内に原野の売買実例がない場合は、当該原野の位置、その利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準して評価する。

【解説】
1 原野の認定基準
 原野とは、耕作の方法によらないで、雑草、潅木類の生育する土地をいうものであり、蒲生地、草生地、芝生地、場、萱野等が含まれることになるが、この原野の中にはやがて開墾されて農地となるべき土地もあり、山林となるべき植林予定地もあり、また、全く不毛の土地もあるなど、その観念されている土地の範囲は多岐にわたる。
2 原野の評価方法
(1) 売買実例価額から求める方法
 売買の行われた原野については、その売買の内容を十分に精査し、付近の土地の価額との均衡を考慮して当該売買実例原野の正常売買価格を求め、これを適正な時価として評価する。
 売買実例原野以外の原野の評価については、売買実例原野の正常売買価格を基準として、売買実例原野と評価対象原野との位置、面積、形状等を考慮して評価する。
(2) 付近の土地の価額に比準して求める方法
ア 宅地のうちに介在する原野
 当該原野が宅地であったとした場合の価額を求め、この価額から当該原野を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した額に基づいてその価額を求める。
 ただし、当該原野が、将来にわたって宅地転用の見込みがない場合には、隣接する宅地の価額を基礎にし、当該原野の利用状況などを考慮して適宜比準して(減額)してその価額を求める。
イ 農地・山林のうちに介在する原野
 農地・山林のうちに介在する原野は、隣接する田・畑・山林の価額を基礎とし、当該原野の利用状況などを考慮して適宜比準(減額)してその価額を求める。
ウ 宅地・農地・山林以外の地目の土地のうちに介在する原野
 上記ア、イと同様の方法でその価額を求める。
エ 市街地近郊原野
 上記アと同様の方法でその価額を求める。

第10節 雑種地

 その他の雑種地の評価

【評価基準】
一 雑種地の評価
 雑種地の評価は、二及び三に掲げる土地を除き、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市町村内に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、附近の土地の価格に比準してその価額を求める方法によるものとする。
第1章第10節

【趣旨】
 雑種地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 その他の雑種地の評価は、原則として、売買実例価額から求める方法であるが、売買実例価額がない場合には付近の土地の価額に比準して求めることとなる。

【解説】
1 その他の雑種地の範囲
 その他の雑種地とは、ゴルフ場等の用に供する土地及び鉄軌道用地を除く雑種地で、鉄塔敷地、水路敷地、私道敷、稲干場又は廃棄物処理用地等である。
2 その他の雑種地の評価
(1)  その他の雑種地の評価は、売買実例価額のある土地にあっては、売買実例価額を基礎としてその適正な時価を求める方法による。
(2)  売買実例価額がない場合にあっては、当該土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によって評価する。
○ 雑種地の認定基準
 雑種地とは、田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場及び原野以外の土地をいうものであり、これに包含される土地は、野球場、変電所敷地等のようにその現況が比較的宅地に類似しているものから、不毛地、砂地、土取場跡等のように原野的なものに至るまで多岐にわたる。
○ 評価方法の概要

 ゴルフ場等用地の評価
【評価基準】
二 ゴルフ場等の用に供する土地の評価
 ゴルフ場、遊園地、運動場、野球場、競馬場及びその他これらに類似する施設(以下「ゴルフ場等」という。)の用に供する土地の評価は、当該ゴルフ場等を開設するに当たり要した当該土地の取得価額に当該ゴルフ場等の造成費(当該ゴルフ場等の造成に通常必要と認められる造成費によるものとし、芝購入費、芝植付費及び償却資産として固定資産税の課税客体となるものに係る経費を除く。)を加算した価額を基準とし、当該ゴルフ場等の位置、利用状況等を考慮してその価額を求める方法によるものとする。この場合において、取得価額及び造成費は、当該土地の取得後若しくは造成後において価格事情に変動があるとき、又はその取得価額若しくは造成費が不明のときは附近の土地の価額又は最近における造成費から評定した価額によるものとする。
第1章第10節

【趣旨】
 ゴルフ場等の用に供する土地(以下「ゴルフ場等用地」という。)の評価方法について規定したものである。

【概要】
 ゴルフ場等の用に供する土地の評価は、原則として、当該ゴルフ場等を開設するに当たり要した当該土地の取得価額(又は附近の土地から評定した相当価額)に当該ゴルフ場等の造成費(又は最近のゴルフ場等から評定した造成費相当額)を加算した価額を基準とし、当該ゴルフ場等の位置、利用状況等を考慮し、その価額を求める方法による。

【解説】
1 ゴルフ場等用地の範囲
 ゴルフ場等の用に供する土地とは、ゴルフ場、遊園地、運動場、野球場、競馬場及びその他これらに類似する施設の用に供する土地をいい、「これらに類似する施設の用に供する土地」とは、テニスコート、プール、スキー場、スケート場及び比較的広汎な土地を造成して各種の催物的な事業の用に供される土地をいう。
2 ゴルフ場等用地の評価
 ゴルフ場等の用に供する土地の評価は、原則として、当該ゴルフ場等を開設するに当たり要した当該土地の取得価額に当該ゴルフ場等の造成費を加算した価額を基準とし、当該ゴルフ場等の位置、利用状況等を考慮してその価額を求める方法による。
(1) 取得価額の算定
ア 取得に要した費用を用いて取得価額を算定することができる場合
 最近時に取得されたゴルフ場等用地など、取得後、価格事情等に変動がないもので、その取得に要した費用が明らかなゴルフ場等用地の取得価額は、実際の取得に要した費用の額を基準に算定する。
 なお、取得価額には、立木の価額、移転補償費、離作補償費、登記に要する費用及び公租公課等の土地購入に伴う関連費用は含まれないものである。
イ 取得に要した費用を用いて取得価額を算定することができない場合
 用地取得後、価格事情に変動があるか、又は取得に要した費用が不明であるため、取得に要した費用の額を用いて取得価額を算定することができないゴルフ場等用地の取得価額は、付近の土地の価額から評定した価額によって算定する。
(2) 造成費の算定
ア 造成に要した費用を用いて造成費を算定することができる場合
 ゴルフ場等の造成費は、当該ゴルフ場等の造成に通常必要と認められる造成費によるものとし、芝購入費、芝植付費及び償却資産として固定資産税の課税客体になるものに係る経費は、含まれないものである。
イ 造成に要した費用を用いて造成費を算定することができない場合
 ゴルフ場等の造成後において価格事情に変動があるとき、又は造成費が不明のときは、最近の造成費から評定した価額によって造成費を算定する。
 なお、ゴルフ場の造成費については、参考として標準的造成費が示されている。
3 通知によるゴルフ場用地の評価例
 ゴルフ場用地の評価は「取得価額+造成費」の額を基準として求めることとされているが、この基準の具体的な取扱いとして「ゴルフ場の用に供する土地の評価の取扱いについて」(平成11年9月1日自治評第37号資産評価室長通知)が参考までに示されている。
 鉄軌道用地の評価
【評価基準】
三 鉄軌道用地の評価
 次に掲げる鉄軌道の用に供する土地(以下「鉄軌道用地」という。)の評価は、当該鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する価額によつてその価額を求める方法によるものとする。この場合において、「当該鉄軌道用地に沿接する土地の価額」は、当該鉄軌道用地をその沿接する土地の地目、価額の相違等に基づいて区分し、その区分した鉄軌道用地に沿接する土地の価額、その区分した鉄軌道用地の地積等を総合的に考慮して求めるものとする。
 線路敷(工場の敷地内にあるものを除く。)の用に供する土地
 停車場建物、転・遷車台、給炭水設備、給油設備、検車洗浄設備、乗降場又は積卸場の用に供する土地(百貨店、店舗その他専ら鉄道又は軌道による運送の用に供する建物以外の建物の用地として併用する土地を除く。)
 前二項の土地に接する土地で、変電所、車庫、倉庫(資材置場を含む。)、踏切番舎又は保線区、検車区、車掌区、電力区、通信区等の現業従業員の詰所の用に供するもの
第1章第10節

【趣旨】
 鉄軌道用地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 鉄軌道用地の評価は、当該鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する価額によって、その価額を求めることとされている。すなわち、価額の基準となる鉄軌道用地に沿接する土地の価額は、沿接する土地の地目、価額の相違等に基づいて当該鉄軌道用地を区分し、それぞれ区分された部分ごとに当該沿接土地の評価額及び当該区分された鉄軌道用地の地積等を総合的に考慮して求めるものとされているのである。

【解説】
1 鉄軌道用地の範囲
 鉄軌道用地の具体的範囲は次のとおりである。
(1) 線路敷の用に供する土地
 一般の線路敷は鉄軌道用地とされるが、工場敷地内にある線路敷は土地としての利用価値において当該工場敷地の他の部分に転用される可能性をもつこと等から、鉄軌道用地としてではなく、工場用地(宅地)として評価する。
(2) 停車場建物等の用に供する土地
 停車場建物、転・遷車台、給炭水設備、給油設備、検車洗浄設備又は乗降場、積卸場は、鉄道又は軌道による運送の用に供するものであるから、その用地は鉄軌道用地である。
 なお、これらの土地が百貨店、店舗その他専ら鉄道又は軌道による運送の用に供する建物以外の建物の用地として併用されている場合は、鉄軌道用地としてではなく、他の一般の土地と同様に取扱うものである。
(3) 変電所、車庫等の用に供する土地
 (1)及び(2)の土地に接する土地で、変電所、車庫、倉庫(資材置場を含む)、踏切番舎の用に供する土地は、その利用目的から鉄軌道用地である。
(4) 現業従業員の詰所の用に供する土地
 (1)及び(2)の土地に接する土地で、保線区、検車区、車掌区、電力区、通信区等の現業従業員の詰所の用に供する土地は、(3)と同様鉄軌道用地である。
 この場合において、現業従業員の詰所に附属する食堂等で、詰所建物内にある場合又は鉄道構内において線路敷地等との境界が判然としない場合には、食堂等の敷地部分も鉄軌道用地として差し支えない。
2 鉄軌道用地の評価方法
 鉄軌道用地の評価は、当該鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する価額によって、その価額を求めるものとする。
 具体的には、まず当該鉄軌道用地の沿接する土地を地目別にまとめてそれぞれの平均的な単位地積当たり価額を求める。次にこれに、各地目別にそれぞれ対応する鉄軌道用地の地積率(各沿接地目別の鉄軌道用地の地積を、当該鉄軌道用地の全地積で除したもの)あるいは側面長割合(各沿接地目別側面長を全側面長で除したもの)を乗じたものの総和により当該鉄軌道用地に沿接する土地の単位地積当たり価額を求める。更にこれに3分の1及び当該鉄軌道用地の総地積を乗じて、当該鉄軌道用地の評価額を求めるものである。
 鉄軌道用地を評価するための平均的な単位地積当たりの価額すなわち当該鉄軌道用地に沿接する土地の平均価額を求めるに際しては、沿接する土地の地目、価格等の相違に基づいてその沿接する土地を区分し、その区分した土地ごとの地目別単位地積当たり平均評価額及びその側面長等を総合的に考慮して算出する。この場合の留意点としては、@その沿接する土地の区分に当たっては、地目ごとに区分し、また、その評価額に著しく差異がある場合など必要に応じて同一地目であっても(例えば宅地の場合であれば用途地区ごとに)区分する。A沿接する土地が道路である場合は、道路を隔てた向かいの地目の区分によること。Bその区分した土地ごとの価額は、当該沿接する土地の平均単位地積当たり価額とするが、土地の状況によっては、必要に応じてその後背地の価額も考慮した場合の平均単位地積当たり価額とする、等である。
【改正の経緯】
・ 「二分の一」を「三分の一」に改正(S48.7.23自治省告示第124号)
・ 「鉄軌道用地の用に供する土地」の範囲を追加(H12.1.28自治省告示第12号)

第11節 その他

 砂防指定地の評価
【評価基準】
一 砂防指定地の評価
 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定に基づき指定された土地(以下「砂防指定地」という。)のうち山林の評価は、当該土地が砂防指定地として指定されていないとした場合の価額に当該土地における行為の禁止又は制限の程度に応じて定めた2分の1を限度とする補正率を適用してその価額を求める方式によるものとする。ただし、平成18年度から平成20年度までの各年度における評価に限り、上記の方法により難いと市町村長が判断した場合には、この限りでない。
第1章第11節

【趣旨】
 砂防指定地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 砂防指定地とは、砂防法第2条の規定に基づき国土交通大臣が指定する土地で、その指定を受けた場合は、土砂の崩壊及び流失を防止するため、一定の行為(立木伐採、土地の形状変更、工作物設置等)が禁止又は制限を受けるため、一般的には価格が安くなる事情にある。
 また、砂防指定地は全国に普遍的に所在していることから、平成9年度評価替えから評価基準に評価方法を規定したところである。

【解説】
 砂防法においては特段地目の限定はなく、実際にもさまざまな地目が指定されているが、そのほとんどが山林であることから、対象地目は山林に限られているところである。
 減価の目安としては、@都市緑地法(昭和48年法律第72号)に基づく特別緑地保全地区における行為規制と同様の行為規制が行われること、A従来、当該特別緑地保全地区内の土地の評価については、山林について、特別緑地保全地区に指定されないとした場合の2分の1に相当する額をその価格とすることとされていたこと等から、2分の1を目安とした減価補正を行うこととされた。
 なお、砂防指定地の地積調査の進捗状況などから、平成9年度から平成15年度までの各年度における評価については「ただし、上記の方法により難いと市町村長が判断した場合には、この限りでない。」として、経過措置が講じられてたが、平成18年度評価替えにおいても、現時点における砂防指定地の地積調査の進捗状況からして、全ての団体で完全実施することが技術的に困難であることから、引き続き平成20年度まで経過措置を延長することとされた。また、平成18年度の評価において、ただし書きによる方法によって評価を行っている団体が、平成19年度若しくは平成20年度から本文による評価を行うことは、地方税法第349条第2項によりできないので注意を要する。

【改正の経緯】
・ 本項追加(H8.12.24自治省告示第289号)
・ 経過措置延長(H11.9.14自治省告示第198号)
・ 経過措置延長(H14.12.6自治省告示第656号)
・ 経過措置延長(H17.8.11自治省告示第886号)

 特別緑地保全地区内の土地の評価
【評価基準】
二 特別緑地保全地区内の土地の評価
 都市緑地法(昭和48年法律第72号)第12条の規定による特別緑地保全地区(首都圏近郊緑地保全法(昭和41年法律第101号)第5条第1項、近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和42年法律第103号)第6条第1項に規定する近郊緑地保全地区を含む。以下「特別緑地保全地区」という。)内の土地のうち山林の評価は、当該土地が特別緑地保全地区として定められていないとした場合の価額の2分の1に相当する価額によつて、宅地等の評価は、当該土地が特別緑地保全地区として定められていないとした場合の価額に、当該土地の総地積に対する樹木の生育している部分の地積の割合に応じて、「画地計算法」(別表第3)の「がけ地補正率表」(附表7)を適用した場合に得られる補正率を乗じた価額によつてその価額を求める方法によるものとする。
第1章第11節

【趣旨】
 特別緑地保全地区内の土地の評価方法について規定したものである。

【概要】
 特別緑地保全地区内の土地は、緑地保全の観点から様々な規制が行われているため、価格が低くなる事情にあることに鑑み、補正を行うこととしたものである。

【解説】
1 補正の理由
 都市緑地法第12条の規定による特別緑地保全地区(首都圏近郊緑地保全法第5条の規定による近郊緑地特別保全地区及び近畿圏の保全区域の整備に関する法律第6条の規定による近郊緑地特別保全地区を含む。)内の土地は、緑地保全の見地から同法第14条の規定により、建築物の新築、宅地の造成、土地の開墾等に対する規制が行われているため、一般には価格が低くなる事情にあることに鑑み、当該特別緑地保全地区内の土地の評価に当たってこのような事情を考慮して補正を行うこととしたものである。
2 対象となる土地
(1) 宅地
 宅地については、床面積を増加しない範囲で建築物の改築が認められる等、現状を維持して利用することについては、制限が設けられておらず、また、特別緑地保全地区に指定されることにより良好な環境が確保されることになる。しかし、宅地のうち樹木の生育している部分は、樹木を伐採して新たに家屋の敷地とすることができない等の制限が加えられており、価格事情に影響があると考えられるので、樹木の生育している部分(当該樹木の生育している部分のうち専ら観賞用に植栽された庭木等が存するいわゆる庭園に係る部分を除く。)に限り、補正の対象とするものである。
(2) 山林
 山林については、樹木の伐採の制限があるので、一般山林については山林経営上支障があること、また介在山林については、宅地転用等が難しいことにより、一般山林・介在山林ともに、特別緑地保全地区に指定されることに基づく価格事情の変動が著しいと考えられるので、指定を受けた山林は補正の対象とするものである。
(3) 対象から除かれるもの
 特別緑地保全地区内の山林及び宅地であってもその土地がゴルフ場、料亭等の用に供されている場合には、樹林地であることが当該土地の利用価値を高めている実態はあっても価格を下げる要因にはなっていないということから、これらの用に供されている土地については補正の対象としないものである。

参考 (特別)緑地保全地区の指定状況
区   分 52.3.31 55.3.31 58.3.31 61.3.31 元.3.31 4.3.31 7.3.31 10.3.31 13.3.31 16.3.31
緑地保全地区(近郊緑地特別保全地区を含む) 市町村数 19 21 25 27 33 34 39 41 51 51
地区数 67 86 143 171 186 205 235 250 298 338
決定面積 1、505.0 1、569.0 1、757.8 1、795.2 1、867.3 1、904.7 3、616.4 4、930.4 4、763.1 5、162.5
(注)国土交通省「都市計画年報」による。

【改正の経緯】
・ 本項追加(H8.12.24自治省告示第289号)
・ 「緑地保全地区」を「特別緑地保全地区」に、「都市緑地保全法」を「都市緑地法」に改正(H17.11.18総務省告示第1289号)

 大規模工場用地の評価
【評価基準】
三 大規模工場用地の評価
 大工場地区に所在する工場用地のうち大規模な工場用地として利用される土地(おおむね20万平方メートル以上のものに限る。以下「大規模工場用地」という。)の評価は、用途地区、第3節二(一)2(2)にいう地域等の区分を適切に行い、規模による価格の格差を反映させる方法によるものとする。
 ただし、規模の異なる大規模工場用地が連たんする場合等、さらに価格の格差を反映させる必要がある場合には、「大規模工場用地規模格差補正率表」(別表第7の3)によつて求めた補正率によつて、標準宅地の価格の補正を行い評価額を求める方法によるものとする。この場合において、市町村長は、大規模工場用地の状況に応じ、必要があるときは「大規模工場用地規模格差補正率表」について、所用の補正をして、これを適用するものとする。
第1章第11節

【趣旨】
 大規模工場用地の評価方法を規定したものである。
【概要】

 大規模工場用地は、規模が大きいことによる減価が見られるため、一定規模(一画地で20万平方メートル超)を超える土地についての評価方法を規定したものである。
【解説】
1 補正の理由
 主として大工場の用地として利用される大工場地区内にある大規模画地(大工場用地)の評価は、一つの工場敷地自体を一つの状況類似地域(区)として設定している事例が多いが、複数の画地を一状況類似地域(区)として設定している場合もある。この場合において、画地の規模が同様であれば、標準宅地から比準された他の工場用地については、標準宅地の鑑定価格に既に規模が大きいことによる格差が反映されているので評価上の均衡は確保されている。
 しかしながら、状況類似地域(区)の内部で画地規模に格差がある場合においては、選定した標準宅地の規模によって、同じ状況類似地域(区)であっても内部で規模格差による評価上の不均衡が生じるとの考え方もあったところである。このため、大規模画地の規模格差について専門機関に委託し分析を行った結果、規模格差が見出されて20万平方メートルの画地規模を当面一つの目安として大規模工場用地に分けることが適当であると考えられたものである。
2 対象となる土地
 大規模工場用地とは、平成9年度評価替えから評価基準に規定された、大工場地区内に所在する工場用地のうち大規模な工場用地として利用されるおおむね20万平方メートル以上の土地のことであり、あくまでも一つの画地が20万平方メートル以上の土地である。したがって、 いくつかの画地が集合して20万平方メートルを超えているからといって大規模工場用地とはならないものである。
【改正の経緯】
 本項追加(H8.12.24自治省告示第289号)
 「ただし、平成9年度から平成11年度までの各年度における評価に限り、上記の方法により難いと市町村長が判断した場合は、この限りでない」を削除(H12.1.28自治省告示第12号)
 大規模工場用地規模格差補正率表追加(H14.12.6総務省告示第656号)


 保安空地等の評価
【評価基準】
四 保安空地等の評価
 法令の規定に基づいて、公共の危害防止のために著しく広大な土地を保安上保有すべきことを義務づけられている者の所有する土地で総務大臣が定めるものの評価は、附近の土地の価額の2分の1に相当する価額によつて、その価額を求める方法によるものとする。
第1章第11節
【趣旨】
 保安空地等の評価方法を規定したものである。

【概要】
 保安空地は、付近の土地と比較して危険性があること、火薬類の製造業者等が保安上一定の土地を保有すべきことを義務付けられているため、土地利用に制限があること等から附近の土地の価額の2分の1に相当する価額としているものである。

【解説】
1 保安空地の範囲
 保安空地とは、火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第1条に規定する、第1種保安物件・・・・・・国宝建造物、市街地の家屋、学校、保育所、病院、劇場、競技場、社寺及び教会 第2種保安物件・・・・・・村落の家屋及び公園 第3種保安物件・・・・・・家屋(第1種保安物件又は第2種保安物件に属するものを除く。)、鉄道、軌道、汽船の常航路又はけいりゅう所、石油タンク、ガスタンク、発電所、変電所及び工場 第4種保安物件・・・・・・国道、都道府県道、高圧電線、火薬類取扱所及び火気の取扱所 の各種保安物件のうち、法令の規定によって第3種保安物件に対して、火薬又は火薬庫の種類、危険工室、爆薬の停滞量又はその貯蔵量に応じて一定の基準による保安距離をとらなければならないものとされている範囲内にある広大な敷地であって、その面積が50,000平方メートル以上のものをいう。
2 保安空地の評価
 保安空地の評価は、付近の類似の土地の価額の2分の1に相当する価額によって、その価額を求める方法によるものとする。

【改正の経緯】
・ 本項追加(S42.12.25自治省告示第180号)
第12節 経過措置

 宅地の評価に係る価格調査基準日及び評価水準
【評価基準】
一 宅地の評価において、第3節二(一)3(1)及び第3節二(二)4の標準宅地の適正な時価を求める場合には、当分の間、基準年度の初日の属する年の前年の1月1日の地価公示法(昭和44年法律第49号)による地価公示価格及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格等を活用することとし、これらの価格の7割を目途として評定するものとする。この場合において、不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格等を活用するに当たつては、全国及び都道府県単位の情報交換及び調整を十分に行うものとする。
第1章第12節

【趣旨】
 宅地の評価における価格調査基準日、標準宅地の適正な時価を求めるに当たっての地価公示価格及び鑑定評価から求められた価格等の活用並びにその評価水準(7割)を規定したものである。

【概要】
 標準宅地の適正な時価は、当分の間、基準年度の初日の属する年の前年の1月1日(価格調査基準日)における地価公示価格及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定価格から求められた価格等の7割を目途に評定することとされている。

【解説】
1 7割評価について
 平成6年度評価替えから、公的土地評価の均衡化・適正化を推進するため、宅地の評価を地価公示価格、鑑定評価の価格等の7割を目途に行うこととされている。
 標準宅地については、用途や接道条件及び画地規模等が状況類似地区内で標準的なものを選定するため、一般的に鑑定評価書の鑑定価格と「1平方メートル当たり標準価格」(以下「鑑定標準価格」という。)との較差は僅少である。止むを得ず角地であるなど選定状況により多少の差異を生じる標準宅地を選定する場合もあるが、不動産鑑定上の標準化補正と評価基準の補正率とは必ずしも一致していないことに留意する必要がある。
 市街地宅地評価法により評価を行う場合、主要な街路の路線価は鑑定標準価格の7割となるものであるが、その価格の基となる標準的画地に固定資産評価上の補正が適用される場合は、鑑定標準価格をその補正率で割り戻した価格の7割となるものである。
 したがって、一般的に付近の街路の状況から必要な場合を除き、鑑定標準価格を求めるための鑑定評価上の標準的画地は、固定資産評価上の形状補正や加算補正が適用されない形状や接面街路が設定されることが望ましいものである。
 なお、土壌汚染対策法(平成14年5月29日法律第53号)第3条又は第4条の規定により土地の所有者等に汚染の状況について調査義務が発生し、又は調査の実施が命じられている土地及び同法第5条の規定により指定地域に指定された地域内の土地は、一般的には標準宅地として選定すべきでない。
 また、土壌汚染のおそれがある場合であっても、大工場地区及び大規模工場用地で、現に工場の敷地の用に供されているものについて、工場用地としての継続使用を前提とした価格を求める場合を除き、一般的には標準宅地として選定すべきでないものである。
2 価格調査基準日について
 価格調査基準日は、固定資産税の価格の決定時期である3月末日までに評価替え事務を行うことが実務上困難であるため、事務処理の都合上、地価の評定を行う時点を賦課期日とは別に規定したもので、基準年度に係る賦課期日の1年前に設けられたものである。

 標準宅地については、価格調査基準日において用途や接道条件及び画地規模等が標準的なものが選定されていれば妥当であり、仮に価格調査基準日の翌日から賦課期日までの間に標準宅地の状況に異動が生じたとしても、当該標準宅地の選定替えは必要としないものである。
 ただし、各筆の画地計算は、賦課期日の現況により行うものであるので、価格調査基準日の翌日から賦課期日までの間に街路の新設又は供用の開始がされる場合には、賦課期日現在において当該その他の街路への路線価付設の要否などを判断する必要がある。

《「価格調査基準日」に関する判例》
 大量に存する固定資産の評価事務に要する期間を考慮して賦課期日からさかのぼった時点を価格調査基準日とし、同日の標準宅地の価格を賦課期日における価格の算定資料とすること自体は、法の禁止するところということはできない(平15.6.26最高裁(平成10年(行ヒ)第41号))。

【改正の経緯】
・ 本項追加(H8.9.3自治省告示第192号)
・ 「鑑定評価から求められた価格等を活用するに当たっては、全国及び都道府県単位の情報交換及び調整を十分に行うものとする。」を追加(H12.1.28自治省告示第12号)


 宅地等の評価額の修正
【評価基準】
 平成18年度の宅地の評価においては、市町村長は、平成17年1月1日から平成17年7月1日までの間に標準宅地等の価額が下落したと認める場合には、第3節一から三まで及び本節一によつて求めた評価額に次に掲げる方法により修正を加えることができるものとする。
 なお、市街化区域農地その他の宅地の価額を評価の基礎として価額を求めることとされている土地の評価についても、市町村長は、平成17年1月1日から平成17年7月1日までの間に第3節一から三まで及び本節一によつて求めた当該土地とその状況が類似する宅地の価額が下落したと認める場合には、当該宅地の価額を次に掲げる方法により修正した価額を基礎として求めるものとする。
 宅地の価額の修正は、次によるものとする。
(1) 宅地の価額の下落状況を把握する。
(2) 宅地を区分し、その区分ごとに修正率を適用する。
 宅地の価額については、国土利用計画法施行令(昭和49年政令第387号)による都道府県地価調査及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価等を活用し、平成17年1月1日から平成17年7月1日までの下落状況を把握するものとする。
 宅地の区分及び修正率の適用については、次に掲げる地域の区分によるものとする。
(1)  第3節二(一)に基づき市街地宅地評価法により評点数を付設する地域
@  宅地の区分は、第3節二(一)2(1)に規定する商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区等(これらを必要に応じ、更に繁華街、高度商業地区(T、U)、普通商業地区、高級住宅地区、普通住宅地区、併用住宅地区、大工場地区、中小工場地区、家内工業地区等に区分した場合には、当該区分した後の地区。以下これらを「用途地区」という。)を基本とするが、市町村長は、用途地区内の宅地の価額の下落状況に幅があり、用途地区ごとに修正率を適用することが不適当であると認める場合には、用途地区を更に区分することができる。
A  @の区分ごとに、第3節一から三まで及び本節一によつて求めた価額に、市町村長が2によつて把握した下落状況からみて最も適切であると判断した修正率を乗じる。
(2)  第3節二(二)に基づきその他の宅地評価法により評点数を付設する地域
@  宅地の区分は、第3節二(二)2に規定する状況類似地区(以下「状況類似地区」という。」を基本とするが、市町村長は、状況類似地区内の宅地の価額の下落状況に幅があり、状況類似地区ごとに修正率を適用することが不適当であると認める場合には、状況類似地区を更に区分することができる。
A  @の区分ごとに、第3節一から三まで及び本節一によつて求めた価額に、市町村長が2によつて把握した下落状況からみて最も適切であると判断した修正率を乗じる。
第1章第12節

【趣旨】
 平成18年度における宅地等に係る評価額の修正及びその実施方法について規定したものである。

【概要】
 平成9年度の土地の評価替えにおいて価格調査基準日以降の地価下落をできる限り反映させるため、緊急の措置として簡易な方法による評価額の修正措置が導入された。平成12年度、平成15年度及び平成18年度においても同様の趣旨により、修正措置を講じることとされた。

【解説】
 評価基準による評価については、一般的な合理性と規範性が認められているが、評価額が賦課期日における客観的な交換価値を上回ることがないよう、価格調査基準日以降、賦課期日の半年前までの地価下落を評価額に反映させるため、平成9年度評価替えから導入されている。
 平成9年度評価替え以降の評価額の修正措置は、限られた時間内で評価額の修正措置を行うものであり、簡易な手法によるものである。
 すなわち、通常の評価替え作業、あるいは、平成6年度評価替えにおいて採られたような路線価付設前に標準宅地の適正な時価を修正し、それをもとに緻密な価格バランスを取るという方法を採らず、用途地区等の面を単位に一律に修正する方法を採用したものである。
 対象となる地目は、宅地及び市街化区域農地等宅地の価格を評価の基礎として価格を求めることとされている土地である。したがって、ゴルフ場、鉄軌道などの用に供する土地であっても、その評価のなかで宅地の価格を基礎としているものが含まれる場合はこの措置の対象となるものである。
 宅地の価額の修正は、市町村長が標準宅地等の価額が下落したと認める場合に実施できるものであるが、価額の修正を行わないことにより適正な時価を上回る場合は、適法な評価とはならないものである。
 なお、第2年度及び第3年度に係る価格の修正措置として、地方税法附則第17条の2に基づく修正基準が告示されており、本経過措置と一体をなすものとして運用されている。


《「適正な時価」に関する判例》
 土地に対する固定資産税は、一種の財産税であって、個々の土地の収益性の有無にかかわらず、その所有者に対して課するものであるから、適正な時価とは、正常な条件の下に成立する土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうと解される。したがって、土地課税台帳等に登録された価格が賦課期日における客観的な交換価値を上回れば、当該価格の決定は違法となる。
 地方税法は、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を自治大臣の告示である評価基準にゆだねているが、適正な時価を算定するための技術的かつ細目的な基準の定めを自治大臣の告示に委任したものであって、賦課期日における客観的な交換価値を上回る価格を算定することまでゆだねたものではない。
 賦課期日における客観的な交換価値を超えるものではないと推認することができるためには、標準宅地の適正な時価として評定された価格が、標準宅地の賦課期日における客観的な交換価値を上回っていないことが必要である。
(平15.6.26最高裁(平成10年(行ヒ)第41号))

【改正の経緯】
・ 本項追加(H8.9.3自治省告示第192号)
・ 下落修正措置延長。修正方法を明記(H11.9.14自治省告示第198号)
・ 下落修正措置延長(H14.12.6総務省告示第656号)
・ 下落修正措置延長(H17.8.11総務省告示第886号)

 鉱泉地の評価において用いる宅地の基準年度の価額
【評価基準】
三 鉱泉地の評価において用いる当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額及び前基準年度における価額は、第3節及び本節一によつて求めた評価額とする。
第1章第12節

【趣旨】
 鉱泉地の評価(第5節)において用いる当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額の定義を規定したものである。

【概要】
 鉱泉地の評価は、当該鉱泉地の基準年度の前年度の価格に当該鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額の前基準年度における価額に対する割合を乗じて求めることとされているが、当該鉱泉地を利用する温泉地に存する宅地の基準年度における価額及び前基準年度における価額は、評価基準第1章第3節によって求めた評価額及び評価基準第1章第12節一によって求めた評価額とされている。

【解説】
 当該鉱泉地を利用する温泉地に存する宅地が評価基準第1章第12節二の適用を受ける場合は、修正を行う前の価格をもって「基準年度における価格」とするとされており、鉱泉地の価格については、基準年度ごとの見直しとなるものである。

【改正の経緯】
・ 本項追加(H11.5.18自治省告示第132号)
[資料] 固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号)(抜粋)







別表第2 田又は畑の指定市町村表

(田)
都道府県名 市 町 村 名
北 海 道 美唄市
青 森 県 つがる市
岩 手 県 花巻市
宮 城 県 遠田郡   美里町
秋 田 県 大仙市
山 形 県 酒田市
福 島 県 伊達郡   桑折町
茨 城 県 桜川市
栃 木 県 芳賀郡   芳賀町
群 馬 県 群馬郡   群馬町
埼 玉 県 熊谷市
千 葉 県 香取郡   多古町
東 京 都 八王子市
神奈川県 平塚市
新 潟 県 新潟市
富 山 県 下新川郡  入善町
石 川 県 能美市
福 井 県 南条郡   南越前町
山 梨 県 南アルプス市
長 野 県 松本市
岐 阜 県 大垣市
静 岡 県 袋井市
愛 知 県 安城市
三 重 県 伊賀市
滋 賀 県 東近江市
京 都 府 南丹市
大 阪 府 貝塚市
兵 庫 県 小野市
奈 良 県 磯城郡   田原本町
和歌山県 伊都郡   高野口町
鳥 取 県 鳥取市
島 根 県 松江市
岡 山 県 加賀郡   吉備中央町
広 島 県 安芸高田市
山 口 県 阿武郡   阿東町
徳 島 県 那賀郡   羽ノ浦町
香 川 県 三豊市
愛 媛 県 伊予市
高 知 県 高岡郡   窪川町
福 岡 県 甘木市
佐 賀 県 小城市
長 崎 県 佐世保市
熊 本 県 上益城郡  益城町
大 分 県 宇佐市
宮 崎 県 都城市
鹿児島県 川辺郡   川辺町
沖 縄 県 名護市


(畑)
都道府県名 市 町 村 名
北 海 道 河東郡   音更町
青 森 県 青森市
岩 手 県 北上市
宮 城 県 古川市
秋 田 県 横手市
山 形 県 米沢市
福 島 県 西白河郡  矢吹町
茨 城 県 桜川市
栃 木 県 下都賀郡  石橋町
群 馬 県 群馬郡   群馬町
埼 玉 県 深谷市
千 葉 県 茂原市
東 京 都 武蔵村山市
神奈川県 海老名市
新 潟 県 新潟市
富 山 県 富山市
石 川 県 加賀市
福 井 県 大野市
山 梨 県 甲州市
長 野 県 塩尻市
岐 阜 県 不破郡   垂井町
静 岡 県 掛川市
愛 知 県 西尾市
三 重 県 亀山市
滋 賀 県 野洲市
京 都 府 相楽郡   山城町
大 阪 府 岸和田市
兵 庫 県 豊岡市
奈 良 県 宇陀市
和歌山県 伊都郡   かつらぎ町
鳥 取 県 東伯郡   北栄町
島 根 県 雲南市
岡 山 県 加賀郡   吉備中央町
広 島 県 尾道市
山 口 県 美祢郡   美東町
徳 島 県 吉野川市
香 川 県 三豊市
愛 媛 県 西条市
高 知 県 高岡郡   窪川町
福 岡 県 甘木市
佐 賀 県 伊万里市
長 崎 県 雲仙市
熊 本 県 菊池郡   菊陽町
大 分 県 豊後大野市
宮 崎 県 東諸県郡  国富町
鹿児島県 川辺郡   知覧町
沖 縄 県 中頭郡   中城村


別表第3 画地計算法
1 画地計算法
 各筆の宅地の評点数は、各筆の宅地の立地条件に基づき、路線価を基礎とし、次に掲げる画地計算法を適用して求めた評点数によつて付設するものとする。
(1) 奥行価格補正割合法 (2) 側方路線影響加算法
(3) 二方路線影響加算法 (4) 不整形地、無道路地、間口が狭小な宅地等評点算出法
2 画地の認定
 各筆の宅地の評点数は、一画地の宅地ごとに画地計算法を適用して求めるものとする。この場合において、一画地は、原則として、土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された一筆の宅地によるものとする。ただし、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする。
3 奥行価格補正割合法
 宅地の価額は、道路からの奥行が長くなるにしたがつて、又、奥行が著しく短くなるにしたがつて漸減するものであるので、その一方においてのみ路線に接する画地については、路線価に当該画地の奥行距離に応じ「奥行価格補正率表」(附表1)によつて求めた当該画地の奥行価格補正率を乗じて単位地積当たり評点数を求め、これに当該画地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。ただし、平成18年度から平成20年度までの各年度における評価に限り、附表1を適用することが適当でないと市町村長が判断した場合には、附表8に定める「奥行価格補正率表」によつて求めることができるものとする。
   例題1 普通商業地区における路線価 1,000点の場合の計算例


4 側方路線影響加算法
 正面と側方に路線がある画地(以下「角地」という。)の価額は、側方路線(路線価の低い方の路線をいう。以下同様とする。)の影響により、正面路線(路線価の高い方の路線をいう。以下同様とする。)のみに接する画地の価額よりも高くなるものであるので、角地については、当該角地の正面路線から計算した単位地積当たり評点数に、側方路線影響加算率によつて補正する単位地積当たり評点数を加算して単位地積当たり評点数を求め、これに当該画地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。この場合において、加算すべき単位地積当たり評点数は、側方路線を正面路線とみなして計算した単位地積当たり評点数を「側方路線影響加算率表」(附表2)によつて求めた側方路線影響加算率によつて補正する評点数によるものとする。
   例題2 普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点の場合の計算例


   例題3 普通商業地区における正面路線価 500点、側方路線価 400点の準角地(一系統の路線の屈折部の内側に位置する例題図のような画地をいうものとする。)の計算例


5 二方路線影響加算法
 正面と裏面に路線がある画地(以下「二方路線地」という。)の価額は、裏路線(路線価の低い方の路線をいう。以下同様とする。)の影響により、正面路線のみに接する画地の価額よりも高くなるものであるので、二方路線地については、正面路線から計算した単位地積当たり評点数に二方路線影響加算率によつて補正する単位地積当たり評点数を加算して単位地積当たり評点数を求め、これに当該画地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。この場合において、加算すべき単位地積当たり評点数は、裏路線を正面路線とみなして計算した単位地積当たり評点数を「二方路線影響加算率表」(附表3)によつて求めた二方路線影響加算率によつて補正する評点数によるものとする。
 例題4 普通商業地区における正面路線価 1,000点、裏路線価 900点の場合の計算例


6 三方又は四方において路線に接する画地の評点算出法
 三方又は四方において路線に接する画地は、側方路線影響加算法及び二方路線影響加算法を併用して当該画地の単位地積当たり評点数を求め、これに当該画地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。
 例題5 普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点、裏路線価 800点の場合の計算例



 例題6 普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点及び 800点の場合の計算例



 例題7 普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点及び 800点、裏路線価850点の場合の計算例



7 不整形地、無道路地、間口が狭小な宅地等評点算出法
 不整形地(三画地及び逆三角地を含む。以下同様とする。)、無道路地(路線に接しない画地をいう。以下同様とする。)、間口が狭小な宅地等については、その形状等に応じ、次によつて評点数を求めるものとする。
(1) 不整形地の評点算出法
@  不整形地の価額については、整形地に比して一般に低くなるものであるので、奥行価格補正割合法等によつて計算した単位当たり評点数に「不整形地補正率表」(附表4)によつて求めた不整形地補正率を乗じて当該不整形地の単位地積当たり評点数を求めるものとする。
 この場合において、当該画地が「間口狭小補正率表」(附表5)、「奥行長大補正率表」(附表6)の適用があるときは、間口狭小補正率、奥行長大補正率、両補正率を乗じた結果の率、間口狭小補正率と不整形地補正率を乗じた結果の率及び不整形地補正率のうち、補正率の小なる率(下限0.60)を乗じて評点数を求めるものとする。
A  なお、奥行価格補正割合法の適用に当たつては、その画地の不整形の程度、位置及び地積の大小に応じ、次のいずれかの方法によつて求めることとする。
 次の図の例のように、不整形地を区分して整形地が得られるときは、その区分して得られた整形地について評点数を求める。



 次の図のような不整形地については、不整形地の地積をその間口距離で除して得た計算上の奥行距離を基礎として評点数を求める。



 次のような不整形地については、これに近似する整形地について評点数を求める。



例題8  普通商業地区における路線価 1,000点の場合の計算例



例題9 普通商業地区における路線価 1,000点の場合の計算例



例題10  普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点の場合の計算例



例題11 普通商業地区における正面路線価 1,000点、側方路線価 900点の場合の計算例



(2) 無道路地の評点算出法
 原則として、当該無道路地を利用する場合において、その利用上最も合理的であると認められる路線の路線価に奥行価格補正率表(附表1又は奥行価格補正率表の経過措置関係を適用している地域にあつては附表8)によつて求めた補正率、通路開設補正率表(附表9)によつて求めた補正率及びその無道路地の近傍の宅地との均衡を考慮して定める無道路地補正率(下限0.60)を乗じて1平方メートル当たりの評点数を求め、これに当該無道路地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。
※ 奥行価格補正率及び通路開設補正率の適用に当たつての奥行のとり方は下図によるものとする。
(3) 間口が狭小な宅地等の評点算出法
 間口が狭小な画地又は奥行が長大な画地(不整形地及び無道路地は除く。)については、それぞれ「間口狭小補正率表」(附表5)又は「奥行長大補正率表」(附表6)によつて求めた補正率によつて、その評点数を補正するものとする。この場合において、画地の地積が大きい場合等にあつては近傍の宅地の価格との均衡を考慮し、それぞれの補正率表に定める補正率を修正して適用するものとする。
 がけ地等で、通常の用途に供することができないものと認定される部分を有する画地については、当該画地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができない部分の割合によつて、「がけ地補正率表」(附表7)を適用して求めた補正率によつて、その評点数を補正するものとする。


附表1 奥行価格補正率表
地区区分
奥行距離(メートル)
高度商業地区 繁華街地区 普通商業地区

併用住宅地区
普通住宅地区

家内工業地区
中小工場地区 大工場地区
T U
       4未満 0.90 0.90 0.90 0.90 0.90 0.85 -
  4以上  6未満 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92
  6以上  8未満 0.93 0.94 0.95 0.95 0.95 0.93
  8以上  10未満 0.94 0.96 0.97 0.97 0.97 0.95
  10以上  12未満 0.95 0.98 0.99 0.99 1.00 0.96
  12以上  14未満 0.96 0.99 1.00 1.00 0.97
  14以上  16未満 0.97 1.00 0.98
  16以上  20未満 0.98 0.99
  20以上  24未満 0.99 1.00 1.00
  24以上  28未満 1.00 0.99
  28以上  32未満 0.98 0.98
  32以上  36未満 0.96 0.98 0.96
  36以上  40未満 0.98 0.94 0.96 0.94
  40以上  44未満 0.96 0.92 0.94 0.92
  44以上  48未満 0.94 0.90 0.92 0.91
  48以上  52未満 0.92 0.88 0.90 0.90
  52以上  56未満 0.90 0.87 0.88 0.88
  56以上  60未満 0.88 0.86 0.87 0.87
  60以上  64未満 0.98 0.87 0.85 0.86 0.86
  64以上  68未満 0.96 0.86 0.84 0.85 0.85
  68以上  72未満 0.94 0.85 0.83 0.84 0.84
  72以上  76未満 0.92 0.84 0.82 0.83 0.83 0.96
  76以上  80未満 0.90 0.83 0.81 0.82
  80以上  84未満 0.89 0.80 0.81 0.82 0.93
  84以上  88未満 0.88 0.82 0.80
  88以上  92未満 0.87 0.81 0.90
  92以上  96未満 0.86 0.81
  96以上 100未満
100以上
0.85 0.80 0.80


附表2 側方路線影響加算率表
地 区 区 分 加   算   率
角地の場合 準角地の場合
高度商業地区(T、U)
繁華街地区
0.10 0.05
普通商業地区
併用住宅地区
0.08 0.04
普通住宅地区
家内工業地区
中小工場地区
0.05 0.02
大工場地区 0.02 0.01



附表3 二方路線影響加算率表
地 区 区 分 加 算 率
高度商業地区(T、U)
繁華街地区
0.07
普通商業地区
併用住宅地区
0.05
普通住宅地区
家内工業地区
中小工場地区
0.03
大工場地区 0.02



附表4 不整形地補正率表
地区区分
蔭地割合
高度商業地区(T、U)、
繁華街地区、普通商業地区、
併用住宅地区、中小工場地区
普通住宅地区

家内工業地区
10%未満 1.00 1.00
10%以上20%未満 0.98 0.96
20%以上30%未満 0.96 0.92
30%以上40%未満 0.92 0.88
40%以上50%未満 0.87 0.82
50%以上60%未満 0.80 0.72
60%以上 0.70 0.60


(注1)  蔭地割合の求め方は、評価対象画地を囲む、正面路線に面する矩形又は正方形の土地(以下「想定整形地」という。)の地積を算出し、次の算式により「蔭地割合」を算出する。
(注2)  不整形地補正率表を運用するに当たつて、画地の地積が大きい場合等にあつては、近傍の宅地の価額との均衡を考慮し、不整形地補正率を修正して適用するものとする。
(注3)  蔭地割合方式によらない場合の不整形地補正率の適用に当たつては、当該画地が所在する用途地区の標準的な画地の形状・規模からみて、不整形度(「普通」から「極端に不整形」まで)を判断して、次の表により、不整形地補正率を定めることができるものとする。
地区区分
不整形度
高度商業地区(T、U)、
繁華街地区、普通商業地区、
併用住宅地区、中小工場地区
普通住宅地区

家内工業地区
普     通 1.00 1.00
やや不整形 0.95 0.90
不  整  形 0.85 0.80
相当に不整形 0.80 0.70
極端に不整形 0.70 0.60


附表5 間口狭小補正率表
地区区分
間口距離(メートル)
高度商業地区T 高度商業地区U 繁華街地区 普通商業地区
併用住宅地区
普通住宅地区
家内工業地区
中小工場地区
大工場地区
4未満 0.80 0.85 0.90 0.90 0.90 0.80
4以上  6未満 0.85 0.94 1.00 0.97 0.94 0.85
6以上  8未満 0.90 0.97 1.00 0.97 0.90
8以上  10未満 0.95 1.00 1.00 0.95
10以上  16未満 0.97 1.00
16以上  24未満 0.99
24以上
1.00


附表6 奥行長大補正率表
地区区分
奥行距離
間口距離
高度商業地区T 高度商業地区U
繁華街地区
普通商業地区
併用住宅地区
普通住宅地区
家内工業地区
中小工場地区 大工場地区
2未満 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00
2以上  3未満 0.98
3以上  4未満 0.99 0.96 0.99
4以上  5未満 0.98 0.94 0.98
5以上  6未満 0.96 0.92 0.96
6以上  7未満 0.94 0.90 0.94
7以上  8未満 0.92 0.92
8以上
0.90 0.90


附表7 がけ地補正率表
がけ地地積
総 地 積
0.10以上
0.20未満
0.20以上
0.30未満
0.30以上
0.40未満
0.40以上
0.50未満
0.50以上
0.60未満
0.60以上
0.70未満
0.70以上
0.80未満
0.80以上
0.90未満
0.90以上
補 正 率 0.95 0.90 0.85 0.80 0.75 0.70 0.65 0.60 0.55


附表8 奥行価格補正率表(平成18年度から平成20年度までの経過措置関係)
地 区 区 分

奥行距離(メートル)
高度商業地区 繁華街地区 普通商業地区

併用住宅地区
普通住宅地区

家内工業地区
中小工場地区 大工場地区
T U
4未満 0.90 0.90 0.90 0.90 0.90 0.85
4以上  6未満 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92
6以上  8未満 0.93 0.94 0.95 0.95 0.95 0.93
8以上  10未満 0.94 0.96 0.97 0.97 0.97 0.95
10以上  12未満 0.95 0.98 0.99 0.99 1.00 0.96
12以上  14未満 0.96 0.99 1.00 1.00 0.97
14以上  16未満 0.97 1.00 0.98
16以上  20未満 0.98 0.99
20以上  24未満 0.99 1.00 1.00
24以上  28未満 1.00 0.99
28以上  32未満 0.99 0.99 0.97 0.98
32以上  36未満 0.95 0.98 0.96
36以上  40未満 0.98 0.97 0.93 0.96 0.94
40以上  44未満 0.94 0.91 0.93 0.92
44以上  48未満 0.92 0.89 0.91 0.91
48以上  52未満 0.97 0.90 0.87 0.89 0.90
52以上  56未満 0.88 0.86 0.87 0.88
56以上  60未満 0.86 0.85 0.86 0.87
60以上  64未満 0.95 0.85 0.84 0.85 0.86
64以上  68未満 0.93 0.84 0.82 0.84 0.85
68以上  72未満 0.91 0.83 0.81 0.83 0.84
72以上  76未満 0.89 0.82 0.80 0.82 0.83 0.96
76以上  80未満 0.87 0.81 0.79 0.81
80以上  84未満 0.86 0.78 0.80 0.82 0.93
84以上  88未満 0.85 0.80 0.79
88以上  92未満 0.84 0.81 0.90
92以上  96未満 0.83 0.79
96以上 100未満
100以上
0.82 0.78 0.80



附表9 通路開設補正率表
奥 行
(近い奥行)
10m以下 10m超
20m以下
20m超
30m以下
30m超
補正率 0.9 0.8 0.7 0.6

別表第4 宅地の比準表
 各筆の宅地の比準割合は、次の算式によつて求めるものとする。この場合において、各筆の宅地の「奥行による比準割合」の数値は、該当する「状況類似地区の状況」ごとの「標準宅地の状況」欄に対応する「比準宅地の状況」欄の数値によるものとする。
〔算 式〕
 比準割合=奥行による比準割合×形状等による比準割合×その他の比準割合
 各筆の宅地の比準割合は、一画地の宅地ごとに、附表1を適用して求めるものとする。この場合において、一画地は、原則として、土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された一筆の宅地によるものとする。ただし、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする。
 平成18年度から平成20年度までの各年度における評価に限り、附表1を適用することが適当でないと市町村長が判断した場合には、附表2によつて求めることができるものとする。


附表1
項 目 状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 28 メートル以内のの場合 奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 奥行が 48 メートルをこえ 64 メートル以内の場合 奥行が 64 メートルをこえる場合
奥 行 に よ る 比 準 割 合 商店が相当連たんしているとき 奥行が 28 メートル以内の場合 1.00 0.95 0.90 0.85 0.80
奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 1.05 1.00 0.95 0.89 0.84
奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 1.11 1.06 1.00 0.94 0.89
奥行が 48 メートルをこえ 64 メートル以内の場合 1.18 1.12 1.06 1.00 0.94
奥行が 64 メートルをこえる場合 1.25 1.19 1.13 1.06 1.00
状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 28 メートル以内のの場合 奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 奥行が 48 メートルをこえる場合  
専用住宅が相当連たんしているとき 奥行が 28 メートル以内の場合 1.00 0.95 0.90 0.85
奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 1.05 1.00 0.95 0.89
奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 1.11 1.06 1.00 0.94
奥行が 48 メートルをこえる場合 1.18 1.12 1.06 1.00
状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえる場合  
家屋の連たん度が低いとき 奥行が 36 メートル以内の場合 1.00 0.95
奥行が 36 メートルをこえる場合 1.05 1.00
形状等による比準割合
 標準宅地と比準宅地の形状等の相違に応じ、次に掲げる率の範囲内において適宜その加減すべき率を求め、これを1.00に加減して求めるものとする。この場合において、例えば、標準宅地が整形地で比準宅地が不整形地である場合等においては、次に掲げる率を1.00より減じ、標準宅地が不整形地で比準宅地が整形地である場合等においては、次に掲げる率を1.00に加えるものとする。
(1) 不整形地にあつては 0.40
(2) 奥行距離の間口距離に対する割合が4以上の場合にあつては 0.10
(3) 間口距離が8メートル未満の場合にあつては 0.10
その他の比準割合
比準宅地又は標準宅地が角地、二方路線地等である場合、その沿接する道路の状況が相違する場合等で必要があるときは、その相違を考慮し、実情に応じ適宜比準割合を求めるものとする。


附表2(平成18年度から平成20年度までの経過措置関係)
項 目 状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 28 メートル以内のの場合 奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 奥行が 48 メートルをこえ 64 メートル以内の場合 奥行が 64 メートルをこえる場合
奥 行 に よ る 比 準 割 合 商店が相当連たんしているとき 奥行が 28 メートル以内の場合 1.00 0.94 0.89 0.84 0.79
奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 1.05 1.00 0.95 0.89 0.84
奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 1.11 1.06 1.00 0.94 0.89
奥行が 48 メートルをこえ 64 メートル以内の場合 1.18 1.12 1.06 1.00 0.94
奥行が 64 メートルをこえる場合 1.25 1.19 1.13 1.06 1.00
状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 28 メートル以内のの場合 奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 奥行が 48 メートルをこえる場合  
専用住宅が相当連たんしているとき 奥行が 28 メートル以内の場合 1.00 0.95 0.90 0.85
奥行が 28 メートルをこえ 36 メートル以内の場合 1.05 1.00 0.95 0.89
奥行が 36 メートルをこえ 48 メートル以内の場合 1.11 1.06 1.00 0.94
奥行が 48 メートルをこえる場合 1.18 1.12 1.06 1.00
状況類似地区の状況
比準宅地の状況

標準宅地の状況
奥行が 36 メートル以内の場合 奥行が 36 メートルをこえる場合  
家屋の連たん度が低いとき 奥行が 36 メートル以内の場合 1.00 0.95
奥行が 36 メートルをこえる場合 1.05 1.00
形状等による比準割合
 標準宅地と比準宅地の形状等の相違に応じ、次に掲げる率の範囲内において適宜その加減すべき率を求め、これを1.00に加減して求めるものとする。この場合において、例えば、標準宅地が整形地で比準宅地が不整形地である場合等においては、次に掲げる率を1.00より減じ、標準宅地が不整形地で比準宅地が整形地である場合等においては、次に掲げる率を1.00に加えるものとする。
(1) 不整形地にあつては 0.40
(2) 奥行距離の間口距離に対する割合が4以上の場合にあつては 0.10
(3) 間口距離が8メートル未満の場合にあつては 0.10
その他の比準割合
比準宅地又は標準宅地が角地、二方路線地等である場合、その沿接する道路の状況が相違する場合等で必要があるときは、その相違を考慮し、実情に応じ適宜比準割合を求めるものとする。


別表第5        削 除
別表第6及び附表  削 除

別表第7の1 山林の比準表
 各筆の山林の比準割合は、次の算式によつて求めるものとする。この場合において、岩石地、崩壊地等を含む山林については、その実情に応じ、当該比準割合を補正するものとする。
〔算 式〕
比準割合= (「比準山林の中央部とその搬出地点との標高差」−「標準山林の中央部とその搬出地点との標高差」に応ずる比準割合)±比準山林と標準山林の搬出道路の距離の相違による補正
「比準山林の中央部とその搬出地点との標高差」−「標準山林の中央部とその搬出地点との標高差」
(メートル)



50
未満
50
以上

100
未満
100
以上

150
未満
150
以上

200
未満
200
以上

250
未満
250
以上

300
未満
300
以上

350
未満
350
以上

400
未満
400
以上

450
未満
450
以上

500
未満
500
以上

550
未満
550
以上

600
未満
600
以上

650
未満
650
以上

700
未満
700
以上

750
未満
750
以上

800
未満
800
以上



(備考)
 搬出地点は、林産物が通常搬出される支線道路(支線道路がなく直接幹線道路に搬出されるときは幹線道路)の地点によるものとする。
比準割合 1.00 0.95 0.90 0.85 0.80 0.75 0.70 0.65 0.60 0.55 0.50 0.45 0.40 0.35 0.30 0.25 0.20
「比準山林の中央部とその搬出地点との標高差」−「標準山林の中央部とその搬出地点との標高差」
(メートル)



-50
未満
-50
以上

-100
未満
-100
以上

-150
未満
-150
以上

-200
未満
-200
以上

-250
未満
-250
以上

-300
未満
-300
以上

-350
未満
-350
以上

-400
未満
-400
以上

-450
未満
-450
以上

-500
未満
-500
以上

-550
未満
-550
以上

-600
未満
-600
以上

-650
未満
-650
以上

-700
未満
-700
以上

-750
未満
-750
以上

-800
未満
-800
以上



比準割合 1.00 1.05 1.11 1.18 1.25 1.33 1.43 1.54 1.67 1.82 2.00 2.22 2.50 2.86 3.33 4.00 5.00
比準山林と標準山林の搬出道路の距離の相違による補正
(1)  比準山林の支線道路(幹線道路以外の道路で牛馬車又はそりの通行できる道路並びに管流路をいう。)の距離が、標準山林の支線道路の路線より
長い場合は、距離の差が1キロメートルをこえるごとに0.02を減じ
短かい場合は、距離の差が1キロメートルをこえるごとに0.02を加える。
(2)  比準山林の幹線道路(幅員 2.5メートル以上の自動車道、森林鉄道、固定施設としての軌道及び筏流路をいう。)の距離が標準山林の幹線道路の距離より
長い場合は、距離の差が4キロメートルをこえるごとに0.02を減じ
短かい場合は、距離の差が4キロメートルをこえるごとに0.02を加える。
(備考)
  支線道路の距離は、当該山林の搬出地点から幹線道路(幹線道路がないときは、林産物の主要集荷地)までの距離によるものとする。
 幹線道路の距離は、当該山林の林産物が通常搬出される幹線道路の地点から林産物の主要集荷地までの距離によるものとする。



別表第7の2 山林の指定市町村表
都道府県名 市 町 村 名
北 海 道 北見市
青 森 県 十和田市
岩 手 県 花巻市
宮 城 県 登米市
秋 田 県 由利本荘市
山 形 県 最上郡   金山町
福 島 県 東白川郡  棚倉町
茨 城 県 常陸大宮市
栃 木 県 大田原市
群 馬 県 吾妻郡   中之条町
埼 玉 県 秩父市
千 葉 県 夷隅郡   大多喜町
東 京 都 西多摩郡  奥多摩町
神奈川県 津久井郡  相模湖町
新 潟 県 岩船郡   山北町
富 山 県 氷見市
石 川 県 鹿島郡   中能登町
福 井 県 足羽郡   美山町
山 梨 県 南巨摩郡 南部町
長 野 県 中野市
岐 阜 県 下呂市
静 岡 県 浜松市
愛 知 県 豊田市
三 重 県 熊野市
滋 賀 県 甲賀市
京 都 府 船井郡   京丹波町
大 阪 府 河内長野市
兵 庫 県 佐用郡   佐用町
奈 良 県 吉野郡   川上村
和歌山県 有田郡   有田川町
鳥 取 県 八頭郡   八頭町
島 根 県 安来市
岡 山 県 苫田郡   鏡野町
広 島 県 廿日市市
山 口 県 山口市
徳 島 県 那賀郡   那賀町
香 川 県 仲多度郡  仲南町
愛 媛 県 西条市
高 知 県 吾川郡   仁淀川町
福 岡 県 八女郡   矢部村
佐 賀 県 嬉野市
長 崎 県 大村市
熊 本 県 菊池市
大 分 県 中津市
宮 崎 県 南那珂郡  北郷町
鹿児島県 姶良郡   姶良町
沖 縄 県 国頭郡   国頭村


別表第7の3 大規模工場用地規模格差補正率表
比準宅地の面積
(平方メートル)


標準宅地の面積
(平方メートル)
20万


20万超

25万以下
25万超

30万以下
30万超

40万以下
40万超

50万以下
50万超

60万以下
60万超

70万以下
70万超

80万以下
80万超

90万以下
90万超

100万以下
100万超

120万以下
120万超

140万以下
140万超

160万以下
160万超

180万以下
180万超

200万以下
200万超


20万 1.00 0.98 0.96 0.94 0.92 0.90 0.89 0.88 0.87 0.86 0.85 0.84 0.83 0.82 0.81 0.80
20万超
25万以下
1.02 1.00 0.98 0.96 0.94 0.92 0.91 0.90 0.89 0.88 0.87 0.86 0.85 0.84 0.83 0.82
25万超
30万以下
1.04 1.02 1.00 0.98 0.96 0.94 0.93 0.92 0.91 0.90 0.89 0.87 0.86 0.85 0.84 0.83
30万超
40万以下
1.06 1.04 1.02 1.00 0.98 0.96 0.95 0.94 0.93 0.91 0.90 0.89 0.88 0.87 0.86 0.85
40万超
50万以下
1.09 1.07 1.04 1.02 1.00 0.98 0.97 0.96 0.95 0.93 0.92 0.91 0.90 0.89 0.88 0.87
50万超
60万以下
1.11 1.09 1.07 1.04 1.02 1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.94 0.93 0.92 0.91 0.90 0.89
60万超
70万以下
1.12 1.10 1.08 1.06 1.03 1.01 1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.94 0.93 0.92 0.91 0.90
70万超
80万以下
1.14 1.11 1.09 1.07 1.05 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.97 0.95 0.94 0.93 0.92 0.91
80万超
90万以下
1.15 1.13 1.10 1.08 1.06 1.03 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.97 0.95 0.94 0.93 0.92
90万超
100万以下
1.16 1.14 1.12 1.09 1.07 1.05 1.03 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.97 0.95 0.94 0.93
100万超
120万以下
1.18 1.15 1.13 1.11 1.08 1.06 1.05 1.04 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.96 0.95 0.94
120万超
140万以下
1.19 1.17 1.14 1.12 1.10 1.07 1.06 1.05 1.04 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.96 0.95
140万超
160万以下
1.20 1.18 1.16 1.13 1.11 1.08 1.07 1.06 1.05 1.04 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98 0.96
160万超
180万以下
1.22 1.20 1.17 1.15 1.12 1.10 1.09 1.07 1.06 1.05 1.04 1.02 1.01 1.00 0.99 0.98
180万超
200万以下
1.23 1.21 1.19 1.16 1.14 1.11 1.10 1.09 1.07 1.06 1.05 1.04 1.02 1.01 1.00 0.99
200万超 1.25 1.23 1.20 1.18 1.15 1.13 1.11 1.10 1.09 1.08 1.06 1.05 1.04 1.03 1.01 1.00
家屋篇

第1節 通則
一 家屋の評価
 家屋の評価は、木造家屋及び木造家屋以外の家屋(以下「非木造家屋」という。)の区分に従い、各個の家屋について評点数を付設し、当該評点数に評点一点当たりの価額を乗じて各個の家屋の価額を求める方法によるものとする。
(第2章第1節一)

【趣 旨】
固定資産評価基準における家屋の評価方法の基本原則として、
@ 木造、非木造家屋の別に評価額を算出すること。
A 再建築価格方式を採用していること。
B 評点式評価法を採用していることが掲げられている

【解 説】
1 家屋の価額(評価額)は、次の算式によって算出される。
評価額の算出方法
評価額 = 評点数 × 評点一点当たりの価額

2 主要構造部の資材による区別
 第一の原則は、木造家屋と非木造家屋といった家屋の主要構造部の使用資材の別によって再建築費評点数が付設されることにある。
 第2節以降において詳述されるように、上記の算式により再建築費評点数を算出するには、木造・非木造家屋の別に評点基準表という一種の点数表を適用することになる。このため、評価の第一段階としては、まず、評価対象家屋が木造家屋か、あるいは非木造家屋に該当するのかを判別することが必要になる。
 木造という構法は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など、家屋の主要構造材の一つに過ぎないが、わが国では木材が最も主要な構造材であり、そのため家屋の大半が木造家屋であることから、これを区分して木造家屋と非木造家屋としている。また、木造家屋と非木造家屋とは、家屋を構成する部分別の造り方も大きく2分できるということにも起因する。
 なお、非木造家屋では、複合構造といって、一種類の構造材だけではなく、鉄筋コンクリートと鉄骨あるいはコンクリートブロック等といった複数の資材によって主要構造部を構築する場合があるが、木造家屋と比較して、各部分別の施工法に共通するものが多いことから、これら木造家屋以外の家屋全般を評価できるように、構造(用途)別に一の非木造家屋再建築費評点基準表により評価できるものとしている。
 なお、一階部分を鉄骨造として二階部分に木造家屋を建築するなど、木造と非木造との複合構造も稀に見られるが、これを区分して木造・非木造家屋それぞれの再建築費評点基準表を適用して評価しているのは、この原則を根拠とするものである。

3 再建築価格方式
 第二の原則は、固定資産税における家屋の評価は、再建築価格を基準として評価する方法が採用されていることにある。
 この再建築価格方式は、現行評価基準が制定される前段階に、総理大臣の諮問機関である固定資産評価制度調査会(昭和34年〜昭和36年)の審議の結果、家屋の評価方法として最も適当であると答申された手法である。そして、今日に到るまで再建築価格方式の妥当性は判例等でも認められている。
 再建築価格(再建築価額又は再建築費ともいう。)とは、評価の対象となった家屋と同一のものを、評価の時点においてその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費をいう。
 この場合の「同一のもの」とは、伝統的建物の復元のように構法、施工法、使用資材等の全てが完全に同一のものをいうものではなく、評価時点において家屋の構造、規模、形態、機能等が同一であり、当該家屋を構成している資材とその量がほぼ同様であるものをいい、一般的な構法等の中から当該家屋と同様のものを当てはめることにある。
 これは、建築分野においては、建築技術の革新、社会的・経済的状況の変化により家屋の構法、施工法、使用資材等も常に変化するため、新築当時一般的であった資材が、現在では入手しにくい又生産されなくなり市場になくなっていたり、特殊な技法を要するため職人がいなくなっている場合があり、復元のような考え方では、必ずしも現在の財産価値に見合う適正な評価ができなくなるためである。

4 評点式評価法
 第三の原則は、固定資産評価基準における家屋の評価方法は、家屋の価値(評価額)をいきなり求めようとするのではなく、直接的には評価額に結びついていない評点数といったもので、いったん家屋の全ての部分を表し、これに評点一点当たりの価額を乗じて評価額を算出することにある。
 これは、各個の家屋について、いったん評点数による評価方法が採られることによって、各個の又各市町村の物価水準の如何にかかわらず、全国の市町村が全く同一の基準によって、同一の方法により、かつ、同一の評価水準により家屋の財産価値を評定することが可能になることを意図して採用されていることによる。このような評価方法を「評点式評価法」と呼ぶものである。

【コラム】
 固定資産税の課税標準である「価格」の定義については、地方税法では「適正な時価」と規定されている(第341条第5号)だけである。
 そのため、法令の規定を遵守し、評価基準に基づき適切に評価を行っても、なお、適否について裁判等で争われることが多くなってきている。
 しかし、最高裁の判例では、「特別な事情」がない限りは、評価基準に基づいて算定される家屋の評価額は「適正な時価」であると推認できると判示され、評価基準に基づく評価には一般的な合理性があると認められている。
 また、評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができないと主張する場合にあっては、その証拠として鑑定評価を提示するだけでは足りず、納税者側に対して、この評価基準によることができない「特別の事情について他に首肯するに足りる認定説示をする」必要があるとしていることから、評価基準には「適正な時価」を導くある種の規範性があることも認められたと考えられる。
 ただし、この「特別な事情」についての具体的例示がないため、どのような場合に評価基準が定める評価の方法では適切でないのか、また、その場合にどのような基準に基づいて評価額を算出すべきなのかは、必ずしも明らかでなく、今後の判例等の動向を注視する以外にない。
備考
家屋評価に係る最高裁判決(北海道伊達市固定資産評価審査委員会審査決定取消訴訟)
第一審(札幌地裁)の【解 説】(H10.11.17 札地判H9(行ク)26号)
最高裁判決の【解 説】(H15.7.18最判H11(行ヒ)182号)


二 評点数の付設
 各個の家屋の評点数は、当該家屋の再建築費評点数を基礎とし、これに家屋の損耗の状況による減点を行って付設するものとする。この場合において、家屋の状況に応じ必要があるものについては、さらに家屋の需給事情による減点を行うものとする。
(第2章第1節二)

【趣 旨】
 評点数の算出は、当該家屋の賦課期日現在の状況に応じた適正な時価を求めるため、「再建築価格方式」によって、評価対象家屋と同一のものを新築するとした場合の再建築費評点数(建築費)を算出し、これにその家屋の損耗の状況を考慮した減価を行うことで評価額を求める方法による。
 この場合、必要に応じて需給事情による減価を行うこともできる。

【解 説】
具体的には、次の算式によって評点数は算出される。
評点数の算出方法
 
評点数 = 再建築費評点数 × 損耗の状況による減点補正率 × 需給事情による減点補正率

2 再建築費評点数
 再建築費評点数とは、評価対象家屋とまったく同一のものを、評価時点にお いてその場所に新築するものとした場合の、その新築に要する建築費に相当するものを評点数によって表したものであって、家屋評価の基礎となるものである。
 評価基準においては、木造・非木造家屋の別に評価されることから、木造家屋再建築費評点基準表又は非木造家屋再建築費評点基準表によって算出することになる。
 再建築費評点数は、当該家屋の資材費、労務費及び諸経費のうち直接その家屋の建築に必要とされる費用等、いわゆる工事原価に相当する費用を基礎とし、その費用の1円を1点として表している。
 それぞれの家屋の価額は、この再建築費評点数を基礎とし、これに建築後の経過年数等によって生じた損耗の状況に応ずる減点を考慮し、さらに必要と認める場合にあっては、家屋の需給事情による減点を考慮して家屋の評点数を求め、この評点数に評点一点当たりの価額を乗じて求めることになる。

3 損耗の状況による減点補正率
 家屋の価値(適正な時価)は、新築時点における価値と評価時点での価値では、一般的にその価値に差が生じる。この価値の差は通常、新築時点が上限値で、その後は減少していくため、一般的には減価要因のみを修正する方式が採用される。
 減価要因には「経過年数による減価方式」と「損耗観察による減価方式」の二種があることが知られている。
 そのうち、評価基準では、原則として経過年数による減価方式が採用され、主に経過年数と耐用年数を要素として構成された「経年減点補正率基準表」に定められた「経過年数に応ずる減点補正率」を適用することとしている。
 なお、減価要因は通常、物理的・機能的・経済的・社会的要因の四つの要因に大別されるが、評価基準上の「経過年数に応ずる減点補正率」には、経過年数による物理的減価のほか社会的、経済的陳腐化等による減価も考慮されている。
 ただし、家屋の損耗が、単なる時の経過によって発生したのではなく、一時突発的な天災、火災などの事由によって、はなはだしい損耗が生じた場合には、損耗観察による減価方式によって減価を考慮することとされており、この場合には、評価時点における建物の損耗状態を調査し、その損耗による減価分を考慮する。
  この減価分の算定では、損耗の状況を建築当初の状態に修復するものとした場合に要する費用を基礎とするのではなく、通常の維持管理状態にある家屋の程度に修復するものとした場合に要する費用を基礎とし、損耗減点補正率(残価率×経年原点補正率)によって求めることから、物理的減価のみならず当該家屋の損耗の実態に応じて経年減点補正率の基礎に算入されている社会的、経済的陳腐化等による家屋の減価についても考慮されるものである。

4 需給事情による減点補正
 上記の方法による評価でも、極めて例外的に、家屋の持つ性格(特定の土地に定着し、個別性が強く代替性に乏しいこと)から生ずる市場価格の相違(すなわち、家屋の所在地域の状況による価格変動等)を評価上考慮しなければならない場合がある。
 このような減価要因を反映した適正な時価を求めるため、評価基準において は「需給事情による減点補正率」が設けられている。
 しかし、需給事情による減点補正率は、個々の納税者の事情等に対応して適用されるべきものではなく、家屋の価額が再建築価格に基づいて評価されることから考えれば、多数の納税者にとって理解と納得が得られるような事情、すなわち、特にその必要が認められるような事情のある家屋及び地域の家屋に限定して適用しなければならないものである。



三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定
1 評点一点当たりの価額の決定
 評点一点当たりの価額は、木造家屋又は非木造家屋の提示平均価額に木造家屋又は非木造家屋の総床面積を乗じ、これをその付設総評点数(第2節又は第3節によって付設した各個の木造家屋又は非木造家屋の評点数を合計した総評点数をいう。)で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものとする。この場合において、提示平均価額は、道府県庁所在の市及び東京都特別区(以下本章において「指定市」という。)にあっては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び指定市の長に通知するものによるものとし、指定市以外の市町村にあっては、指定市の提示平均価額を参考として都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものによるものとする。
2 指定市の提示平均価額の算定
 総務大臣は、木造家屋又は非木造家屋の別に、次により、指定市の家屋の総評価見込額を算出し、これをその総床面積で除して、指定市の家屋の提示平均価額を算定するものとする。
(1)  指定市の長は、当該市に所在する家屋を構造、程度等の別に区分し、それぞれの区分ごとに標準的な家屋を基準家屋として選定するものとする。
(2)  指定市の長は、基準家屋について固定資産評価基準によって付設した評点数及び当該基準家屋の前年度の評価額その他総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告するものとする。
(3)  総務大臣は、指定市の長が報告した基準家屋の評点数について検討し、その検討の結果に基づき、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、当該評点数について所要の調整を行うものとする。
(4)  総務大臣は、指定市に所在する家屋について、次により、在来分の家屋(新増分の家屋以外の家屋をいう。)及び新増分の家屋(当該年度において新たに課税の対象となる家屋をいう。)の別に、総評価見込額を算出し、これを合計して指定市の家屋の総評価見込額を算出するものとする。
ア 在来分の家屋の総評価見込額の算出
(ア)  (2)によって指定市の長が報告した在来分の基準家屋の評点数((3)によって、これに所要の調整を加えた場合にあっては、調整後の評点数)に、総務大臣が定める率を乗じて得た数値を一円に乗じ、当該基準家屋の評価見込額を求めるものとする。この場合において、総務大臣が定める率は、「資材費、労務費及び建築工事に直接必要とする諸経費等の工事原価(以下「工事原価」という。)に相当する費用の東京都(特別区の区域)における物価水準に対する当該指定市における物価水準の割合」と「家屋の再建築費のうち、工事原価に相当する費用に対する当該費用以外の費用の割合に一を加えた数値」とを相乗した率を基礎として定めたものとする。
(イ)  (ア)によって求めた基準家屋の評価見込額の前年度の評価額に対する割合を求める。
(ウ)  指定市に所在する在来分の家屋を(イ)の割合が同様であると認められる家屋ごとに区分する。この場合において、当該割合が同様であると認められる家屋の区分は、(1)によって区分した家屋の区分ごとに認定するものとするが、当該割合が同様であると認められる家屋の区分は、これらを合わせ、一の家屋の区分に属するもののうちで当該割合が異なると認められるものがあるときは、当該割合が異なるものごとに区分する。
(エ)  (イ)の割合が同様であると認められる家屋の区分ごとに、その前年度の評価額の合計額に当該割合を基準として求めた割合を乗じて当該区分に係る家屋の評価見込額を算出する。
(オ)  (エ)によって算出した家屋の各区分に係る評価見込額を合計して在来分の家屋の総評価見込額を算出する。
イ 新増分の家屋の総評価見込額の算出
(ア)  (2)によって指定市の長が報告した新増分の基準家屋の単位床面積当たり評点数((3)によって、これに所要の調整を加えた場合にあっては、調整後の評点数)にアの(ア)の総務大臣が定める率を乗じて得た数値を一円に乗じ、当該家屋に係る単位床面積当たり評価見込額を求めるものとする。
(イ)  当該指定市における評点付設の状況を検討し、新増分の家屋を基準家屋に類似する家屋ごとに区分する。
(ウ)  (ア)の基準家屋の単位床面積当たり評価見込額を基礎として求めた単位床面積当たり評価見込額に(イ)によって区分された家屋の床面積を乗じて当該区分に係る家屋の評価見込額を算出する。
(エ)  (ウ)によって算出された家屋の各区分に係る評価見込額を合計して新増分の家屋の総評価見込額を算出する。
(5)  (4)によって総務大臣が算出した総評価見込額と当該指定市の長が固定資産評価基準によって付設する見込総評点数を一円に乗じて得た額とが相違する場合において、その相違が総務大臣が総評価見込額を算出するに当たって用いた(4)のアの(ア)の総務大臣が定める率に係るものである場合を除き、総務大臣は、当該指定市における家屋の評価方法の内容を検討し、必要があると認めるときは、当該指定市における見込総評点数を基礎として総評価見込額を修正するものとする。
3 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定
(1)  都道府県知事は、指定市以外の市町村について、木造家屋又は非木造家屋の別に、2と同様の方法によって、市町村の家屋の総評価見込額を算出し、これをその総床面積で除して当該市町村の木造家屋又は非木造家屋の提示平均価額を算定するものとする。
(2)  総務大臣は、(1)によって算定した市町村の提示平均価額及びその算定の基礎を報告するよう都道府県知事に求めることができるものとする。
(3)  総務大臣は、(2)によって都道府県知事から報告を受けた提示平均価額及びその算定の基礎を検討し、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、提示平均価額について所要の修正を行うよう関係都道府県知事に通知するものとする。
(4)  都道府県知事は、(3)による総務大臣の通知があった場合においては、関係市町村の提示平均価額について所要の修正を行うものとする。
(第2章第1節三)


【趣 旨】
 評価基準における家屋の評価では、全国一律の評点式評価法を採用しているので、各市町村の評価の均衡を図る上で、また、各市町村の実態に即した評価を反映させるためにも、評点一点当たりの価額をこの評点数に乗じることによって評価額を決定する必要がある。
 なお、評点一点当たりの価額は、木造家屋及び非木造家屋の別に算定された提示平均価額に基づいて算出し、各市町村長が決定するものであることが本則(原則)となっている。

【解 説】
 評価基準では、次の算式によって評点一点当たりの価額を算出することが本則とされている。

評点一点当たりの価額 = 木造(非木造家屋)の提示平均価額×総床面積
木造(非木造家屋)の付設総評点数

 評価基準本文では、上記算式によることを原則としているが、在来分家屋については昭和39年当時から台帳価格の据置措置がとられていることから、実際にはこの方法によることができず、後述するような経過措置に定める方法により評点一点当たりの価額が定められ、これが採用されている。

 現行固定資産評価制度が発足した当時には、評価基準によって評価したとしても、市町村間の評価額が均衡を失していたことから、評価の均衡を図る何らかの調整措置が必要になると考えられ、本規定が設けられたものである。
 例えば、ある市町村の行った評価が近隣市町村に比べて著しく低いため均衡を欠いていると認められるような場合、総務大臣又は都道府県知事は総評価見込額を高くするよう修正し、提示平均価額も高い価額を示すこととなる。
 その結果、当該市町村では、この高く修正された提示平均価額に総床面積を乗じて算出した額を、当該市町村が低く付設した総評点数で除して評点一点当たりの価額を求めるため、結果として、評点一点当たりの価額が1円を超えることとなり、それを乗じて求めた評価額は高く修正されることになる。
 このような調整機能を図る趣旨から、評価基準本文の初めにこの規定が設けられたといえるものである。
(なお、平成12年1月28日付自治省告示第12号により、地方分権法の施行などに合わせ、本項の文言は、旧「指示平均価額」から新「提示平均価額」と改正された。)

 上述のような意図をもって設けられた本規定も、新増築家屋については当てはまるとしても、在来分家屋については、現行評価基準が制定された当初から評価基準第2章第4節二及び三による据置措置及び不均衡是正措置が講じられたため、この規定によることが事実上できないこととなり、評価基準第2章第4節の経過措置に示された金額を基礎として市町村長が定めるものとされ、(平成12基準改正前は「(旧)自治大臣が別に定める事項について」という個別の通達に根拠を置いていた。)今日に到っている。
 したがって、実務上の取扱いは後述する第4節「経過措置」を参照されたい。


四 増築された家屋の評価
 一棟の家屋に増築された部分があるときは、当該家屋を増築された部分とその他の部分とに区分して評点数を付設するものとする。ただし、実情に応じ増築された部分とその他の部分とに区分することが困難であると認められる場合等においては、これを区分しないで評点数を付設しても差し支えないものとする。
(第2章第1節四)

【趣 旨】
 一棟の家屋であっても増築された部分があるときは、原則としてこれを区分して評価することを規定している。すなわち、再建築費評点数の算出から各種の減価を考慮して評点数を付設する過程においても、原則として別個に行うことを基本としている。
 ただし、区分して評価することが適当でない、または困難であると認められる場合には、これを区分せず一棟の家屋について再建築費評点数及び評点数を算出することができるものである。

【解 説】
1 増築について
(1)一般的に増築された部分とその他の部分、すなわち既存部分とは、それぞれの建築時に流通していた資材が使用され、態様や構法、工法も異なったものがあるうえ、建築後の経過年数が異なることから、当然に損耗度合も異なることとなる。
 したがって、再建築費評点数を算出する上でも、また評点数を算出する上でも、別個に再建築費評点数及び評点数を付設することが合理的であるため、前段のように規定されているものである。
 また、増築部分と既存部分の外観の態様などがほぼ変わらないものであったり、既存建物の一部を取壊したうえで増築した場合では、増築部分を別個に評価するよりは、増築後の家屋について一棟全体の再建築費評点数及び評点数を付設した方がむしろ合理的であるという場合がある。そのため、後段ただし書き以降の規定が置かれているものである。
(2)現行評価基準制定時には、それ以降に新築又は増築される家屋のほか、建築年次も明確でなく、増築部分と既存部分の外観上の判別がつかない多くの在来分家屋を評価する必要があったと考えられる。そうした場合にも対応できるよう設けられた規定であると考えられているが、そもそも一棟で再建築費評点数を付設しなければならない場合の多くは建築年や増築年が不詳で、外観上の態様も判別がつかない場合が多く、その際には、後述する観察減価的な「損耗の程度に応ずる減点」を適用せざるを得ない場合に該当する例がほとんどだからである。
 なお、現在では、建築計画などで容易に増築等を捕捉することが可能であるから、今日的な意義としては、制度変更等により非課税から課税となる家屋(郵政公社や非課税独立行政法人等)や賦課洩れ家屋に増築があった場合の評価などに本規定が有効となっている。
(3)なお、一棟全体で再建築費評点数を付設した場合には、評点数の付設についても一棟全体で考慮する必要がある。すなわち、「損耗の状況による減点」についても増築部分と既存部分の経過年数等を考慮して一の経年減点補正率を求めなくてはならない。
 このような場合の具体的な運用については、従来から、増築部分、既存部分それぞれの部分ごとに求めた経年減点補正率にそれぞれの部分の「床面積その他適当な基準」によって、いわゆる平均経年減点補正率を算出して適用するとされている。
(4)また、増築という概念の中には、床面積の増加を伴わない、いわゆる体積が増加する場合も含まれる。こうした場合にも、増加する部分を区分して評価することなく、一棟全体について再建築費評点数及び評点数を求めることとなるのは、上記床面積が増加する場合の増築と同様である。

2 改築について
(1)評価基準が採用している再建築価格方式とは、再建築価格を求め、その再建築価格に対して評価時点までの時の経過により生じた減価を考慮して価格を求める方式であるとされている。
 しかし、これは評価対象の家屋に何ら異動がないことを前提とするのであって、新築時以降に何らかの異動があれば、これを反映しなければならないのは当然で、その主なものに前述した増築の他、改築などがある。
 本規定は増築のみについて言及しているが、これは、再建築費評点基準表の計算単位には主として床面積が採用されていることが原因であり、床面積の増加を伴わない改築や大規模な模様替えなども、毎年の賦課期日現在における時点までに財産価値に増・減価要因が生じているわけで、この場合にも再建築価格を修正し、最新の財産価値に応じた価格を求める必要が生じるものである。
(2)なお、改築の場合には、改築部分と既存部分とを区分することが非常に困難であるため、多くの場合、一棟全体で再建築費評点数及び評点数を付設することになるが、この区分が比較的容易である場合には、再建築費評点数を求める際の計算単位などに注意することにより、これまで述べてきた増築と同様の取扱いをすることができる。すなわち、改築部分と既存部分とを区分することが可能であれば、経年減点補正率を別個に適用するなどして評点数を区分して求めることを妨げるものではない。

(参考)
 評価基準上では増築及び改築そのものを明確に定義してはいないが、地方税法における規定や各種の解説などに示された解釈を総合すれば概ね下記のように捉えられる。
○増築
すでにある建築物の一部を利用して部屋数等の増加をもたらす工事をいう。一般的には床面積の増加を伴うものである。(家屋評価用語集第1巻p.197)
家屋の床面積又は体積が増加することをいう。
(地方税法 第73条第1項第7号:不動産取得税における用語の定義)
○改築
家屋の壁、柱、床、はり、屋根、天井、基礎などの取替え又は昇降設備など家屋に含まれる建築設備の一種以上について行われた更新で、その更新のための支出が簡単な修理、修繕などのために支出される程度のものでなく、資本的支出と認められるものをいう。(家屋評価用語集第1巻p.197、地方税法 第73条第1項第8号:不動産取得税における用語の定義)

五 非課税部分等のある家屋の価額の区分
 一棟の家屋について固定資産税を課することができる部分とこれを課することができない部分とがある場合その他一棟の家屋の価額を二以上の部分に区分して求める必要がある場合においては、それぞれの部分ごとに区分して価額を求めるものとする。ただし、それぞれの部分ごとに区分して価額を求めることが困難であると認められるときは、当該家屋の価額をそれぞれの部分の占める床面積の割合その他それぞれの部分の価額を求めるのに適当と認められる基準によって按分してそれぞれの部分の価額を求めるものとする。
(第二章第1節五)

【趣 旨】
 同時期に建築された一棟の建物であっても、非課税部分を有する家屋については、この部分と課税できる部分とを区分して、価額(評価額)を求める必要があるとされている。
 また、非課税部分を有する家屋でなくとも、再建築費評点基準表を別個に適用する必要がある場合、例えば、木造と非木造の複合構造を有する家屋、あるいは木造、非木造といった主要な構成資材は同一でも、評価基準にいう「構造の区分」が異なる部分がある場合においては、区分して価額を求めてよい旨の根拠を与えている。
 ただし、上記のような場合においては、増築部分を区分して評価する場合とは異なり、建物の基礎、主体構造部及び屋根部分などを通常共有していることから、当該家屋を区分して評点数を付設することは、多くの場合むしろ困難である。
 そのような場合には、一棟の家屋を対象として再建築費評点数から評点数ないし価額までを算出し、これをそれぞれの床面積その他それぞれの価額を求めるに当たって適当と認められる基準によって按分して各々の部分の価額を求めるものとされている。

【解 説】
 一棟の家屋の価額を二以上の部分に区分して、それぞれの価額を求める必要がある場合とは、再建築費評点数から評点数を算出するまでの過程においては区分せずに算出することができても、価額についてはそれぞれに区分して示すことが必要な場合をいう。
 例えば、固定資産税を課税することができる部分とできない部分とがあるとき又は一棟の家屋を区分所有している場合などがこれに該当する。
 第一に、一棟の家屋について評価額を求めることはできても、課税できない部分がある場合には、最終的に税額を算出するまでの段階でいずれは課税できる部分とその他の部分とに区分する必要が生じる。その際、床面積等で税額を区分することが合理性を欠くと認められる場合などには、むしろ評価額を求める段階で、これを区分して算出してよい旨が規定されている。
(平成15年度の税制改正時に郵政公社有資産は非課税であっても固定資産評価基準に基づき算出した評価額が交付金の算定基礎とされ、建物全体が非課税家屋であっても評価額が存在する前提が初めて明確に示されたが、非課税家屋であっても評価基準による評価額を求め、価格登録できるとする根拠として本規定がこのとき改めて引用された。)
 第二に、再建築費評点数から評点数までを算出する過程において別個の取扱いをするだけでは足りない場合、すなわち、増改築など、一棟の家屋に対して同一の再建築費評点基準表を適用し経年減点補正率の適用だけを別にすればよい場合だけでなく、同じ一棟の家屋でも、木造と非木造といった複合構造となっている場合には、再建築費評点基準表の適用自体が木造家屋・非木造家屋の別になされ、かつ適用すべき評点一点当たりの価額も異なることから、結果的に評点数及び価額の算出も別個に行わなければならないこととなる。
 また、仮に同じ木造家屋又は非木造家屋でも、一棟の家屋で二以上の異なった「構造」を有する場合には、当該部分にそれぞれ異なる「構造区分」の再建築費評点基準表を適用することになるため、評点数あるいは価額を区分して算出することを要する場合が生じる。

 ただし書き以降では、区分して価額を求めることが困難な場合の規定が示されており、そのような場合には、一棟の家屋を対象として評点数を付設し、これをそれぞれの床面積その他それぞれの価額を求めるに当たって適当と認められる基準によって按分して各々の部分の価額を求めるものとされている。
 なお、この場合の適当な基準とは、区分する部分の床面積が最も基本的なものであるが、その他、建築費が明確な場合は、それぞれの部分の建築費、使用資材の種別及び品等、施工量(建物の容積又は階高)、構造及び形式等それぞれの家屋の実態に応じて考慮してよいこととされている。
 評価基準とは直接関係ないが、地方税法第352条において、マンションなどの区分所有家屋については、共有物の連帯納税義務の特則として固定資産税額を按分することが規定されている。この場合、税額のみの按分で法令上足りるところ、個々の所有者(専有者)に対応するように価額(評価額)を按分して示すことは、納税者の便宜上も望ましいため、既に多くの市町村において実施されているところと思われる。
 これと同様に、区分所有家屋の区分された専有部分それぞれの価額(税額)を求めるのに際し、専有床面積により按分することが適当でない、すなわち、特定の事情に該当する場合に適用するとされている地方税法施行規則第15条の3において準用する同規則第7条の3に定める「一定の補正の方法」による場合の趣旨も本規定と同様と考えられることから、「その他それぞれの部分の価額を求めるのに適当と認められる基準」については、これを準用して差し支えないものである。
六 再建築費評点基準表の補正等
1  市町村長は、「木造家屋再建築費評点基準表」(別表第8)(以下「木造家屋評点基準表」という。)又は「非木造家屋再建築費評点基準表」(別表第12)(以下「非木造家屋評点基準表」という。)を当該市町村に所在する家屋について適用する場合において木造家屋評点基準表又は非木造家屋評点基準表について所要の評点項目及び標準評点数がないとき、その他家屋の実態からみて特に必要があるときは、木造家屋評点基準表又は非木造家屋評点基準表について所要の補正を行い、これを適用することができるものとする。
2  市町村長は、当該市町村に所在する家屋で当該家屋の構造等からみて木造家屋評点基準表又は非木造家屋評点基準表を適用して評価することが困難なものがあるとき又は適当でないものがあるときは、当該家屋の構造、様式、施工量等の実態に応じ、木造家屋評点基準表又は非木造家屋評点基準表の例によって当該家屋に係る木造家屋評点基準表又は非木造家屋評点基準表を作成してこれを適用するものとする。
(第2章第1節六)

【趣 旨】
 再建築費評点基準表に定める評点項目、標準評点数等について、各市町村に実在する個々の家屋の実態に適合するように補正を行うことができることを規定している。

【解 説】
 再建築費評点基準表の補正
 具体的には、次のような方法がある。
(1)  他の構造別・部分別から転用する方法
 評点項目の中には、構造別あるいは部分別によって示されているものが共通でないため、該当する資材(評点項目)が他の構造別・部分別には定められている場合がある。こうした場合、この標準評点数を転用することができるが、構造別、部分別に標準量が異なるため標準量の変更を必ず行い、標準評点数を補正した上で、行わなければならない。
 また、「単位当たり標準評点数の積算基礎」(以下「積算基礎」という。)を参照することによって、同様の施工法がとられる資材(評点項目)の下地その他の標準評点数に含まれている下地材や付属資材等の点数を差替える等の調整を図ることによって転用が可能になる場合がある。
(2)  類似の評点項目に係る標準評点数を補正する方法
 数量的な比例関係で増減すると認められる評点項目の場合には、前後する評点項目の標準評点数を比較し、この比率を乗じることで当該資材に相当する標準評点数に補正することができる。
(3)  取得価格を参考に標準評点数を求める方法
 ある資材の取得価格を参考とする場合、その取得価格が当該基準年度における価格調査基準日の東京都特別区における物価水準と同水準であるように調整し、当該資材の施工に必要な労務費及び下地その他の付属資材等については、前記積算基礎に示された「労務費及び下地その他の評点数」との重複がないように調整したうえで、再建築費評点基準表と同等の積算方法(各種端数処理の方法など)によって算出する。

 再建築費評点基準表の作成
 上記同様、次のような点に留意して作成する。
(1)  総務大臣が定めた再建築費評点基準表のうちに示されている家屋の構造、様式、使用資材又は各部分別の施工量等が、当該市町村に所在する家屋の構造等と著しく相違することにより、相当数の家屋について適正な再建築費評点数を算出することが困難である場合、又は、適当でない場合等において、当該市町村の家屋の構造等の実態に応じ、別に再建築費評点基準表を作成することができるものであること。
(2)  再建築費評点基準表を作成する場合は、総務大臣が定めた再建築費評点基準表に準じて定める必要があることから、各評点項目に応ずる標準評点数は、総務大臣が定めた再建築費評点基準表に示されている各評点項目に応ずる標準評点数の積算方法等を基に、作成することを要するものであること。
(3)  なお、再建築費評点基準表に示す標準評点数は、基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の東京都(特別区の区域)における物価水準により算定した工事原価に相当する費用の1円を1点として表わすものであること。

七 建築設備の評価
 家屋の所有者が所有する電気設備、ガス設備、給水設備、排水設備、衛生設備、冷暖房設備、空調設備、防災設備、運搬設備、清掃設備等の建築設備で、家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となって、家屋の効用を高めるものについては、家屋に含めて評価するものとする。
(第二章第1節七)

【趣 旨】
 家屋の「本体」以外の「附属物」に相当する建築設備について、家屋の評価に含めるべき範囲を規定しているものである。

【解 説】
 家屋評価の対象とする範囲については、家屋を本体(主たる部分)とその附属物(建築設備)という二つに区分し、附属物のうち、本項に規定されるものだけを建築設備として家屋の評価に含めることとしている。
 一般的に附属物といっても、建物としての用途上、絶対不可欠なものから一時的に取り付けられたものまで、建物本体との関係が様々であるので、そのどこまでを家屋の評価対象範囲に含めて取り扱うべきかを規定しているものである。
 現行評価基準が制定される以前の取扱いでは、門塀、庭園、煙突までをも附属物として家屋の評価に含むという考え方が採られていたが、現行評価基準では、家屋本体と物理的に附属している部分でなければ、家屋に含めて評価する対象とはならないとしている。
 家屋本体に附属するものであっても、評価基準では、さらに一定の要件に合致する場合に限っている。これを整理すれば、次のような3つの要件になる。
@ 家屋の所有者と建築設備の所有者が同一人であること、
A 建築設備が家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となっていること、
B 建築設備が家屋の効用を高めるものであること、
 以上、3つの要件すべてを満たす場合に限って、家屋に含めて評価するというものである。

 ここでいう「家屋と構造上一体」及び「家屋の効用を高める」といえる建築設備の判断は、平成12年1月28日付自治省税務局資産評価室長通知に示されているが、ここでは、逆に家屋から除外される建築設備について記述するものとする。
@ 構造的に簡単に取り外しのできるもの
A その設備本来の効用に従って、他の家屋等での転用が可能であり、そのもの自体に資産価値のあるもの
B 家屋と一体となって効用を発揮するものであっても、家屋の効用自体を高めないもの
 なお、「家屋の効用を高める」とは、家屋内部の利便性及び家屋本体の利用者にとっての安全性や快適性のために資するものをいう。
 ただし、変電設備、中央監視制御装置、パッケージ・エアコンディショナーなど家屋から独立した機械としての性格の強いもの、及び発電設備、工場等における機械の動力源である電気設備やホテル等における厨房設備等のように特定の生産又は業務の用に供される建築設備については、家屋の評価から除外されることとなっている。
 以上のことを踏まえると、家屋の評価から除外される建築設備とは、基本的に独立の所有権の対象となり得るようなものが該当するとも考えられる。

 従前、家屋の所有者が自らの費用によって施工した部分(建築設備等を含む。)でなくとも、民法第242条における「附合」に該当するものであれば当該附合部分については、家屋の所有者に所有権があるとみなされ固定資産税が課税される取扱いであった。したがって、家屋の所有者以外の者が取り付けた建築設備等であっても、家屋の所有者が所有する部分として評価の対象となったものである。
 平成16年度の税制改正により、家屋の附帯設備に関する課税関係の見直しがなされ、家屋の所有者以外の者(テナントなど)が事業の用に供するために取り付けた附帯設備については、実際に取り付けた者を固定資産税上の所有者とみなすことができるとする規定が新設されるとともに、当該附帯設備に係る資産区分については「償却資産」とみなすことが規定された(地方税法第343条第9項関係)。
 この「附帯設備」に該当する範囲が、本項で規定される家屋と建築設備の区分にも一定の関連がある事項なので参照しておく必要がある。
 (ここでいう「附帯設備」とは、家屋であるもののうち、附帯設備でないもの(主体構造部分)及び家屋のうち附帯設備に属する部分であることが明らかなもの(建築設備等)を除いたものとして、以下のものが示されている(同法施行規則第10条の2の7)。
○ 木造家屋   …  外壁、内壁、天井、造作、床、建具
○ 非木造家屋 …  外周壁骨組、間仕切骨組、外部仕上、内部仕上、床仕上、天井仕上、屋根仕上、建具
 以上のように、民法第242条の「附合」の規定により家屋本体とみなされていた骨組部分や各種仕上げについて、取り付けた者が異なれば各々を所有者とみなし、かつ資産区分も償却資産とするという画期的な制度改正がなされた。)
 また、これまで建築設備の評価に関連してなされた専門家の調査・研究における建物の範囲に関する知見を整理すれば、@本質的にどうみても建物である部分と、A時によって建物であったりなくなったり、性格が変化するものと、B建物的な要素の極めて少ないものとの3段階に分けることができることがいわれている。
 このうち、Bについては論を待たず建物の範囲に含めず、これまで判断に迷うことの多いAの部分については、今回の特定附帯設備のみなし制度が設けられた経緯なども鑑みて、これを家屋の評価に含めることが適切かどうか総合的かつ慎重に判断して取り扱うことが重要になると考えられる。
 ただし、この改正により家屋の建築設備自体の範囲について新たな判断基準が示されたものではなく、認定困難な場合については、これまで通り評価基準に示された上記要件に照らして、個別に判定することとなるのはいうまでもない。

 なお、過去の経緯として、平成12年度基準改正において(平成12年1月28年自治省告示第2号)、従前、自治省固定資産税課長通達に示されていた「家屋の効用を高めるもの」という要件を評価基準本文に規定するとともに、設備例示を評価基準上の部分別の文言に合わせる等の若干の整理が行われた。
 加えて、従来から示されてきた「家屋の建築設備の評価上の取り扱いについて(昭和38年6月8日付自治庁固発第60号自治省税務局固定資産税課長通達)」が廃止され、改めて資産評価室長通知が示された(平成12年1月28日自治評第5号)。


第2・3節 木造家屋・非木造家屋

一 評点数の算出方法
1.  木造家屋(非木造家屋)の評点数は、当該木造家屋(非木造家屋)の再建築費評点数を基礎として、これに損耗の状況による減点補正率を乗じて付設するものとし、次の算式によって求めるものとする。この場合において、当該木造家屋(非木造家屋)について需給事情による減点を行う必要があると認められるときは、当該木造家屋(非木造家屋)の評点数は、次の算式によって求めた評点数に需給事情による減点補正率を乗じて求めるものとする。
[算式]
評点数=再建築費評点数×経過年数に応ずる減点補正率
(経過年数に応ずる減点補正率によることが、天災、火災その他の事由により当該木造家屋の状況から見て適当でないと認められる場合にあっては、評点数=(部分別再建築費評点数×損耗の程度に応ずる減点補正率)の合計)
2.  市町村長は、当該市町村に所在する木造家屋(非木造家屋)の状況に応じ、「二 部分別による再建築費評点数の算出方法」又は「三 比準による再建築費評点数の算出方法」のいずれかにより再建築費評点数を求めるものとする。ただし、在来分の木造家屋(非木造家屋)にかかる再建築費評点数は「四 在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数の算出方法」により求めるものとする。
(第2章第2節一、第3節一)

【趣旨】
 木造家屋(非木造家屋)の評点数の算出方法は、まず、「部分別による再建築費評点数の算出方法」、「比準による再建築費評点数の算出方法」、「在来分の木造家屋にかかる算出方法」により再建築費評点数を求め、これに損耗の状況による減点補正率を考慮し、更に需給事情による減点を行う必要があると認められるときは減点補正率を乗じて求めるものである。

【解説】
 木造家屋(非木造家屋)の評点数は、当該木造家屋(非木造家屋)について、まず、もう一度その場所に再建築するとした場合の純工事費に相当する再建築費評点数を算出し、これに時の経過等により生じた減価要因を考慮して求めるものである。
 したがって、評点数は通常、再建築費評点数に経過年数に応ずる減点補正率(経年減点補正率)を乗じて求めるものである。
 ただし、天災、火災その他の事由により当該木造家屋(非木造家屋)の状況からみて、経過年数に応ずる減点補正率を用いることが適当でないと認められる場合においては、部分別再建築費評点数に損耗の程度に応ずる減点補正率(損耗減点補正率)を乗じたものの合計によって、当該家屋の評点数を求めるものである。
 なお、この場合において当該木造家屋(非木造家屋)について需給事情による減点を行う必要があると市町村長が認めるときは、上記算式によって求めた評点数にさらに需給事情による減点補正率(需給事情減点補正率)を乗じて求めるものである。
 木造家屋(非木造家屋)の評点数の算出の基礎となる再建築費評点数又は部分別再建築費評点数は、当該市町村に所在する木造家屋(非木造家屋)の状況に応じ、評価基準第2章第2節二、第3節二(部分別による再建築費評点数の算出方法)又は同節三(比準による再建築費評点数の算出方法)のいずれかにより求めるものとされている。
 なお、在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数は、同節四(在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数の算出方法)により求めなければならないとされているが、特段の事情がある場合に限っては、前記同様、部分別による再建築費評点数の算出方法、又は、比準による再建築費評点数の算出方法のいずれかの方法により求めることができるものとされている。


二 部分別による再建築費評点数の算出方法
 部分別による再建築費評点数の算出方法によって木造家屋(非木造家屋)の再建築費評点数を求める場合は、当該木造家屋(非木造家屋)の構造の区分に応じ、当該木造家屋(非木造家屋)について適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表によって求めるものとする。
 木造家屋(非木造家屋)評点基準表によって木造家屋(非木造家屋)の再建築費評点数を求める場合においては、各個の木造家屋(非木造家屋)の構造の区分に応じ、当該木造家屋(非木造家屋)について適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表によって当該木造家屋(非木造家屋)の各部分別に標準評点数を求め、これに補正項目について定められている補正係数を乗じて得た数値に計算単位の数値を乗じて算出した部分別再建築費評点数を合計して求めるものとする。
 木造家屋(非木造家屋)の再建築費評点数は、次の「木造家屋(非木造家屋)再建築費評点数の算出要領」によって算出するものとする。
[木造家屋(非木造家屋)再建築費評点数の算出要領]
1 木造家屋(非木造家屋)評点基準表の適用
  木造家屋(非木造家屋)評点基準表の適用に当たっては、次によって、各個の木造家屋(非木造家屋)に適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表を定めるものとする。
(1)  各個の木造家屋(非木造家屋)の構造の相違に応じ,当該木造家屋(非木造家屋)について適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表を定める場合においては、その使用状況のいかんにかかわらず、当該木造家屋(非木造家屋)の本来の構造によりその適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表を定めるものとする。
(2)  木造家屋(非木造家屋)の構造から見て直ちに適用すべき木造家屋(非木造家屋)評点基準表を定めることが困難なものについては、当該木造家屋(非木造家屋)の構造などから見て最も類似している建物に係る木造家屋(非木造家屋)評点基準表を適用するものとする。
(3)  一棟の建物で二以上の異なった構造を有する部分のある木造家屋(非木造家屋)については、当該各部分について、それぞれに対応する木造家屋評点基準(非木造家屋)を適用するものとする。
(第2章第2節二の1、第3節二の1)

【趣旨】
 建物は、それぞれの用途、すなわち本来の使用目的に供するに適した形態とした場合には、概ね同じような構造(形態ないし造り)を有することになることから、同構造の建物については、使用資材等の施工量についても近似したものとなるのが一般的である。
 そこで、各部分別ごとに標準量を設定し、これを基に標準家屋として、構造の区分ごとに木造家屋評点基準表(17種類(非木造家屋評点基準表は12種類))を示しその適用方法を示しているものである。

【解説】
 すべての家屋は、使用目的(本来の用途)を満たすために建築されていることから、木造家屋(非木造家屋)評点基準表(以下「評点基準表」という。」)は、本来の使用目的に供するのに最も適した構造(形態ないし造り)を基に、家屋を分類、区分し、作成されている。
 したがって、評点基準表の適用に当たっては、評価対象家屋が現実にどのような用途に使用されているかではなく、当該家屋の態様からみて、どの用途の家屋に適した、言い換えればどの用途に応じた造りになっているかにより判断すべきものである。これは、各部分別における標準量の積算が本来の構造により計算されていることにもよるものである。

 なお、これらの構造別区分はすべての構造(形態ないし造り)を網羅しているものではないため、どの用途の家屋に当てはまるかを判断しづらい場合には、当該家屋の築造形態からして、最も類似する構造別区分に係る評点基準表を適用するものとされている。
 評価対象家屋の構造が特殊であり、類似するものがない場合には、市町村長において評点基準表を補正することや新たに作成して適用することができるものである。

 また、一棟の建物で二以上の異なった構造(形態ないし造り)を有する部分がある場合には、原則として、それぞれに対応する評点基準表を適用するものであるが、その主たる構造の部分が一棟の床面積のうち大部分を占めており、他の構造の部分が補助的なものであって、かつ主たる構造に対応する評点基準表の補正の範囲内で適正な評価が行えると判断されるものについては、その主たる構造に対応する評点基準表によって一棟全体を評価して差し支えないものである。

(参考)
 構造による区分とは、用途による構造(目的用途として建築された構造)を指すのか、建築構法による構造を指すのかは明文として示されていない。
 しかし、「事務所、店舗、百貨店用建物」から水力発電所用建物(発電機室関係建物・配電機室関係建物)までの8区分については、同一用途の非木造家屋評点基準表の中で、部分別区分「主体構造部」について「鉄骨鉄筋コンクリート造」・「鉄筋コンクリート造」・「鉄骨造」・「コンクリートブロック造」に区分されていること。また、「住宅用コンクリートブロック造建物」については住宅用という用途とコンクリートブロック造という建築構造が合せて特定されており、「軽量鉄骨造建物」(住宅、アパート用建物・工場、倉庫、市場用建物・事務所、店舗、百貨店等用建物)については、軽量鉄骨造という建築構造の非木造家屋が後に追加されたと考えれば、すべて用途による構造区分によるべきものと考えられる。
 なお、この評価基準において構造等という表記がある場合には、いわゆる建築構造と建築用途を合わせて示しているといえるものである。

2 床面積の算定(木造家屋)
 各個の木造家屋の再建築費評点数を付設する場合の計算単位として用いる木造家屋の床面積は,各階ごとに壁その他区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メ−トルを単位として算定した床部分(階段室又はこれに準ずるものは,各階の床面積に算入するものとし、吹抜の部分は、上限の床部分に算入しないものとする。)の床面積によるものとし、一平方メ−トルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。
(第2章第2節二の2)
2 床面積の算定(非木造家屋)
 各個の非木造家屋の再建築費評点数を付設する場合の計算単位として用いる非木造家屋の床面積は、各階ごとに壁その他区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として算定した床部分(階段室、エレベーター室又はこれらに準ずるものは、各階の床面積に参入するものとし、吹抜の部分は、上階の床部分に参入しないものとする。)の面積によるものとし、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。
(第2章第3節二の2)

【趣旨】
 家屋の認定要件が不動産登記法にいう建物と同義であるように、計算単位として用いる「床面積」についてもその算定方法は、原則として不動産登記規則第115条及び不動産登記事務取扱手続準則第82条によるものである。
 これは、「床面積」といった場合、社会的に最も認知された不動産登記における計算方法に基づいて算定することが、固定資産の評価の全国的な統一を図る観点からも必要であるという趣旨で規定されているものである。

【解説】
 評価基準における家屋の床面積は、不動産登記と算定方法を同じくするため、一般的には登記簿に登記された床面積と同一になるものである。
 ただし、この床面積は、家屋の再建築費評点数を算出する場合の計算単位であるため、不動産登記における床面積と必ずしも一致しない取扱いをすることができるものである。
 例えば、通常、登記建物の床面積には算入されないような地階や塔屋等の部分であっても、再建築費評点数を付設するに当たって、この部分を含めた方が、つまり登記の床面積と異なる数値を計算単位として使用した方がより当該家屋について適正な評価額が算定できると認められる場合には、この部分を計算単位である床面積に算入することができるというものである。
 なお、登記された建物の状況と現況が異なる場合や、未登記家屋については、現況の床面積によるものとし、その算定方法は不動産登記のそれと同様である。

 なお、一般的な「床面積」の算定方法は、次に挙げるとおりである。
(1)   各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、1平方メートルの100分の1未満の端数は切り捨てるものとする。
※ただし、1棟の建物を区分した場合の各専有部分の床面積は、内壁(内側線)で囲まれた部分の水平投影面積によるものとされている。
(2)   柱の両側が被覆されている場合は、柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるものとする。
(3)   柱の外側に壁がある場合は、壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるものとする。
(4)   壁がない部分の床面積を算出する場合は、柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるものとする。
(5)   壁構造の場合は、壁又はサッシュの中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるものとする。
(6)  地下停車場、地下駐車場及び地下街の建物の床面積は、壁又は柱等により区画された部分の面積によるものとする。
(7)   階段室、エレベーターシャフト又はこれに準ずるものは、床を有するものとみなして各階の床面積に算入するものとする。
 ただし、エレベーターシャフトで着床できない構造となっている階については、床面積に算入しないものとする。
(8)   出窓は、高さが1.5メートル以上のもので、その下部が床面と同一の高さにあるものに限り床面積に算入するものとする。
※ ただし、その下部と床面との高さが多少相違する場合であってもその構造からみて床面積に算入することが適当である場合には、評点付設の便宜を考慮して、この部分を算入するものとする。
(9)   柱、壁が傾斜している場合の床面積は、各階の床面に接着する壁その他区画の中心線で囲まれた部分によるものとする。
(10)  建物に付随する屋外の階段及び通路は床面積に算入しないものとする。
※ 軒及び庇等を有する通路やベランダ部分は、その突出部分の状況により建築基準法上、床面積に算入される場合があるが、突出部分の大小にかかわらず不動産登記においても評価基準においても、この部分は床面積に算入しないものである。ただし、これら評価に含めるべき部分については、別途評点数を加算するか、該当する部分別において施工量を補正する方法等により対応することが必要になるものである。
(11)  建物の一部が上階まで吹き抜けになっている場合には、その吹き抜け部分は、上階の床面積に算入しないものとする。
(12)  天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階(特殊階、塔屋を含む)は、床面積に算入しないものとする。ただし、一室の一部が天井の高さ1.5メートル未満であってもその他の部分が天井高1.5メートル以上であれば、その部分は当該一室の床面積に算入するものとする。
(13) ベランダ部分は、床面積に算入しない。
(14) ピロティー部分は床面積に算入しない。
(15)  地下ピットは、通常最下階の床下として設けられ、給水タンク又は貯水タンクを設置し、その保守点検用の空間を有するのみであり、一室としての効用を果たさないため、床面積に算入しない。
 ただし、階段が設けられ、物置の用に供する等一室としての効用を有する場合は当該部分をフロアとみなし、床面積に算入するものとする。また、給水ポンプ等を設置し、若しくは制御盤を置くなどして、保守点検用の空間の範囲を超えて使用されている場合には、当該ピット全体を床面積に算入するものとする。
3 木造家屋評点基準表の部分別区分
木造家屋評点基準表の部分別区分の内容は、次のとおりである。
(1)屋根(2)基礎(3)外壁(4)柱・壁体(5)内壁
(6)天井(7)造作(8)床(9)建具(10)建築設備
(11)仮設工事(12)その他工事
(第2章第2節二の2)
3 非木造家屋評点基準表の部分別区分
非木造家屋評点基準表の部分別区分の内容は、次のとおりである。
(1)主体構造部(2)基礎工事(3)外周壁骨組
(4)間仕切壁骨組(5)外部仕上(6)内部仕上(7)床仕上
(8)天井仕上(9)屋根仕上(10)建具(11)特殊設備
(12)建築設備(13)仮設工事(14)その他の工事
(第2章第3節二の2)

【趣旨】
 部分別による再建築費評点数を付設する場合には、主に家屋を目視することの出来る部分に便宜的に区分して行うが、この場合の各部分別で評価する内容について規定している。

【解説】
 家屋の価格、すなわち適正な時価を求めるための家屋評価とは、家屋を建築するに必要な費用の一切を表わすものであり、建築資材や労務費はもちろん、建築準備や建築中の仮設工事、施工管理といったものに必要となる経費のすべてを含むものである。
 ただし、家屋と構造上の一体性がない設備や屋外の施設(門扉、フェンス、カーポート、緑化施設等)については、建築工事の中で同時期に施工されたとしても家屋評価には含めないものである。

 なお、この部分別区分は、建築を専門としない市町村の評価担当者であっても家屋評価が適切に行えるよう、一般の建築専門家がする工事区分とは異なり、主に外見的な面から家屋を区分し、その建築工事内容が適切に評価できるように評点基準表を構成しているものである。
 そのため、各部分別で評価(評点付設)する場合にも、それぞれの表面に現れた部分から隠れた内部までを推定して評価できるようになっており、とりわけ、木造家屋については、下地材や労務費についても標準的な工事内容を基にした平均的な費用に基づいて積算されていることから、工法等が異なっても、この平均的な費用によることが著しく均衡を欠くと認められない限り、特段の補正は必要ないものである。

 ただし、非木造家屋については、同一資材の仕上げであっても、該当する表面仕上げ材に必要な下地材や労務費が木造家屋ほど均一的でないため、標準的な工事内容を基に平均的な費用に基づいて標準評点数を定めることが適切でないとして、表面仕上げ材と下地材が別個に評点項目として示されているものが多い。

 部分別区分及びその内容については区分表のとおりであるが、木造家屋での「その他工事」、非木造家屋の「その他の工事」については、その他の各部分別に含まれない木工事、金属工事、その他の雑工事に相当する部分について評点付設を行うものである。
 なお、「その他工事」及び「その他の工事」の標準評点数は、構造(本体の構造、用途)別の標準的な家屋に通常取り付けられるであろう「その他工事」及び「その他の工事」に相当する工事内容の施工状況を基に、延べ床面積1.0平方メートル当たりに相当する工事費を基礎として積算されている。

 非木造家屋について、平成18基準年度では、同じ「住宅、アパート用建物」でも工事内容の施工状況が異なることから、「一戸建て型式のもの」と「集合型式のもの」に区分して評点項目が示されている。

4 評点項目及び標準評点数
(1)  「評点項目」は、木造家屋(非木造家屋)の構造に応じ、木造家屋(非木造家屋)評点基準表の各部分ごとに一般に使用されている資材の種別及び品等、施工の態様等の区分によって標準評点数を付設するための項目として設けられているものであり、「標準評点数」は、評点項目の区分に従い、「標準量」(標準的な木造家屋(非木造家屋)の各部分別の単位当たり施工量をいう。)に対する工事費を基礎として算出した評点数である。再建築費評点数の付設に当たっては、木造家屋(非木造家屋)の各部分を調査し、各部分の使用資材の種別、品等、施工の態様等に応じ、該当する評点項目について定められている標準評点数を求めるものとする。
(2)  標準評点数は、基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の東京都(特別区の区域)における物価水準により算定した工事原価に相当する費用に基づいて、その費用の一円を一点として表しているものである。
(3)  各部分別の標準評点数を求める場合において、一の部分に二以上の評点項目に該当する工事が施工されているときは、当該各評点項目に該当する工事の施工量の当該部分の工事の施工量に占める割合によって、平均標準評点数を求めるものとする。
 平均標準評点数を求める算式例は、次のとおりである。
 〔算式例〕
 一の部分にa,b及びc三種の評点項目に該当する工事が施工されているときは、a,b及びcそれぞれの標準評点数に、a,b及びcそれぞれの工事の施工量の当該部分の工事の施工量に占める割合を乗じて求めた数値を合計して平均標準評点数を求めるもとのする。
 aの標準評点数×aが当該部分に占める割合 = A
 bの標準評点数×bが当該部分に占める割合 = B
 cの標準評点数×cが当該部分に占める割合 = C
 当該部分の平均標準評点数 = A  + B + C
(第2章第2節二の4)
4.評点項目及び標準評点数(非木造家屋)
(1)〜(3) 略 
(4)各部分別に再建築費評点数を求める場合において、各部分の使用資材等の数量が明確なときは、当該使用資材等に適用されるべき標準評点数に当該数量を乗じて当該部分の再建築費評点数を求めるものとする。この場合において、当該数量を乗じる標準評点数は、「単位当たり標準評点数」(別表第12の2)に定める標準評点数とする。なお、「単位当たり標準評点数」について、所要の評点項目及び標準評点数がないとき、その他家屋の実態からみて特に必要があるときは、「単位当たり標準評点数」について所要の補正を行い、これを適用することができるものとする。
(第2章第3節二の4)

【趣旨】
 評点項目は、各部分別ごとに使用されている建築資材の種類等に応じて分類されている項目で、その名称は商品名とは異なり、JIS規格等におけるものを参考に示されている。
 また、評点基準表に示された標準評点数は、基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の物価水準により算出した工事原価に相当するもので、構造区分ごとの各部分別における標準量を乗じて得た数値を基礎として定められている。
 なお、部分別に使用されている資材(評点項目)が複数である場合には、施工量の割合による平均標準評点数を求めることになる。

【解説】
 「評点項目」は、家屋を建築する際に一般的に使用される資材の種別、施工の態様などの区分によって標準評点数を付設するための項目として示されているものであり、いわゆる建築仕上げ材の名称を表すものである。
 なお、この「評点項目」については、従来、建築資材別にかなり詳細に示されていたが、最近の建材加工技術の進展により資材の判別が困難になってきていることもあり、また、評価の簡素化や納税者にとってより分かり易いものとするため、類似する評点項目間に比較的価格差がないとされる木造家屋については、平成15年度基準改正において大幅な整理統合が行われた。

 「標準評点数」は、各評点項目の単位当たり標準評点数に、構造別ごとの標準家屋の各部分別における「標準量」を乗じて得た数値を基礎として定められている。
 なお、標準評点数は、基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の東京都(特別区の区域)における物価水準により算定した工事原価に相当する費用に基づいて、その費用の1円を1点として表しているものであるが、これは、基準年度の価格を求めるべき家屋の建築年が、基準年度の賦課期日の属する年の前年中であることから、前年中から評価作業を行わなければならないこと、また、工事原価に相当する費用を定める上で一定の調査期間が必要となることによるものである。
 その算定に当たっては、公表されている建設物価資料で、継続性、信頼性があると考えられる「建設物価」(建設物価調査会)、「積算資料」(経済調査会)、企業物価指数(建設材料)(日本銀行)、屋外労働者職種別賃金調査(厚生労働省)等も参考に、社団法人日本建築学会において積算されたものに基づいているものである。

 各部分別の再建築費評点数は、各部分別の標準評点数に計算単位を乗じることで求めるため、一の評点項目、すなわち標準評点数であれば、これをそのまま部分別の標準評点数とすればよいものである。しかし、一般的に各部分別における施工の形態は、部分別によっても異なるが二以上の種類の資材が使用されていたり、施工の程度が異なっていたり、また、二以上の形式によるものが併用されている。特に、内壁、床、天井などの部分別においては、それぞれの部屋の使用目的によって二以上の異なる資材の使用が施工されているのが通例である。
 そこで、同一の部分別に二以上の種別の資材、形式等で施工されている部分がある場合には、二以上の評点項目に示された標準評点数を使用しなければならないことになる。具体的には、該当する評点項目について示されている標準評点数を、それぞれの工事の施工割合によって加重平均し、当該部分別の標準評点数を算出するわけであるが、このようにして求められた平均標準評点数を使用して部分別再建築費評点数を算出する方法は、使用割合計算とも称せられる。

 なお、上記の施工割合による平均標準評点数の算出については、必ずしも実測に基づく施工量の割合によらなくとも、当該施工がなされている部屋・間取りなど当該施工部分の家屋全体に占める割合などを考慮して、経験値により算出することとして差し支えないものではあるが、施工割合の合計は、吹付け・塗装・断熱材等の加算評点項目を除き、それ以外の評点項目の合計が100とならなければならないことに留意する。

 非木造家屋については、(4)の規定により、各部分の使用資材等の数量が明確なときは、「単位当たり標準評点数」(別表第12の2)に定める標準評点数に当該数量を乗じることで再建築費評点数を求めるが、この場合の計算方法については使用量計算とも称せられる。
 なお、「単位当たり標準評点数」について当該家屋に適用すべき評点項目及び標準評点数が定められていないときは、所要の補正を行い、これを適用することができるものである。
5 補正項目及び補正係数
(1)  木造家屋(非木造家屋)の各部分の工事の施工量等が「補正項目及び補正係数」欄の「標準」欄に定められている工事の施工量等と相違する場合においては、当該補正項目について定められている該当補正係数によって標準評点数を補正するものとする。この場合において、補正項目について定められている補正係数の限度内において処理することができないものについては、その実情に応じ補正を必要とする範囲内において、その限度を超えて補正係数を決定するものとする。
(2)  一の部分に該当する補正項目が二以上ある場合の補正係数は、その該当補正係数を連乗したものによるものとする。
(第2章第2節二の5)
5 補正項目及び補正係数(非木造家屋)
(1)  略
(2)  4(4)の規定に基づき各部分に再建築費評点数を求める場合は、施工の程度に応ずる必要な補正を行うものとする。
(3)  一の部分に該当する補正項目が二以上ある場合の補正係数は、その該当する補正係数を連乗したものとする。
(第2章第3節二の5)

【趣旨】
 各部分別の評点項目に付された標準評点数は、その部分別における各評点項目を施工する場合の、最も標準的な工法や施工量を基に定められているため、評価対象となる個々の家屋の各部分別の施工の状況が、評点基準表の「補正項目及び補正係数」の「標準」欄に定められた施工量等と相違がある場合には、その差を補正して各個の家屋の実態に見合った適正な再建築費評点数を算出することができるように補正する必要がある。

【解説】
 標準評点数は、同一の構造(用途)別区分に属する家屋に一般的に使用されている資材の種別、施工の態様等を考慮して各部分の標準的な構造(造り)・施工量を基準として定められている。
 したがって、個々の評価対象家屋によっては、各部分の施工状況に差異が認められ、必ずしも示されている「評点項目及び標準評点数」に適合するとはいえないものがある。そこで、個々の評価対象家屋の工事の施工量等が「補正項目及び補正係数」の標準欄に示されている施工量等と相違する場合においては、これを補正して個々の家屋の実態に応じた適正な再建築費評点数を算出することができるように「補正項目」及び「補正係数」が定められているものである。

 補正係数については、適用すべき補正係数の幅として「上限」、「下限」が一応示されている。したがって、一般的には補正係数の欄に矢印がある場合には、標準〜増点補正率又は標準〜減点補正率の間において補正率を決定するものである。
 しかし、この範囲を超えないと実態に即した評価が行えないなど特別の理由があると認められる場合には、必要に応じて増点補正率を上回り又は減点補正率を下回って補正係数を決定することができるものとされている。
 ただし、例外として非木造家屋の部分別「基礎」における「杭打地業」については、上限を上回る補正が禁止されている。
 なお、同一の部分別において二以上の補正項目に該当する場合には、それぞれの補正係数を連乗して適用すべき補正係数を決定するものである。

 非木造家屋について、各部分の使用資材等の数量が明確な場合には、「単位当たり標準評点数」(別表第12の2)に定める標準評点数を当該数量に乗じるため、標準的な家屋の施工量を基に定められた標準評点数に対する施工量とを比較しての補正は必要ない。
 なお、施工方法や施工の程度については、補正が必要な場合があることに留意する必要がある。

 ところで、補正の方式には、「項目別補正方式」と「総合補正方式」の二つの方法が示されている。
 補正を必要とする主な理由は、施工量に関するものと施工の程度に関するものの二つに大別されるが、「項目別補正方式」とは、このうち主に施工量に関して、実態に応じた施工量の相違を要因別に分類し、これを補正項目として示し、補正係数の決定についても補正内容に示された外観的判断か、あるいは比較的簡便な方法による把握内容により判定することによって、標準量との施工量の多少に関する補正係数を求める方式である。
 一方、「総合補正方式」は、本来、評価の実務上の便宜を考慮して、統計的、経験値的に補正係数を定めてもいいとする趣旨により定められたものである。このため、項目別補正方式に示された施工量に関する補正項目を統合して「施工量の多少」という一の補正項目に表されているが、この補正係数の決定は達観により行われることから、ある程度、評価技術に熟練した職員の事務の簡素化に即して認められているといえるものである。


6 再建築費評点数
 再建築費評点数は、各部分別の標準評点数に当該部分の補正係数を乗じて得た数値に、その計算単位の数値を乗じて求めた各部分別の再建築費評点数を合計して求めるものとする。
(第2章第2節二の6、第2章第3節二の6)

【趣旨】
 評価対象家屋全体の再建築費評点数は、各部分別ごとに算出した標準評点数(平均標準評点数)に当該部分の補正係数を乗じ、さらに、当該部分別の計算単位を乗じて求めた各部分別の再建築費評点数を合計して求めるものである。

【解説】
 一棟の家屋の再建築費評点数は、評点基準表によって求めるべきものであることから、一棟の家屋をいくつかの部分に区分して定められている評点基準表に基づき、各部分別に算出した標準評点数に、各部分別の補正係数を乗じ、さらに計算単位である床面積等を乗じることで各部分別の再建築費評点数を求め、これを合計して求めることになる。

 市町村によっては、各部分別に算出した床面積1.0平方メートル当たりの標準評点数に、各部分別の補正係数を乗じて得た数値を合計し、その後、床面積を乗じて当該家屋の再建築費評点数を求める方法によっている場合もあるが、これも乗算の順序が異なるだけで同趣旨に基づくものであることから差し支えないものとされている。


三 比準による再建築費評点数の算出方法
 比準による再建築費評点数の算出方法によって木造家屋(非木造家屋)の再建築費評点数を求める場合は、次によって求めるものとする。
 当該市町村に所在する木造家屋(非木造家屋)を、その実態に応じ、構造、程度、規模等の別に区分し、それぞれの区分ごとに標準とすべき木造家屋(非木造家屋)を標準木造家屋(非木造家屋)として定める。
 標準木造家屋(非木造家屋)について、二によって再建築費評点数を付設する。
 標準木造家屋(非木造家屋)以外の木造家屋(非木造家屋)で当該標準木造家屋(非木造家屋)の属する区分と同一の区分に属するもの(以下本項において「比準木造家屋(非木造家屋)」という。)の再建築費評点数は、当該比準木造家屋(非木造家屋)と当該標準木造家屋(非木造家屋)の各部分別の使用資材、施工量等の相違を考慮し、当該標準木造家屋(非木造家屋)の部分別再建築費評点数又は再建築費評点数に比準して付設する。
(第2章第2節三、第2章第3節三)

【趣旨】
 家屋評価における比準とは、ある家屋をその家屋以外の類似する家屋に対比して評価する方法であり、部分別による再建築費評点数の算出方法(評価基準第2章第2節二による評価方法。以下「部分別評価の方法」という。)による事務量の増大や評価手続上の複雑な点を解消し、評価事務の簡素合理化を図ろうとする趣旨により設けられているものである。

【解説】
 比準による再建築費評点数の算出方法(以下「比準評価の方法」という。)は、当該市町村に所在する家屋を、その実態に応じて構造、程度、規模等の別に区分し、それぞれの区分ごとに標準とすべき家屋を標準家屋として選定する。そして、その標準家屋について、部分別評価の方法によって再建築費評点数を付設し、比準家屋の再建築費評点数は、当該比準家屋と標準家屋の各部分別の使用資材、施工量等の相違を考慮し、当該標準家屋の部分別再建築費評点数又は再建築費評点数に比準して求めるものである。
 したがって、この方法によれば、各部分別又は一棟全体で、使用資材、施工量、施工の程度等について標準家屋との相違を判定して必要な増減点を行い、その結果に基づいて再建築費評点数を求めるため、部分別評価の方法で再建築費評点数を求める場合に比べて、その評価事務量は少なくなる。

 比準評価の方法の適用に当たって留意すべき点には、次のようなことが挙げられている。
(1)構造別区分
 木造家屋(非木造家屋)の構造別区分は、主として用途別区分によるもの
であるから、比準評価の方法による場合の構造別区分も、当該市町村に所在する木造家屋(非木造家屋)の用途別の状況に応じ、評価基準に定める用途別区分(木造家屋17種類、非木造家屋12種類)に応じて定めることを要する。
 この場合、木造家屋でいえば「共同住宅及び寄宿舎用建物」などを、非木
造家屋でいえば「事務所、店舗、百貨店用建物」などを、それぞれ細分化して定めることは差し支えないものである。
 また、用途を統合することについては、一般的に、統合された建物相互に類似する標準家屋が存するとは考えにくいことから適当でないと考えるが、要件を限定するなどして共通する類似性をもった標準家屋が設定できるなら、これも差し支えないものである。
 なお、用途別の区分のほかに、木造家屋については、軸組在来構法と木製
パネル・枠組壁体による構法などに、非木造家屋については、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの主体構造部の資材別の区分も併せて行う必要がある。
(2)程度別区分
 比準評価の方法による場合の程度別の区分は、例えば各用途別区分ごとに家屋の施工の程度(普請の程度)によって区分し、当該市町村に所在する家屋の施工の程度の実態に適合させることが必要である。
 なお、特に高級な家屋や特殊な家屋については、比準評価を採用する場合の趣旨からも適当ではなく、部分別評価の方法によることが望ましいものである。


四 在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数の算出方法
 在来分の木造家屋(非木造家屋)に係る再建築費評点数は、次の算式によって求めるものとする。ただし、当該市町村に所在する在来分の木造家屋(非木造家屋)の実態等からみてこの方法によることが適当でないと認められる場合又は個々の在来分の木造家屋(非木造家屋)に地方税法第349条第2項各号に掲げる事情があることによりこの方法によることが適当でないと認められる場合においては、二又は三によって再建築費評点数を求めることができるものとする。
(算式)
再建築費評点数 = 基準年度の前年度における再建築費評点数
×再建築費評点補正率
 基準年度の前年度における再建築費評点数は、前基準年度に適用した固定資産評価基準第2章第1節及び第2節(第3節)によって求めたものをいう。
 再建築費評点補正率は、基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の東京都(特別区の区域)における物価水準により算定した工事原価に相当する費用の前基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の当該費用に対する割合を基礎として定めたものである。
(第2章第2節四、第2章第3節四)

【趣旨】
 在来分家屋の評点数を求める段階での再建築費評点数の算出は、原則として、基準年度の前年度における再建築費評点数を基に求めなければならないが、その具体的な算出方法について規定したものである。ただし、当該市町村に所在する在来分家屋の実態等からみてこの方法によることが適当でないと認められる場合又は個々の在来分家屋に地方税法第349条第2項各号の事情があるためこの方法によることが適当でないと認められる場合は、この原則によらず「部分別評価の方法」又は「比準評価の方法」によって再建築費評点数を求めなければならない、又は求めることができる旨についても規定している。

【解説】
 再建築費評点補正率を乗じることになる「基準年度の前年度における再建築費評点数」とは、必ずしも前年度の価格の基礎として直結する再建築費評点数をいうものではなく、当該家屋について、前基準年度で適用する評価基準の第2節又は第3節一〜四によって評価した場合に算出される再建築費評点数をいうものである。
 これは、再建築費評点補正率が、前評価基準から新評価基準までのそれぞれの価格調査時点の差違である3年間の建築物価の動向を反映させるための率であり、これを乗じることによって評価時点における再建築費評点数を算出し直すことを目的としているからである。

 しかし、在来分家屋については、毎基準年度における再建築費評点数及び評点数を算出して財産価値を見直してはいるが、評価制度や税負担を考慮して設けられた経過措置についても毎基準年度において、その都度、適用判定が行われている。
 したがって、在来分家屋について前基準年度を基に再建築費評点数を求めるといっても、実際に採用された評価額の基礎になった再建築費評点数ではなく、いわゆる理論評価額の基礎になった再建築費評点数を用いるものである。
 なお、再建築費評点補正率は、該当する基準年度において、その都度定めなければならないことから評価基準第2章第4節一の経過措置に定められているもので、本規定2により各市町村において定めることができるとしたものではない。

 部分別評価の方法により再建築費評点数を求める場合には、新増築家屋について再建築費評点数を算出するのと同様に、該当する評点基準表を適用して、個々の在来分家屋の再建築費評点数を算出する。
 なお、新築時から相当年月の経った在来分家屋については、評点基準表の適用に当たって該当する評点項目がなくなっていることも考えられるが、このような場合は、当該資材の継承資材又は最も類似する資材の評点項目を代替え(置き換え)する等により、再建築費評点数の算出を行うこととし、また、該当する評点項目が示されていても、その標準評点数の積算の基礎となった構法、生産技術、施工法等が当該家屋の実際のものと異なっている場合でも、再建築費評点数の算出は当該標準評点数をそのまま適用して行うことができるものとされている。

 比準評価の方法により再建築費評点数を求める場合には、新増築家屋について再建築費評点数を算出するのと同様に、標準家屋(部分別評価の方法により再建築費評点数を付設したもの)との各部分別の使用資材、施工量などの相違を考慮し、当該標準家屋の部分別再建築費評点数又は再建築費評点数に比準して在来分家屋の再建築費評点数を算出する。
 このように、在来分家屋であっても類似する標準家屋が選定されていれば、当該基準年度において適用する比準評価の方法により再建築費評点数を求めることができる旨を規定しているものである。

 以上のように、在来分家屋に係る再建築費評点数の算出方法には、再建築費評点補正率による評価の方法を原則としつつ、部分別評価の方法、比準評価の方法も規定されているところであるが、いずれにしても在来分家屋の評価替えは、基準年度ごとに全ての在来分家屋を対象として行わなければならない。
 しかしながら、大量の評価対象家屋を限られた期間において一括して適正に評価することは部分別評価や比準評価の手法では実務上困難であり、同時に極めて膨大な事務量を要することとなるため、再建築費評点補正率による評価の方法が定められているものである。

 再建築費評点補正率による評価の方法のメリットは、個々の資材等の価格変動を一個一個の家屋の評価に反映させて行うことなく、評価替え時点における個々の家屋の建築に要する費用を、価格変動に関する各種の一般的指標に基づいて時点修正することによるため、部分別評価や比準評価に比べてその事務量が格段に少なくなることにある。
 ただし、地方税法第349条第2項各号に掲げる事情、いわば改築や損壊などの事情があり、再建築費評点補正率による評価方法によることが適当でないと認められる場合に限っては、部分別あるいは比準評価の方法によって再建築費評点数を求めなければならないものである。
 また、市町村に所在する在来分家屋の実態等からみて適当でないと認められる場合も部分別評価等の方法によることができるが、これは例えば、市町村によっては基準年度における評価替えにおいて所要の補正等の変更を行ったことにより、再建築費評点補正率を乗じることでは、新たな基準年度における適正な再建築費評点数の算出ができない場合などが考えられるためである。


五 損耗の状況による減点補正率の算出方法
 木造家屋(非木造家屋)の損耗の状況による減点補正率は、経過年数に応ずる減点補正率によるものとする。・・・中略・・・
 木造家屋(非木造家屋)の損耗の状況による減点補正率は、次の「損耗の状況による減点補正率の算出要領」によって算出するものとする。
〔損耗の状況による減点補正率の算出要領〕
1 経過年数に応じる減点補正率
(1)  経過年数に応ずる減点補正率(以下本節において「経年減点補正率」という。)は、通常の維持管理を行うものとした場合において、その年数の経過に応じて通常生ずる減価を基礎として定めたものであって、木造家屋(非木造家屋)の構造区分及びその延べ床面積1.0u当たり再建築費評点数の区分(木造家屋のみ)に従い、「木造家屋経年減点補正率基準表」(別表第9)(「非木造家屋経年減点補正率基準表」(別表第13))に示されている当該木造家屋(非木造家屋)の経年減点補正率によって求めるものとする。
(第2章第2節五、第2章第3節五)

【趣旨】
 家屋の財産価値は、新築された後において漸次減少していくものであるが、その減少度合いは、家屋としての効用を果たす最低限の状態(残存価値20%)に至るまでの間において、原則として時(年数)の経過とともに均等に減少してい